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第12章 開発再び

第447話 地味に聞き耳は情報収集の第一歩です。

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 我々は、オークションでホクホク顔の鳥海とドラン、そして、妙に苦い顔のジャンを回収後、馬車で水木のダンジョンに向かう。行くのは実は鳥海がイーハ商会枠で行ったのだが…。ドランだけは単独で水木のダンジョンから急ぎでザガートン国を走り抜けた。一応、露店も成功。どうも人ごみの真ん中に露店だったらしく思いっきり忙しかったらしい。襲撃は…どうも黒川に聞いたところ、今の練度だと、襲撃しても勇者に勝てないと思った月光は単独で攻める手に変えたそうだ。それがあの”ギルフォード事件”だった。計算外はステータス制限と、もう一つ。鑑定はともかく検索で見た”鬼ちゃん”のスキルの多さと、鬼族のすさまじさだ。たとえ相手のステータスが100でも数倍以上は引き上げ、そしてそれで打ち込む一撃の重さ。我々の知っているオーガやゴブリンではない。もはや別物だった。そのトップこそが、”鬼ちゃん”である。ちゃんがいるのかと思ったが。それが正式名称だ。私の所の”ミヨちゃん”のちゃんが正式名称扱いなのと一緒だ。但しあそこまでステータスに差があると…物理力的に勝てる者がいない気がしている。それが…旧魔王軍の門番的存在である。春宮一家も楽園という”旧魔王軍”に属している為、あれ並の強さの可能性がある。本気でステータスにおぼれた礼儀知らずでないことに感謝しないといけない。
「どうだったんだ?ジャン。」
「オークションで…9割競り負けた。どうもダンマスでコレクション的に死骸を買いあさる中堅が多くて、欠片集めはうまくいかなかった。がそれ以上に…。」
「なんだ?」
「UR5龍という話がな…。」
「何だそりゃ。」
「たまたまだよ、らしい教授の姿を見たんで、聞き耳建てたんだ。そしたらさ、URは16体いて…そのうち5体がドラゴン。で、そのドロップが並んでるっていうんで、これも落とす予定だったんだよ。だがな、リラシルトとか、後もう誰かわからないが、競り負けたんだ。悔しくてな。」
「…知ってたか?}
「その辺は興味なかっただわさ。アチシはパルミダーク製の10年物ブランデーとかミーアコレクションの勇者シリーズの”萌えメイドキュンスタイルver4”が買えたことが。」
 そう言えばその辺のお気に入りがあったな。
「儂もなかなかの刃物や…このルビーのかけらがのぉ。」
「それ、説明見ないで買っただろ。それUR赤龍のかけらだそうだ。確か…。”見えざるレッドスキニー”とか言ってたな。ついでにクラウドドラゴンはあれでURの下の方。もっと上に3体がいるんだそうだ。」
「「は?」」
「たしか、オリハルコン何とか…。だッけかな。後はスターサファイアもそうだ。あれ、URドラゴンのかけらだそうだが・・・。」
「儂、これ舐めるつもりで買ったんじゃぞ?」
 掲げるルビーはひび割れて…これがとても
「クラウドドラゴンの実例をあげればそれがUR赤龍の召喚に必須の可能性もある。取っておけ。但し…。」
 あまりいい話ではない。今後URがまだ15体いる?URは基本化け物の可能性がある、そしてもう一個問題がある。
「ドロップ…という事はそれを倒した奴がいるはずだ。そしてそいつはどこにいる?」
「どういう意味だわさ?」
「単純にそれを倒すだけの存在が、URはあれだけ大動員したんだぞ、一体でも、それが5体?」
「あ…。」
 そう、倒した奴がいる。大方使徒か…。又はS級の連中の可能性もある、リューネほか、実はやっている事、ダンジョンの情報が全く漏れないダンジョンマスターがいる。ドルカスはこの首都のゴールディの北側に都市を築き、鋼鉄を売りさばき財を成した。パンダも同盟時に発覚したのがフォレスタ大陸中央部大森林と平原の境に位置し、そこでモンスターの死骸や、受注工業品を売りさばいている。特に鉄の鎧や”矢”の受注が多く、それはダンジョンで作るよりは格安で…ダンジョンだと矢は”工芸品”扱いであり先を削った矢でさえ材質次第で”2万DP”。毒による加工を加えると”10万DP”とかすぐに行く。それに対して受注生産で作られた矢は”1万本3万DP”と安く、配備しやすい。それもあって、簡単な武器の量産を行っている、そう言う感じでダンジョンマスターは情報が漏れる。が、旧魔王軍で有名なのは最近発覚した”スーパー楽園”(報告は鳥海がした。本人許諾済み)とどうも”クラム・ブラッド”と呼ばれるリーメ君配下の実戦経験を積ませるための傭兵部隊。である。後は南の”神聖国リンシュメルト”の国家である。が、リューネに関しては一切出てこない。DPは上何番で圧倒的上位にもかかわらずだ。そのリューネの秘密…というわけではないが、そのDPを疑う声があり、問い合わせを行った。が、コアに聞いても個人情報でダメ。本人には問い合わせで”ゴブリン村”に勝ったら…という話で却下。ダンジョンバトルでの会話も不可能だ。当然本人の姿を見た者はいない。が、ギルド会報にはちゃんと姿が乗っていた。きつめの美人で、チャイナドレスを着ていた。通称”指先姫”。だが、この収益を考えても…おかしい。但し水木の報告だとギルド経営の学校の方に教員として魔法を教えており、教師生活をしている事。魔法に対する知識が格別であるとの報告があった。となると勇者の魔法の大本はリューネが仕込んだ物かもしれない。
「確かに怖いだわさ。アチシらでもあれだっただわさ。」
「そうなのじゃ。」
「それにだ。鬼ちゃん含め、まだ結構厚い層がある。あのクラウドドラゴン戦では見えなかった真髄もあるに違いない。だからこそ…。大粛清だろうな…。」
「どういう意味だわさ?}
「月光が…失脚するかもしれん。」
 月光の売りは剣術だとタミさんから聞いていた。その月光が剣が握れないとなるといつか…。ダンジョンバトルでの失脚もありうる。今の月下の庭園は月光の強さありきで成り立つ可能性がる。そうなると・・。
「一応、サルベージの仕込みを入れるぞ。」
 瓦解した時にできれば数名…いい人間を抱え込みたい。
「天下りとか、後は…戦後処理というだわさ、」
 鳥海も腕を組みこっちを睨むように見つめる。
「そうかのぉ?」
「そうだわさ。でも、本当だわさ?上り調子だわさ。連中は。」
 剣が握れない状態の剣士は…一応指揮もあるだろうが、線上に立っただけで吐き気の可能性もある。出てくるとしても今後だろう。
「確定なのは…ギルドが盤石で、あの程度では揺れないって事が分かったって事だ。」
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