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第12章 開発再び

第463話 有名人はファンに見つかるとつらいが、そうでないと一般人

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「へぇー。」
「そう言うところなんですか。」
「そうよ。魔界って言っても、こんな感じなのよ。」
 奥原たちはこの王国の市場にやってきていた。出来合いの物でいいので、大量にダークボックスに仕込むためだ。食料品の材料でもいいがうちの地元は地味に材料が独特なのよね。だからダークボックスに料理を覚えさせても、こういうところで使えるか不安だから、買ったものを入れておこうって事になった。まあ、一泊二日だからね。
「でもいいんですか?}
「いいの、いいの。金貨一枚分もあればソコソコ買えるから、好きな物買って来てよ。」
 音無たちが散って実は数人ほど。薄汚れた子供達もいるけど…。あれはポーターかな。陽華はいつもの私の後ろだ。
「ん?」
 ちらっと見ると、数人…様子がおかしい連中がいる。街の風景にそぐわない…眼鏡とか、
「…いいかな?君たち。」
 優しく声をかけてきたこいつもそうだ。そう、見た感じ魔法少女物のキラキラ衣装を身にまとったのと、普通の衣装を着ているが眼鏡をかけた少女だ。
「何よ。」
「珍しくてね。」
「なにが?」
「冒険者風…いや、そう言えば…前のパーティで、見かけた気がするけど。」
「あ、ああ。」
 私もそう言えば風切り亭の宣伝も兼ねてバラン城で。給仕の仕事をしていた。そして、違う衣装だけど…確かに該当する奴がいた。そう”レーザー勇者”ことキラリだ。どうもキラキラネームの勇者だが。実力は段違い。クラウドドラゴンを一撃死させかねない巨大レーザーを放つことができる今最もダンマスの間で有名な勇者だ。
「私はアルバイトで行ったけど…何の用?」
 私の邪険にしたくなる気配を知ってか。陽華が裾をぎゅっと握る。…緊張しているみたい。
「いや、ここに来る人が珍しいのと僕たち休憩なんだ。どう?」
「キラリ様。」
 脇の女性が周囲を見渡しているようだ。
「大丈夫だと思う。それに、どうやってここまでこれたのか聞きたいからね。」
 これは結構ピンチだぞこれ。と思ったのだが、そうはならなかった。単純に音無と葉隠が二人ともきらりのファンだった。そう言えばキラリさんは勇者大陸でも有名な勇者で、魔王討伐した事のある勇者だ。その為にどこの国でも国賓対応で迎えてくれるという。大勇者と言っていい活躍をしていた。そんなキラリだ、当然…。
「さ、サインお願いします。」
「握手したこの手はもう洗いません!」
「ちゃんと洗ってね。」
 と、目をハートにしかねない顔で、二人ともミーハーに騒いでいた。ついでに流石に市場では難しいので近くの酒場に入ってそのまま席を取った。
「でも千鳥万花に行ったスポンサー制度ですか。こういう需要あるんですね。勇者には。」
「今はまだ亜人同盟が多いけどね、今は勇者が地味に余っているから。」
 聞いた話はこうだ。勇者大陸ではモートリアという国(もう潰れた)が隣国に対抗するべく大量に勇者を呼んだ。一応規制策で、勇者が一定距離にいるなら召喚は失敗にさせるように設計したにもかかわらず、それを打破するすべを身に着けて、それは80人以上も勇者を呼んだ。当然従者もだ。モートリアはリンシュメルトができた際に身売りして消滅したがその国井いた勇者は大量に存在した。冒険者の真似事を今はさせているが、この世界の勇者の力は成長すれば街を一人で潰せる怪獣みたいな扱いだ。当然勇者の従者もだ。そんな人間が80人はいた。ただ魔王討伐に向かう際に半分は戦死したというが。それでも半分残っている。それを一刻や一か所で留めておけば当然いずれは”野心在り”と見られてしまう。そこで考えたのが他国にレンタルする”スポンサー制度”だった。他の国に貸すことで。勇者側は”俺ツエー”の舞台が整う。勇者同士で競争しなくて済む。現在勇者の活躍の場を作るだけでも結構辛い南側からすれば勇者の分散は…。
「まあ、南が言うには、試金石だっけ?試験だったかな。勇者をあれだけ言って”落ちさせる”ことはしないだろうと思っているんだって。したら”大義名分”ができるって。」
 じっと音無たちを見てしまう。確かにそうだ。勇者を盗賊みたいに扱えば即”堕ちる”。そしてそれはギルドが”その勇者を処分する”のが大義名分としてこの大組織は動くのか。
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