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第13章 新入社員と改革のススメ

第478話 アドバイザーは散歩で改善点を調べるのが仕事です。(エナリシア視点)

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 エナリシアという名前は奴隷商人に付けられた、商品の名前だ。が、今は私を区別する…れっきとした記号だと思っている、みんながその名前で呼ぶ・・・”おい”とか、お前とか言われなくてよかった。そして私は今、ダンジョンの中を歩き…。人々を監視している、この髪のごとき…ウルフェさんのマスターが言うには私のような現場の理解者が…意見をいう事で、改善していくのだという。1週間かけた帝国軍の兵士たちの調査の後、メルトヴァの町の領主がダンジョンを正式に承認から接収。トンネルは国の管理となり、門番が付く代わりにただで通れるようになった。そして今までは禁止だった。”ダンジョン内への建設”が許可され、急ピッチで建物が建設されていった。そこで家族たちも見たけれど…今の私はゴーレム。話す事ができず…また物を見る目で私を見たので…。私は…そのまま遠巻きに建築を見つめていた。私は体の一部を黒曜石で作られた…特製のゴーレムであり…これを見ながら、一応定義上は”ウルフェ様”に作られたゴーレムとしてみんなを見つめている。私以外もメッセージボードと似た物を追加されたゴーレムがいるが、基本は全て無言の”ワーカーゴーレム”らしい。私は一人ぼーっと見ながら…観察している、一応手荷物は持たさせてもらっていた。私の仕事は”ダンジョンで不便な事”を見つけ、ウルフェ様に報告する事。
「おい、手伝ってくれ。こっちの木を持ってくれ。」
『はい。』
 メッセージボードを点灯させ、近寄ると、頼んだ人が持っている木を持ってあげる。ゴーレムの体になったことでいくつかの変更があった。まず腹が減らなくなった。そして、力が強くなった。但し、歩くたびに地味にけだるい。
「ありがとよ。」
 私をほぼすべての人が、物以上の関心を持たなくなった。監視にはちょうどいいが、寂しい。ウルフェ様のマスターが言うには実験が終わり次第私を肉付きの体に写すそうだが…。どこで終わるか分からない。少しとぼとぽ歩き、思い出したように、あの入り口のある山の上に上る、そこから人を見つめる。あの人は凄い。私の意見を基に…ここまでやってしまった。山を作る、革を作る。どう聞いても私なんかに思いつかなかった。滞在のきつさとか…すべてを解決してしまった。ただ、あの時の苦痛のいくつかは…残っているかもしれない。

 こうしてできた新しい土地を歩く、土も柔らかいが…。硬い箇所もあり、普通の地面と変わりなく思える。そして、街の外に歩いていく。どうも農夫の人と書いて、それが耕して農地を作っていき、木の策を立てている人たちもいる。この辺は有名な”獣が大量にいる地域”だ。だからこそ…獣の侵略から身を守る…木の作と、間引きをする狩人が重要だろう。私の魔法の力があるが、獣たちはの多くは私を認識しない。どうも”食肉ダンジョンの関係者”という称号が付いていて。彼らは意識的には私を襲わない。第一生物の匂いもしない私を狙うのは子供か、偶然以外ないだろう、それでも念の為の戦闘力だと、ウルフェ様が行って、私の魔法の戦闘訓練もしてくれた。
「右だ、右!」
 ふと見ると、狩人たちだろう、槍を持った人々が一匹のパクボアを囲み、そして一斉に槍を投げつけると…パークボアは怒り狂いそのうち一人目掛け突進していく…そして一人二人を体当たりで弾き飛ばし、その巨体でけが人を踏みつけ、手足を砕き、数人を再起不能に至らしめると…その頃には狩人たちは全員逃げおうせていた。私も…ああして死んだんだよな…。頼むとしたらこれだろう。

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