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第11章 出向社員的ダンジョンマスター
第427話 砂海渡り 探検隊がロケハンしてないわけがない。
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空いてしまった穴に問題がある、そう感じたのは飯垣だった。
「まずいな、最悪襲われる、葉隠、呼んでおいてくれ。」
「了解。サモン”しゅうごう””小鳥ちゃん”」
集合のスキルはその世界内にいるのなら、股はダンジョン内に限り、対象を自分の傍に呼ぶことができるスキルである。但しこれには微妙な欠点があった。それは”呼ばれた相手の承認”が欲しい点だ。トイレ中や、食事の支度中など、様々な行為がある。その為、相手にはいくタイミングをずらす権利がある。但し一定時間を超えるたびに呼ばれた相手はコストを支払う必要があり、最低限度の時間になると強制召喚される、この規約はお互いの集合の契約の際に決定される。呼ばれる側は召喚の際に使ったMPやレベルに応じた”DP”や金銭、経験値や食事を受け取る、これは集合で呼んだ時間分に応じた倍率となる、払えない場合はレベルや経験値で払わされる。今回はダンジョンマスターの部下であり、マスターの陽華の命令もあるので相当格安に契約してある。
「ん?来ないわね。」
「あいつ言ってたじゃないか、今回向こうで働いているから少しかかるって。」
「…余裕持って呼んでおかないと」
「頼んだのか?」
「わかんない。」
この集合が、召喚等のスキルより劣化している代わりに特徴もある、服装のほかに手に持った”アイテム”も一緒に召喚される。召喚される側が食料とかの物資を持っている場合、これも一緒に召喚ができる。欠点はこの特性上…お互いを拘束するため、気軽に使えない事だ。その為、ある意味有能であり、ある意味無能なスキル。それが”集合”だった。
「でもさ、なんで?」
「砂漠だろ、しかも…どう見ても明りが無い。とすると何で判別する?熱もあるが…。」
「あ…。」
熱で判別すると言っても外気がつながっていなくてはならないが、そうなる止め以外の五感というと触覚か嗅覚という事になる。そしてもう…洞窟は繋がってしまった。空気は流れ…近くをそいつが通れば異分子に気が付くだろう。
「どうする?」
「音無、どうする?」
「…なんかみんな、先に行こうと言っています。明日になれば第一次転送が可能なので、今晩耐えればいいとか言って…。むしろお宝探しですね。」
「あの大きさのか?」
洞窟を改めて覗き直す、爪の太さがどう見ても1mくらいの大きさだ。大きさもこの洞窟を前提とした大きさだろう。…高さ5m。最悪である。
「かわぐちーひろしがーひろししているー。」
「現地の案内人が高級腕時計している―。」
全員が、2列で隊列を組み歩く中。黒川親子の、歌声に…さすがに・・・いや歌にあきれていた。
「かわぐちーひろしがーひろししているー。」
「ちったあのんだっていいじゃねえかー。なあ、かあさん」
「パパ、それは違うひろしよ。」
「「あっはっはっはっは。」」
「なにそれ?」
「むかし流行った替え歌。」
「こういうのが好きなオカルト好きな奴がいてな。で、そいつが酔うとこれを謳うんだ。どうも冒険家の歌らしいが詳しくは知らん。が、このネタで山手線ゲームして、遊ぶことがあってな。」
「流石に、ひろししている―の意味が分からないので、私は無視してましたが。」
飯場崎さんも呆れていた。が、これに慣れているようだった。
「で、ルールあるの?」
「それっぽいこと言ってウケればOKっていう緩いのですわ。」
「あ…そう。」
お嬢様然とした黒川美玖の外見とは違い、この替え歌は微妙だった。がそう言われてみれば、こういう護憲然とした洞窟は確かに探検したこともない、ファンタジーに来て初めての冒険要素ともいえた、もう一年近くいるのに。やっと…。浮かれる10人の魔王国側の気持ちもわかる。が…。
