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第13章 新入社員と改革のススメ

第501話 社長は常に社員を背負っている、忘れてはならない。

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 その検証の最終日の事…。ある教法がダンジョンSNSから伝えられた…。三日月月光の消失だ。

 俗にいうランキング消失。という物で、死亡と同等になる。月下の庭園はレベル10ダンジョン。すなわち最大クラスのダンジョンだ。それが陥落したという事は陥落者がいる事なる。いくらタミさんが月光と同等だったとしても…パンダ同好会クラス、およびスキュラでさえ無理だ。レベルは交渉時に確認した。一応海川はこう見えて…レベル10ダンジョンマスターなのは驚いたが…。それでも、その程度というステータスだった。本人の強化はしていなかった。パンダは平均8から9.しかも聞いた話ザガートン南部を起点とする月下の庭園は魔ttくらまない。
そしてこれはSNSで一気に騒然となった。レベル10の大組織を潰せるのはギルドか…。そして水木に連絡を取ったところ…。もっと問題な事が発覚した。
 
 まず、ギルドではこの事での動きはなかった。そして何より、ドルカスほか、誰が動いたかの犯人捜しを敢行したらしい。という事は亜人同盟ではない。そしてもう一つ。なんか変な情報が水木から聞けた”勇者が激減している”のだ。元は70人近くいた勇者も結構数を減らした。…70人もいたのかよ。で、クラウドドラゴン戦でも減ったが、それ以外に数人がなくなった上に数人が…堕ちた。それに伴い、戒厳令をギルド発令した。盗賊化した勇者が出たのだ。ギルドは元々”勇者を支える”ではなく、本質は”勇者を管理して抑える”を主眼としたそしきだ。

 情報を千鳥万花メンバに―つたえると、全員が微妙な顔になった。
「落ちた勇者だわさ…。」
「亜人でない奴が、月光を落としたのか?」
「それはおかしい。」
 そう、月光は”一心同体”を解除してあったのだ。すなわち”コアと本体”の双方をほぼ同時に破壊するしか死なないのだ。しかもそれを理解してか、月光はよくダンジョン外にないる。まあ、月光の行動から理解はできた。が…。
「となると何?なんで月光は死んだのよ?」
 そう、不死身のはずの存在が死んだ。それがSNSで衝撃となったのだ。一心同体解除で余裕と言っていた筈が、死ぬとなれば…全員の警戒度が上がる、それから一週間。なぜかダンジョンバトルも発生しなくなった。一心同体を解除すれば、ダンジョンバトルでマスターが戦ってもノーリスクのはずが。死ぬ。謎の殺害方法をダンジョンバトルで使用されても困る。そういう事だ。そして、一週間後のその日、SNSにある声明が・・・書かれた。

『月光は弱者であり、月光は引退し、消滅した。我ら新月下の庭園のトップである、”薔薇のヨシカゲ”である。各ダンジョンマスターは新たな強者である月下の庭園の前にかしずくといい。亜人同盟とか言う戦闘意欲のない欺瞞の塊である加工映像を出したクズはまず月下の庭園の前にかしずき、ギルドを差し出すべし。』

 この書き込みと同時にキレたのがドルカスであり…もう一人…黒川である。ドルカスは、亜人同盟を馬鹿にされた怒り。そして…。黒川は一時とはいえ一緒に旅行し、そこで語り合った。元々、一般人ではあるが、結構任侠に毒されているらしく、こうして講義に来ている。
「すまない、もう一回でいい、ザガートン大陸に送って欲しい。」
「あの…。」
 美玖と呼ばれた娘と一緒に来ていた黒川の精いっぱいの土下座を見ていると、潔すぎるのだ。一応今回のダンジョンバトルは2対2の前交渉用のセッティングである。
「…断る。代金は払ってもらったが…。今行けば襲われるぞ。」
 こちら側のメンバーはいつも同じ三、鳥海と私だ。
「分かっている。」
「…さすがにこれは容認できないだわさ。」
 今出て行けば、変に話がこじれる。秘密裏に行った潜入で話がこじれる。そして、連中と対立すると…ギルドと偏にぶつかる可能性がある、三つ巴戦である。そんな展開にすれば、
「どうしてだ?」
「アチシ達は、ギルドとある程度の提携をしているだわさ。…依頼として邪魔になるからと、魔王国討伐とかになりかねないだわさ。」
「ぐ…。」
 そう、今回は水木からの情報でギルドが動いているかもという話が出ていた。この環境でザガートン南部に乗り込めば当然…。ギルドとかち合う。そうなればごまかしは聞かない。あのレーザー勇者が飛んでくる。棍棒の奴もだ。そうなれば…見た感じ黒川たちは殲滅させられるだろう。そして我々は防波堤を失う。
「でも、怒らないのですか?」
「…怒って何をするだわさ?感情だけで生きて、背中にいる人間殺したらダメやろが。」
 …さっきに近い目線が二人に刺さる、鳥海の殺気からすると、ガチでキレているみたいだ。
「お前らの背中に部下と、国家があるんやろが。それがちょっと怒ったで犠牲にする程度か?お前を支えてくれた奴を。マジで考え直せや。」
 どっちがヤクザが分からないほどの殺気が…鳥海からあふれる。元々話を聞くと鳥海も結構正義感があり、政治にポリシーを持って、秘書をやっていた。書類は丹念にチェックし、事務職の部下にはちゃんと優しく指導する。日ごろは弱音を本当はほどほどもないはずなのに笑い話にして、笑いを取りつつ和ませる。かと思えばかなりの冷徹さも持つ。それは全て”国民”の為だという意識があるからである。ついでに結構…街巡りと、コアからの画像チェックからの市場調査もある。そんな鳥海からすると、こういう愚かなトップの姿は許せないらしい。
まさか語尾まで飛ぶとか…。
「でも…放置していいんですか?」
「…。」
 だからそのままこっちを見るな、全員。
「無駄だと思っている、もしギルドが討伐完了宣言後に月下の庭園が残るなら、こちらが手を出すことを考える。今は混戦するし、巻き込まれれば死ぬのはこっちだ。」
「確かに…。」
「それまでは待て、今のままだと…月下に勝てない恐れもある、向こうはレベル10のマスターを陥落させる実力があるのだぞ。」
「すまない、確かに必勝を期すべきだ。」
「すいませんでした。」
 深々と謝るが…この娘とやらも…。黒川と性格が似ている気がしてならない。
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