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第11章 出向社員的ダンジョンマスター
第430話 ホワイトナイトもされる側に利点を提示しないと受け取らない方が多いです。
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千鳥万花の”裏”限定でドランが参加することが決定しても、その条件の詳細には鳥海とドラン、双方の交渉がなかなかまとまることはなかった。独立性は担保するがどこまでが義務で、そして、この裏千鳥万花は”個人の領域を認めない”という方針があり、領域の収益は全員に均等に分割される。それが、不満となり、交渉はなかなかまとまらなかった。
「それはきついのじゃ。」
「でもこれが変えることができないだわさ。」
ファクター共通化や様々な利点もあるが、裏千鳥万花では基本分割した給料に応じて物の購入が決定する、シロウ、井原、鳥海の3名におんぶにだっこだった奥原や陽華そして水木の3名はともかく領域持ちで、それなりに稼ぎのあるドランには旨味が薄い、しかもその後の領域取得で手に入った領域の所有権の行き先が不明であり、最悪
抜け出すかもしれないという思考があるドランにとって、この領域の取得に関してはひと悶着がある。しかもドランは首都近郊まで領域を伸ばしており、いくつかは人間が非難した隙に領域を取得しており…フォレスタ大陸北部の北側の土地12の都市と、37の村を所有していた。その資金力こそ贅沢しても大丈夫な収益の源泉だった。がここに手がかかるとなれば当然かくまってもらうとはいえ…不利であった。しかもこの契約だと相当切り札を含む内情がばれる。それもドランからすれば気に入らなかった。
「流石にのぉ。」
「かばう以上は受けて欲しいだわさ。この条文は6名の連盟が欲しいだわさ。変更は一人でも反対すればアウトだわさ。」
ただドランも命からがら逃げて来ただけあり、弱みもある、その線引きが難しいのだ。
「難しいな…。」
「お互い引けないのじゃ。」
「アチシも、これは変更ができないから、従え以上の事が言えないだわさ。」
「でも…。」
「そうだな、一つ提言をしよう。ファクターは持っているだけで、新しいレシピが出る可能性がある。これを計算に入れたモンスターレシピもある。」
それまで、様子を見ていた井原が、交渉のテーブルに座り、お互いを見つめる。
「なぬ?」
「何らかの形でここから先のダンマスの組織達は当然そう言う”複合レシピ”でどんどん大きくなるだろう。戦いも勝ちにくくなる。もしこれからもトップを走るなら、結局どこかのファクター供与は欲しくなる。それでもソロを続けるか?」
「それは…。」
「それに個人の持ち物には手を付けていない。蓄財は自由だ。鳥海もどうだ?確かに今まで領域に関してはあいまいだった。会議を開いて時々でいい領域を確定してはいかがか?」
「確かにそうだわさ。」
「むむむ。」
「助けるだけではなかろう?」
「そうだ、わが千鳥万花には戦闘系に関係するダンマスがほぼいない。いずれ闘う事を視野に入れると、援軍とかの援助がもらえる可能性やドラゴン系のモンスターの解放場所だけでも。」
「ふむ…確かにそうじゃのお。でもお主たちは戦う事は嫌いじゃろ?」
「そうでもない。がそれ以上に上、神様の手勢が、こっちを弾圧や滅ぼす可能性がある。見た感じどういう軌跡をたどろうが、ギルドは拡張を続け亜人同盟という旧魔王軍は拡張し続けている。パンダもいずれギルドの軍門に下るなら、勇者がパンダから送られこっちに侵略とかしかねない。
「ふむ…。」
「そうなると、私たちはドランの後に攻撃されかねない。損も話では目の上のたんこぶであるドランが優先されるだろう。そこに支援してこっちが延命する手も、最悪そっちが潰されても、こっちがサルベージできる態勢は整えたい。その為の処置だと思って欲しい。そっちの利益になる。統治はしているのか?その年は?」
