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第12章 開発再び
第443話 なんてことない一歩が、後に重大な事になることもあります。
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一応こっちも変化結晶の交換が使えるようになったため、検証を行った。そうしたところ、これが微妙だという事が分かってきた。というのも、この変身というスキルはスロットが計6つある扱いとなる。”自分+変身できる数×5”である。しかもこれ、5枠を全部変身設定しないと変化結晶の取り出しができない。で、抜くとどうなるのか…。なんとレベルが1/6減る。これは検証用シルキーを作ったので検証してみている。が…。
「何か怪しい。」
そう、これだけで、幻の上位ファクターとしての機能があるのか?と言えば無いに近い。但し、変身できる数が多くなるのは事実だ。そしてこれが非常に高い。一憶2千万での作成だ。作成だというのは…この変化結晶は何とダンジョンで吸収できない。変化結晶化前までは一億二千万の価値がある。が変化させると吸収不可になる。謎の物質だ。そりゃあ、奥原たちがずっと研究してきただけの事はある。よっぽど研究して実験しないとこの結果さえ出ないだろう。ただ、これには有利な点もある。5枠以上の変身が可能という点だ。変化結晶さえあればダンジョンでデータを取ったどの存在にもなれる。ただし外見だけだ。外見だけ…。が…。・・ちょっと待て、魂の封入?これ、事実上の人間蘇生が可能だ。
「ただ、実験対象がいないんだよな…。」
やり方は単純でまず変化結晶を作成し、それに死んだ人間の魂を封入する。その後に人間の死体に”魂を封入した変化結晶”を埋め込む。そうすることで…やってみるか…。但し神の領域だな。まずは…。
「サンテ、ダンジョンで最近死んだ人間はいるか?」
『います。』
「蘇生を試みる。そこで適した人間を確保後、ちょっと待ってくれよ。」
一応ダンジョンに登録しておいた処理前”変化結晶”を購入。それをダンジョンのストックに投入する。
「周囲に誰もいない状態で誰かが死んだ場合。これを使い、死んですぐにこれに魂を封入後、埋め込んでくれ。」
『了解しました。専用の素体を作成し、様子を見ます。』
これで実験ができる。これ次第では人間の蘇生が可能なはずだ。
『検証結果が出ました。が、芳しくありません。』
サンテの答えが返ってきたのは、屋台の作成を行っている最中の…二日後だった。
『まずこちらをご覧ください。』
名前:エナリシア
種族;リビングデッド LV1
職業:狩人LV1
ソウルレベル 3
HP:224
MP:6
STR:7
VIT:9
INT:2
MID:12
AGI:2
MAG:24
DP:一万二千DP
スキル:再構成LV3、弓術LV4、隠密LV2。探知LV1
装備:変化結晶(体内封入済み)
リビングデッドTIPS:死んだ死体が動き出すという悪戯から生まれたモンスター。何らかの要因で意識を持ち動く死体。正確は設定により様々。基本的に体重の重み程度の強さを持つが、大抵は動くだけ。声を出すにMPを必要とする。
「普通のモンスターだな。」
『これが蘇生結果です。』
…そういう事か。
『但し、これにいくつかの欠点がありまして…。蘇生直後にもう一度死亡いたしました。』
「ん?」
リビングデッドの即死とはこれいかに。
『死因は、自分の自傷を見て混乱した脳によるショック死です。』
あ…そういう事ね、何らかで攻撃され致命傷を負った。がサンテの手によって蘇生したのだが、傷は治っていない…まあ大方痛みはなかったんだろうな。但しその光景を見た脳は当然自分を死んでいると思い…そのままパニックで死んだのか。
『その後、この魂を検証したところ、もはや記憶がある状態では変化結晶に入ることもまたは…モンスターへの転生も不可能でした。』
「それは相手に住まない事をした…。がこれで一つ分かったことがあるな…。これでの蘇生にはハードルが多すぎる。」
まず、死んだ相手を蘇生させるのに”健全な死体”が欲しいという事だ。しかもこれで蘇生してもリビングデッド状態でないといけない。この説明なら、動くだけならできるかもしれないがそこから先の派生はない。しゃべる事さえ不可能。となると、この結果は使えない。それに普通にモンスター化するだけなら魂をストックに戻し…。ん?
