上 下
525 / 1,281
第14章 下部組織は基本押し付け

第520話 会社の下請けの多くは作るのではなく、何らかの要因で作らされる。

しおりを挟む
 魔人同盟との会議はいい感じで終わったが、何もしていない我々につきつけられる”戦後処理”意味が分からん。
「やっほ、久しぶりね。」
「今日はお日柄もよく…。」
「そんな、形式ばった話はいいから。座って。」
 …ビジネス会話とか知らんな、これ。
「で、何の用だわさ?」
「端的にいうは、パルマキア公国頂戴。」
「「は?」」
 流石に私も、唖然とした。
「正確にはあの頭がとんがった商人だっけ、それを私たちに派遣させてほしいの。」
「何言ってるだわさ!調略を頼んだのはそっちだわさ。それに従ってやった。」
「だから頂戴。」
「でも!」
 流石にこれをすんなりと受ければ組織のトップになんて立たない方がいい、それくらいの横暴だ。でも、こっちの交渉を見ていたのか、どこかで…食えない奴。
「それがね、事情が変わっちゃってさ。あんたも部下から聞いたでしょ、月下を滅ぼした件。」
 さらっと言われるのも腹が立つが、事実だ。
「その中ぎりぎり月下と手を切った。4人のダンマスがいるの、」
「で?」
「彼らに一応保証を出すのと、後、彼らは亜人に入れるわけにはいかないの。で、そこであんたたちのパルマギア公国よ。そこに連中を送り込んで、彼らが一旗揚げれば保証も出来て。初心者ダンマスから脱却もできる、そしてあんたらは感謝を得られる、いいじゃない。」
「…さすがにそれは虫が良すぎるだわさ。うちらが、どれだけ支出したと思っているんだわさ!?」
「あんたたちのステータスからすればはした金のはずよ、それに、私達からすれば調子に乗ったいじめっ子の討伐にやぶさかじゃないわ。特に弱い立場のダンマスを守る為ならばね。」
 流石の鳥海さんもこの物言いは、血管を噴きそうな顔をしている、
「あんたは、ダンマスを頼むと、」
「そうよ、それは”すべての”よ。あんたたち儲かているダンマスと世の中には儲かっていないダンマスがいるの。そう言う弱者を守る、そうじゃない?」
 言っていることに一貫性はある、但しこれを認めたら、我々は亜人の属国になる、
「それによ、草原諸国にあんたらが根城築くのは反感買うと思ない?」
 それに対しては幻などの大作を立ててから、限界まで交錯するつもりだった。が、こういわれると…。
「でもこれを受けたら、うちらは属国だわさ。」
「…確かにね、あんたらが、亜人に入っても迷惑だから。」
「そうだわさ?」
 流石にこれはあおりが強すぎる。味方にする気もないのに命令だけするのかよ。
「そうよ。亜人にいるのは初心者ダンマスが多いでしょう、そこに先輩風吹かせるダンマスが来るのはちょっとね。だから、特にドルカスと仲が悪いというじゃない。だからお勧めはしないわ。」 
「お帰り下さい、さすがに・・・。」
「後これ、事後承諾だから。」
「「は?」」
「もう行かせちゃったから。後はちゃんと引いてね、商店の”領域”も全部。南ちゃんにできるだけ安く売ってね。」
 …は?
「じゃあね。」
 そプ言うと、手を振り、リューネは去っていった。その直後オウルから、連絡が入った。現場には鎧騎士と、コクヨウが目の前に来て、そのままでいるように言われたと。見事にやられた。そう、パルマキア公国は名も知らない4人のダンマスに…亜人に奪われたのだった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

処理中です...