「いや、火事場泥棒だったからのお、パンダの国家である”カナン国”の統治者が来ておる。ただ、連中の部下は入っておらんし、人間が来ておるだけじゃ。こっちにこれば戦争になるのは知っておるようじゃ。」
どうも、カナン国は相当広いらしく、こっちのマルワール帝国と魔王国の大体2倍近い領地がある。しかも龍王山脈と呼ばれエルドランの領域にかかるそれなりに多い北部森林を領域にしていない。逆に線引きした内部において領域を買い進め文字通り、スタンピードを利用し稼ぎに稼いでいた。その分をドラゴンレンジャー含めた少数に投資、一人でパンダに対抗するだけの領域を得ていた。が、統治自身はしなかった。するだけの人員余裕もなくモンスターが支配する土地となれば人間側が、近隣のダンマスに援軍を求めたりしかねない。その為、あえて放置したのだ。自分自身はダンジョンと領域からDPが貰えればいい。それよりダンジョンバトルで勝って映像で強敵と思わせる事で戦闘を回避したい。そう言う思惑があった。当然他の組織からの勧誘もあったが、ランキングの高さもあり、跳ねのけていた。が、パンダは戦闘で有名な3賢者にしてバトルランキング上位”論文の柳田”がいる。こちらがいくら闘おうが、それなりに勝利も時々もご採れるが、確殺には至らない。そんなスケルトンたちである。いくらでも復活する兵団に…実戦を挑む気が起きなかった。現在のルールだとコアを破壊するまで領域は相手のまま。その領域を進み無限に沸く凶悪スケルトンなんて…戦いたくない。こっちは生物で、相手は無生物だ。勝つにしても被害は大きく、しかも組織の援軍もありうる。そうなるとドラン単独では勝てない。だからこそ、領域の統治はカナン国(パンダ)から奪う事はしなかった。
「難しいな。」
「お互い線引きが難しいのじゃ。」
「だから、入るだわさ。最悪こっちが取り持つだわさ。」
「ギルドが絡むのに?無理じゃ。」
「交渉の基本はその無理を無理やりひっくり返すだわさ。」
「…ふむ、ただ、もう少し考えさせてほしいのじゃ。」
「なら、手伝うか?仕事を?}
「どういう事じゃ?」
「ああ、いい仕事があってな。」
「只ではやらんぞ。」
「それはきついのじゃ。」
「でもこれが変えることができないだわさ。」
ファクター共通化や様々な利点もあるが、裏千鳥万花では基本分割した給料に応じて物の購入が決定する、シロウ、井原、鳥海の3名におんぶにだっこだった奥原や陽華そして水木の3名はともかく領域持ちで、それなりに稼ぎのあるドランには旨味が薄い、しかもその後の領域取得で手に入った領域の所有権の行き先が不明であり、最悪
抜け出すかもしれないという思考があるドランにとって、この領域の取得に関してはひと悶着がある。しかもドランは首都近郊まで領域を伸ばしており、いくつかは人間が非難した隙に領域を取得しており…フォレスタ大陸北部の北側の土地12の都市と、37の村を所有していた。その資金力こそ贅沢しても大丈夫な収益の源泉だった。がここに手がかかるとなれば当然かくまってもらうとはいえ…不利であった。しかもこの契約だと相当切り札を含む内情がばれる。それもドランからすれば気に入らなかった。
「流石にのぉ。」
「かばう以上は受けて欲しいだわさ。この条文は6名の連盟が欲しいだわさ。変更は一人でも反対すればアウトだわさ。」
ただドランも命からがら逃げて来ただけあり、弱みもある、その線引きが難しいのだ。
「難しいな…。」
「お互い引けないのじゃ。」
「アチシも、これは変更ができないから、従え以上の事が言えないだわさ。」
「でも…。」
「そうだな、一つ提言をしよう。ファクターは持っているだけで、新しいレシピが出る可能性がある。これを計算に入れたモンスターレシピもある。」