「一つ確認したいことがある。」
急いでゴーレムを作る。大きさは小さく…。これでテストになるはずだ。ダンジョンのストックから実験で使用された変化結晶を取り出す。そして…ゴーレムの回路を開き、その配線に触れさせるようにゴーレムに…よく見ると、見せてもらった変化結晶とは違いずいぶん光が薄いな…まあ入れて行こう。そして、じっと様子を見る。しばらくしてゴーレムがひとりでに立ち上がり周囲を見渡し始める。鑑定をすると…。
名前:エナリシア
種族;土のソウルドール LV1
職業:狩人LV1
ソウルレベル 3
HP:224
MP:6
STR:42
VIT:37
INT:9
MID:7
AGI:7
MAG:24
DP:一万二千DP
スキル:魔素栄養LV1、弓術LV4、隠密LV2。探知LV1
装備:変化結晶(体内封入済み)
ソウルドールTIPS:魂が入ったことで人間並みの知能を持つ疑似生命体。ソウルドールは開発された時のコードネームであり、正式名称ではない。強さは素体によるが成長はほぼしない。
こうなった。そう、ゴーレムを人間並みにすることが可能だ。一応ワーカーゴーレムとかの手もあるが、あれらには戦闘する意思とかが発生しない。なので、戦闘させるにはこの方法しか今のところない。ただ…。うむ…。見た感じ凄い戸惑っているが…どうするか…。
「ストック…はできないな…そう言えばこれはダンジョンモンスターではなくスポナーモンスター扱いか。ふむ…。」
ただ、淡淡している感じに…あ…そう言えばしゃべる機構はないな。ふむ…。
「エナリシア君。君に選択を与えよう。一つは私の実験台としてでもいいから生きる道。もう一つはこのまま、もう一度死ぬことだ。但し痛みはない。」
…その言葉を聞き…。じっと…。私の感じた限りかなりの時間をかけて…彼女なのか知らないが、ソウルドールは指を一本立てた。
「分かった。君と契約を行い、君をダンジョンに受け入れる。ただ、今回は実験でその素体に綯たため…。ストックに入ってくれ。」
そう言うと、ソウルドールの体がダンジョンの床に吸い込まれていく。そう、本格的にああ言うものが作れるなら…。少し、まじめに作ってみてもいいのでは?と思ったのだ。が
「ゴーレムの開発か、ここから忙しくなるな。」
「何か怪しい。」
そう、これだけで、幻の上位ファクターとしての機能があるのか?と言えば無いに近い。但し、変身できる数が多くなるのは事実だ。そしてこれが非常に高い。一憶2千万での作成だ。作成だというのは…この変化結晶は何とダンジョンで吸収できない。変化結晶化前までは一億二千万の価値がある。が変化させると吸収不可になる。謎の物質だ。そりゃあ、奥原たちがずっと研究してきただけの事はある。よっぽど研究して実験しないとこの結果さえ出ないだろう。ただ、これには有利な点もある。5枠以上の変身が可能という点だ。変化結晶さえあればダンジョンでデータを取ったどの存在にもなれる。ただし外見だけだ。外見だけ…。が…。・・ちょっと待て、魂の封入?これ、事実上の人間蘇生が可能だ。
「ただ、実験対象がいないんだよな…。」
やり方は単純でまず変化結晶を作成し、それに死んだ人間の魂を封入する。その後に人間の死体に”魂を封入した変化結晶”を埋め込む。そうすることで…やってみるか…。但し神の領域だな。まずは…。
「サンテ、ダンジョンで最近死んだ人間はいるか?」
『います。』
「蘇生を試みる。そこで適した人間を確保後、ちょっと待ってくれよ。」
一応ダンジョンに登録しておいた処理前”変化結晶”を購入。それをダンジョンのストックに投入する。
「周囲に誰もいない状態で誰かが死んだ場合。これを使い、死んですぐにこれに魂を封入後、埋め込んでくれ。」
『了解しました。専用の素体を作成し、様子を見ます。』
これで実験ができる。これ次第では人間の蘇生が可能なはずだ。
『検証結果が出ました。が、芳しくありません。』
サンテの答えが返ってきたのは、屋台の作成を行っている最中の…二日後だった。
『まずこちらをご覧ください。』
名前:エナリシア
種族;リビングデッド LV1
職業:狩人LV1
ソウルレベル 3
