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第12章 開発再び

第464話 ライバル会社の研修旅行を見る時の、微妙感。

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 なんか、ギルドから帰って来てホテルのフロントに行くと、なんか憧れの先輩と一緒の女子会らしい。が…一人だけ子供の学芸会みたいな衣装した子がいるな…な…。
「何だあれは。」
 なんと言った方がいいのだろう、そう、あのレーザー勇者…あの格好で”男”だ。言ってはいけないが男だ。がそれ以上にステータスはともかくスキルがやばい。輝きや身体強化でひたすらにステータスを倍率でアップさせて来る。そう言う意味ではこれほどステータスではない勇者は珍しいし確かにあそこまでの一撃は出せそうだ。ウーム。不味いな、近くの…あった、足音を消し外に出る。こういう時に邪魔をするほど野暮ではない。それに出会っているのは”ミラージェ”の方だ。鑑定もないようだからな。隠れつつ、もう少し時間を潰すか。
「あら、井原。」
「カッカッカ。久しいな。」
 タイミング無茶苦茶悪い。が、
「どうしたんだ?確か黒木の部下たちだな。」
「その節は感謝する。どうにか向こうに拠点を持つことができてな。北ザガートンにつなぎを付ける事が出来た。」
 見かけたのは、黒木の部下たちだ。女性2名に男性4名。冒険者みたいな…あ、うちの皮鎧だ。
「どうしてここに?」
「この方が井原?父がお世話になっています。私、コードネーム”フラワー”と申します。」
 確か、報告書にあった黒川の娘か。この”異世界のどこかに自分の一緒にいた家族がいるかもしれない。”という話は一気に勇者討伐及び勇者敵視の政策に冷や水を指す結果となった。当然だ。飛行機事故の話とともに広がり…その時に一緒にいた家族に限り、いつか世界に現れるかもしれないという話は、家族というダンマスの郷愁に一気に刺さり、反亜人同盟が立場を弱くした。勇者がいるザガートンへ行きたいというダンマスも増えた。その先駆者こそ、この”フラワー”らしい。
「はい、先日の旅行で我々も強くあらねばならぬと…実感したしまして。」
「そうなのか?」
「はい、実際…あの月光とか、その部下である”斬殺”相手には我々は手も足も出ませんでした。人間相手ならこのままでもいいでしょうけどいずれ…。」
「あんたらだけか?」
「いいえ、所属のダンジョンマスターも分割でこの一日魔界パスで一緒に来ていまして、皆でレベル上げを。」
「ふむ、いい感じだな。」
 一日600万DPもあの国土と他のダンマスの協力があれば十分払える範囲だ。こうしてみんなのレベルアップに使うならな。
「なら邪魔したかな?」
「いえ、帰りでして。」
「手ぶ…そうだな、確か。」
「はい、結構いい稼ぎになりますので、しばらくは他のダンジョンに冒険者のふりをしたエージェント派遣も考えています。まだ収益もそこまで大きくないので。」
 ギルドカードを使っていればモンスターを退治するだけで追加でお金が入り、その上モンスターの死骸等も依頼が発生していれば買い取りで二度おいしい。そして、それ以外を拾わない。事によりんスタンスダンジョンに”還元させる”事でモンスターの出を良くする。そうすることでどんどんモンスターによる経験値稼ぎが可能だ。そう考えると、モンスターの冒険者としての覇権もありと言えば有りなのか。当然ダンジョンマスター側がいないなら。いる場合は完全な”威力偵察”になる。ダンジョンの位置がばれたダンジョンは相手に軍隊をおくられ滅亡の危機がある場合もある。昔なら、これによる滅亡があっただろう。そこが亜人含め大団体に属している場合、そうでもない。特にギルドでは”ダンジョンマスターのいるダンジョン全てでの”無断でのコア破壊。及びダンジョンマスターに対して危害を加える事を禁じている。ドルカスたち元”山岳同盟”や南たちがそれを嫌うためだ。なのでギルドカードを持っている限ダンマスのいるダンジョンだろうが攻める前の近くいた段階でダンジョンに警報が鳴るらしい。そのうえ、水木に聞いた話では守り方の指導がある上にさらに敵対的と判断した場合は本部から援軍も来るという。当然相手は世界最大ダンジョンマスター団体”亜人同盟”だ。相手に勝つ見込みもないという事になる。なので、確かにギルドカードを持ちたのダンマスのダンジョンに行くのもいいなあ。
「そこまでして、金が?」
「金もありますけど、情報、そして実力を見せる事による下層部ダンマスの取り込みですね。今後も初心者が出て来るでしょうし。」
「…ふむ、いろいろあるな…。」
 軽く立ち話をした後、黒川の娘たちを見送って…ダンジョンの書類を見ながら…ん?戻ってみると、さっき板座席にもう彼女たちがいない。仕方ない部屋で資料を読んでおくか。
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