魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第13章 新入社員と改革のススメ

第500話 技術は繋がり、応用して、そして、重なり合い、新しいものが生まれる、

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 そして一応聞き取りを行い。そのついでに各都市にミヨちゃんたち偵察部隊を聞き出しで送り出し、聞いてきたのがこれだ。

ルーティ=家具、狩り、革なめし、香草
メルトヴァ(ウルフェダンジョンの町)=革鎧。カバン。
首都マルワール=貴族商業主義、議会制政治体制、大臣制
北部山間村=農業、リンゴ、ジャガイモ、ニンジン
ムーア村=干し肉、猟犬(シロウ限定)
中央廃墟=米、伏兵技術
パーリニア(北部の国境街)=ワイン、カラシン草(スパイスかもしれん)
メッチャング=塩、昆布、貝
南部森林地域=林業、材木生産
ポルトアニア(南部国境の町)=材木加工、見張り台

グランハイム王国= ブドウのパン種(ブドウの天然酵母パン)、サラダ、3賢制

子爵国= 宿場制度、山ブドウ

 となっていた。グランハイムの3賢制というのは、国王の独裁主義の亜種に近く、国王就任時に必ず3人の賢者を国民から推薦されたうえで承認、その3人が決めた内容を国王に奏上し、決めるという政治体制だ。現在の賢者は中央教会推薦”水木”、地方推薦”パルトムル村長代表”、商業推薦”穀物庄屋のポトーレンおじさん”の3名となっていて。この3人が各代表から意見を聞き、政策を奏上して…予算の執行は国王の専任だそうだ。その為、外交と国防は”国王選任事項”だから、あれだけ外交に素早く反応できたそうだ。まあそのため、非常に最初の就任式が絡む”国王就任パーティ”は出席者決定にひと悶着あるとか…。だろうな…。また、このブドウ酵母パンとワインは技術交換が終わっており、また、塩サラダがあるため、葉物野菜の生産がこっちでも始まっている。こういう環境だったため、水木はあまりこっちに来て食事に不便を覚えなかったという。…あのパンとスープで苦しめばいいかもというかこれも。結構ダンマスあるあるで、あの格安スープとパンは食事をとる必要があるダンマスは一回は口にして、しょげる…くじけるだそうだが。あれどうも教授が言うには、一時代前の勇者大陸ではあれでさえ”贅沢食”であり、特に塩は高額だったそうだ。今は、海水塩やエルフ塩、調理用の酒の概念が伝わっているらしくフランベまで行くのではと言われている。意外と、技術に問題ありかもしれん。後水木の赴任している村は無いというよりあの”木の壁”そのものの疑いがあると言われた。隣は当然”鉄具”となる。こう見てみると、こういう視点だと、いろいろ、人間を発展させないと魔物も人間を襲う旨味もない。という事が分かっている。意外ときついな。
「ほら、レポート終わったぞ。」
「ありがとだわさ。こうしてみるとうちらにも結構技術があるだわさ。」
「黒川の領域での調査は、無理だろうな、今更。」
「ん?そっちは敵じゃろ?」
 鳥海と一緒にハーブ茶を飲みながら書類を見ているのが、ドランでもある、最近はここ”バラン城の鳥海の執政室”に入り浸っている、技術の話を聞いてから興味があるようだ。
「あそことは一応…な。」
「ま、その辺は気にしないだわさ。但し占領は…。」
「無理なうえにこれ以上の伸びしろもない。」
 実はこの中に…”開墾”とか”林業”という技術はない。そう…開拓に必要な技術が無いのだ、人間側に。ついでにダークエルフの集落では”森林共生主義”という概念があり、木の皮を加工して根っこ側に家を建てて、それを一軒単位とする建築形式があるそうで、おかげさまで…”農業”は発展しなかった。但しツリーハウスに移行しない理由が…木に傷を付ける最低限度の住居環境だそうだ。これだと、開墾の代わりとなり…。発展性があるそうで向こうには”開拓村”や開墾事業”がある。発展性に差があるはずだ…。
「難しいのお…。」
 この件の問題は人的交流なのだが…それも自発的に”仕事による往復での人流”や”観光の発展”がほしく…そうなるとドランの領域とグランハイム王国迄の”交通障害”の排除が問題となる。が、途中に魔王国領域を挟むのでグランハイムとは難しく、パンダ同好会を挟むドランの領域への商売は難しい。又ドラン自体は人間の領域を”統治”していないため、この辺に口出しはできない。むしろ王子派と呼ばれるカナン国の貴族であるため…。触る事さえ相手の利益の可能性がある。となると大森林をまたぐ街道を設置する…か?それとも魔王国との”通商条約”を結ぶか?
「自分の手札の把握が重要だわさ。何ができて、何ができないか理解できれば、交渉はうまく運びやすいだわさ。」
 よくよく考えてみればこの技術の中に…”山”関連がほぼない。確かにマルワール帝国の周囲に大森林を挟まない”山岳”が存在していないのだ。海も最近だからな…。
「手札か…。色々考える必要があるのぉ。」
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