HP:224
MP:6
STR:7
VIT:9
INT:2
MID:12
AGI:2
MAG:24
DP:一万二千DP
スキル:再構成LV3、弓術LV4、隠密LV2。探知LV1
装備:変化結晶(体内封入済み)
リビングデッドTIPS:死んだ死体が動き出すという悪戯から生まれたモンスター。何らかの要因で意識を持ち動く死体。正確は設定により様々。基本的に体重の重み程度の強さを持つが、大抵は動くだけ。声を出すにMPを必要とする。
「普通のモンスターだな。」
『これが蘇生結果です。』
…そういう事か。
『但し、これにいくつかの欠点がありまして…。蘇生直後にもう一度死亡いたしました。』
「ん?」
リビングデッドの即死とはこれいかに。
『死因は、自分の自傷を見て混乱した脳によるショック死です。』
あ…そういう事ね、何らかで攻撃され致命傷を負った。がサンテの手によって蘇生したのだが、傷は治っていない…まあ大方痛みはなかったんだろうな。但しその光景を見た脳は当然自分を死んでいると思い…そのままパニックで死んだのか。
『その後、この魂を検証したところ、もはや記憶がある状態では変化結晶に入ることもまたは…モンスターへの転生も不可能でした。』
「それは相手に住まない事をした…。がこれで一つ分かったことがあるな…。これでの蘇生にはハードルが多すぎる。」
まず、死んだ相手を蘇生させるのに”健全な死体”が欲しいという事だ。しかもこれで蘇生してもリビングデッド状態でないといけない。この説明なら、動くだけならできるかもしれないがそこから先の派生はない。しゃべる事さえ不可能。となると、この結果は使えない。それに普通にモンスター化するだけなら魂をストックに戻し…。ん?
「一つ確認したいことがある。」
急いでゴーレムを作る。大きさは小さく…。これでテストになるはずだ。ダンジョンのストックから実験で使用された変化結晶を取り出す。そして…ゴーレムの回路を開き、その配線に触れさせるようにゴーレムに…よく見ると、見せてもらった変化結晶とは違いずいぶん光が薄いな…まあ入れて行こう。そして、じっと様子を見る。しばらくしてゴーレムがひとりでに立ち上がり周囲を見渡し始める。鑑定をすると…。
名前:エナリシア
種族;土のソウルドール LV1
職業:狩人LV1
ソウルレベル 3
HP:224
MP:6
STR:42
VIT:37
INT:9
MID:7
AGI:7
MAG:24
DP:一万二千DP
スキル:魔素栄養LV1、弓術LV4、隠密LV2。探知LV1
装備:変化結晶(体内封入済み)
ソウルドールTIPS:魂が入ったことで人間並みの知能を持つ疑似生命体。ソウルドールは開発された時のコードネームであり、正式名称ではない。強さは素体によるが成長はほぼしない。
こうなった。そう、ゴーレムを人間並みにすることが可能だ。一応ワーカーゴーレムとかの手もあるが、あれらには戦闘する意思とかが発生しない。なので、戦闘させるにはこの方法しか今のところない。ただ…。うむ…。見た感じ凄い戸惑っているが…どうするか…。
「ストック…はできないな…そう言えばこれはダンジョンモンスターではなくスポナーモンスター扱いか。ふむ…。」
ただ、淡淡している感じに…あ…そう言えばしゃべる機構はないな。ふむ…。
「エナリシア君。君に選択を与えよう。一つは私の実験台としてでもいいから生きる道。もう一つはこのまま、もう一度死ぬことだ。但し痛みはない。」
…その言葉を聞き…。じっと…。私の感じた限りかなりの時間をかけて…彼女なのか知らないが、ソウルドールは指を一本立てた。
「分かった。君と契約を行い、君をダンジョンに受け入れる。ただ、今回は実験でその素体に綯たため…。ストックに入ってくれ。」
そう言うと、ソウルドールの体がダンジョンの床に吸い込まれていく。そう、本格的にああ言うものが作れるなら…。少し、まじめに作ってみてもいいのでは?と思ったのだ。が
「ゴーレムの開発か、ここから忙しくなるな。」
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