それまで、様子を見ていた井原が、交渉のテーブルに座り、お互いを見つめる。
「なぬ?」
「何らかの形でここから先のダンマスの組織達は当然そう言う”複合レシピ”でどんどん大きくなるだろう。戦いも勝ちにくくなる。もしこれからもトップを走るなら、結局どこかのファクター供与は欲しくなる。それでもソロを続けるか?」
「それは…。」
「それに個人の持ち物には手を付けていない。蓄財は自由だ。鳥海もどうだ?確かに今まで領域に関してはあいまいだった。会議を開いて時々でいい領域を確定してはいかがか?」
「確かにそうだわさ。」
「むむむ。」
「助けるだけではなかろう?」
「そうだ、わが千鳥万花には戦闘系に関係するダンマスがほぼいない。いずれ闘う事を視野に入れると、援軍とかの援助がもらえる可能性やドラゴン系のモンスターの解放場所だけでも。」
「ふむ…確かにそうじゃのお。でもお主たちは戦う事は嫌いじゃろ?」
「そうでもない。がそれ以上に上、神様の手勢が、こっちを弾圧や滅ぼす可能性がある。見た感じどういう軌跡をたどろうが、ギルドは拡張を続け亜人同盟という旧魔王軍は拡張し続けている。パンダもいずれギルドの軍門に下るなら、勇者がパンダから送られこっちに侵略とかしかねない。
「ふむ…。」
「そうなると、私たちはドランの後に攻撃されかねない。損も話では目の上のたんこぶであるドランが優先されるだろう。そこに支援してこっちが延命する手も、最悪そっちが潰されても、こっちがサルベージできる態勢は整えたい。その為の処置だと思って欲しい。そっちの利益になる。統治はしているのか?その年は?」
「いや、火事場泥棒だったからのお、パンダの国家である”カナン国”の統治者が来ておる。ただ、連中の部下は入っておらんし、人間が来ておるだけじゃ。こっちにこれば戦争になるのは知っておるようじゃ。」
どうも、カナン国は相当広いらしく、こっちのマルワール帝国と魔王国の大体2倍近い領地がある。しかも龍王山脈と呼ばれエルドランの領域にかかるそれなりに多い北部森林を領域にしていない。逆に線引きした内部において領域を買い進め文字通り、スタンピードを利用し稼ぎに稼いでいた。その分をドラゴンレンジャー含めた少数に投資、一人でパンダに対抗するだけの領域を得ていた。が、統治自身はしなかった。するだけの人員余裕もなくモンスターが支配する土地となれば人間側が、近隣のダンマスに援軍を求めたりしかねない。その為、あえて放置したのだ。自分自身はダンジョンと領域からDPが貰えればいい。それよりダンジョンバトルで勝って映像で強敵と思わせる事で戦闘を回避したい。そう言う思惑があった。当然他の組織からの勧誘もあったが、ランキングの高さもあり、跳ねのけていた。が、パンダは戦闘で有名な3賢者にしてバトルランキング上位”論文の柳田”がいる。こちらがいくら闘おうが、それなりに勝利も時々もご採れるが、確殺には至らない。そんなスケルトンたちである。いくらでも復活する兵団に…実戦を挑む気が起きなかった。現在のルールだとコアを破壊するまで領域は相手のまま。その領域を進み無限に沸く凶悪スケルトンなんて…戦いたくない。こっちは生物で、相手は無生物だ。勝つにしても被害は大きく、しかも組織の援軍もありうる。そうなるとドラン単独では勝てない。だからこそ、領域の統治はカナン国(パンダ)から奪う事はしなかった。
「難しいな。」
「お互い線引きが難しいのじゃ。」
「だから、入るだわさ。最悪こっちが取り持つだわさ。」
「ギルドが絡むのに?無理じゃ。」
「交渉の基本はその無理を無理やりひっくり返すだわさ。」
「…ふむ、ただ、もう少し考えさせてほしいのじゃ。」
「なら、手伝うか?仕事を?}
「どういう事じゃ?」
「ああ、いい仕事があってな。」
「只ではやらんぞ。」
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