魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５３９話 ダンマスはまず人間として生活可能です。

　中世ファンタジーの厳しい現実があるんだな・・・。
「この世界は…医療とか、様々な要因が絡まないと、この世界では人は最悪３歳までに大体３割は死ぬと言われている。」
「え？」
「ファンタジーの基礎だが、まず今の日本であまりない”破傷風”（傷口が化膿して重症化する）が結構な頻度で起こる。水で洗うとかの知識が無いやつがまず多い。消毒に使うアルコールも無い。魔法も実は”破傷風”に効くのは”光魔法”だけだ。その為、小さい怪我や病気、食あたりなど、今の日本では起きないかなり雑多な理由で死亡することが多い。だからこそ、冒険者に慣れるほどに人は…なかなか育たない。」
　私もＴＲＰＧ三種の神器の一つで、”アルコール度数の高い酒”を”消毒液の代わりで使うよう”に買っておいたものだ。あれは燃えて導火線に使う、引火に使う。急性アルコール中毒を狙うなど、様々な使い道がある。それ位怪我に対する対策は中世における重要事態だ。よく時代劇である”口に酒を含んで霧で吹く”は消毒液を広範囲にばらまくという、行為でもある。但しこれは”ワイン、エール、ビール”ではアルコール度数と異物の関係で無理に近い。
「だからこそ、ダンジョンにトライした人間を生かすためには、一定レベルの近くがいい、ただしそこから先は自分のＤＰとかと相談してくれ。戦力とかもだ。」
「は、はい。」
「ただし、今回のこの公国のダンジョンに最適な地域は、北部のみだ。その周辺を調査させている、」
「え？どうしてです？南の川沿いとか西とかでもいいじゃないですか？」
「まず東は、前に言った商業トンネル建設予定だ、ここは只でさえ人が通らない可能性がある、街道整備まで欲しいだろう、そこにモンスターとかの危険情報を出すのは、最悪行き来が安定してからでもいい、密輸ルートの場合、捨てて逃げるほうが速いんだよ。」
「あ…はい。」
「で南、西は”この国が亡びる可能性があるからダメ”現在のダンジョンは魔石が取れるというだけでも”ゴーレム車生産材料”として認識されているので、隣国による”殺してでも奪い取る”が発動する公算が高い。ゴーレム車があれば。兵器運用から大量輸送まで可能だ。何をやっても発展するのが現状だ。だからこそ奪いに来る。この国が滅びてもいいならその手もあるが、いざ戦争になったらダンジョンには人が来なくなるし最悪爆破で埋めて…往来停止をもくろむだろうよ。」
「でも、北でもそれは変わらないのでは？」
「ここで問題なのが、パルマキア公国の配置だ、この国の配置は、草原諸国１０国の中で北東に位置する。北は未開の地の上に”開発を民間が行える”これが大きい。東は国営で許可制でもある。西、南もだ。そうなると遠いところまで歩いてくるのに比べたら、こっちの収益的には、ダンジョン町を入り口で作ってくれる。」
「でもそれだと、僕たち出入りできませんよね？」
「ここで出てくるのが同盟ゲートだ。同盟ゲートを４人で組んで出して、一人はダンジョン管理、一人は町での工作箇所にダンジョンを作る。そうすることで、お互いの入り口を行き来して出入りが可能だ。又、いくつか回避方法があるのも建築上分かっている、ただし限界はあるがな。」
「じゃあ、ダンジョンにいながら、街生活は可能なの？」
「可能だな。但し変化とかで人間の形にしておけよ。そうすればいい。」
「でもよ？街中の立地難でどうやって手に入れるんだよ？」
「街に入ることに成功したら、普通に金銭で土地を買うとか、後は使わせてもらうんだよ。そうすることで、一時的にＤＰで買えることになる。それで人間内の家の立地を買う。だからこそここでの隠れ蓑が商人なんだよ。金や価値のある物で土地を買って、そこを領域化してダンジョンをその家の地下に作る。そうすればＤＰで商品が作れる店の完成だ。当然同盟ゲートは、指定した一か所に各ダンジョンマスターのルーム一つにつながる。だからこそ。各ダンジョンマスターをつなぐ転送装置として使える、これがかなり大きなアドバンテージだ。」
「凄いですね…流石大手。」