「でも、こんな大きな洞窟どうやって?」
「大方、この大きさの何かが掘ってる。サンドワームとかくるんじゃないのか?」
「サンドワーム?}
「気持ち悪い砂のミミズお化けだ。又は蛇型のドラゴンだってありうる。私はそっちの線が濃いとみている。が、爪はないはずなんだ。双方とも。」
飯野が、明りを時々天上にあげ…爪痕の様子を見ている、ただ、右左で言うと、爪の掻き跡の反対側の左に歩いていた。そうすることで出会う確率をできるだけ下げたかった。
「でもミミズだとどうよ?}
「それだと土を食う性質があるから、人間は…飲み込まれるかもしれないが、狙ってはこないな。が肉食の場合はまずい。」
「確かに、地面側には何かを擦った後しかありませんものね。」
「まずいな、最悪襲われる、葉隠、呼んでおいてくれ。」
「了解。サモン”しゅうごう””小鳥ちゃん”」
集合のスキルはその世界内にいるのなら、股はダンジョン内に限り、対象を自分の傍に呼ぶことができるスキルである。但しこれには微妙な欠点があった。それは”呼ばれた相手の承認”が欲しい点だ。トイレ中や、食事の支度中など、様々な行為がある。その為、相手にはいくタイミングをずらす権利がある。但し一定時間を超えるたびに呼ばれた相手はコストを支払う必要があり、最低限度の時間になると強制召喚される、この規約はお互いの集合の契約の際に決定される。呼ばれる側は召喚の際に使ったMPやレベルに応じた”DP”や金銭、経験値や食事を受け取る、これは集合で呼んだ時間分に応じた倍率となる、払えない場合はレベルや経験値で払わされる。今回はダンジョンマスターの部下であり、マスターの陽華の命令もあるので相当格安に契約してある。
「ん?来ないわね。」
「あいつ言ってたじゃないか、今回向こうで働いているから少しかかるって。」
「…余裕持って呼んでおかないと」
「頼んだのか?」
「わかんない。」
この集合が、召喚等のスキルより劣化している代わりに特徴もある、服装のほかに手に持った”アイテム”も一緒に召喚される。召喚される側が食料とかの物資を持っている場合、これも一緒に召喚ができる。欠点はこの特性上…お互いを拘束するため、気軽に使えない事だ。その為、ある意味有能であり、ある意味無能なスキル。それが”集合”だった。
「でもさ、なんで?」
「砂漠だろ、しかも…どう見ても明りが無い。とすると何で判別する?熱もあるが…。」
「あ…。」
熱で判別すると言っても外気がつながっていなくてはならないが、そうなる止め以外の五感というと触覚か嗅覚という事になる。そしてもう…洞窟は繋がってしまった。空気は流れ…近くをそいつが通れば異分子に気が付くだろう。
「どうする?」
「音無、どうする?」
「…なんかみんな、先に行こうと言っています。明日になれば第一次転送が可能なので、今晩耐えればいいとか言って…。むしろお宝探しですね。」
「あの大きさのか?」
洞窟を改めて覗き直す、爪の太さがどう見ても1mくらいの大きさだ。大きさもこの洞窟を前提とした大きさだろう。…高さ5m。最悪である。
「かわぐちーひろしがーひろししているー。」
「現地の案内人が高級腕時計している―。」
全員が、2列で隊列を組み歩く中。黒川親子の、歌声に…さすがに・・・いや歌にあきれていた。
「かわぐちーひろしがーひろししているー。」
「ちったあのんだっていいじゃねえかー。なあ、かあさん」
「パパ、それは違うひろしよ。」
「「あっはっはっはっは。」」
「なにそれ?」
「むかし流行った替え歌。」
「こういうのが好きなオカルト好きな奴がいてな。で、そいつが酔うとこれを謳うんだ。どうも冒険家の歌らしいが詳しくは知らん。が、このネタで山手線ゲームして、遊ぶことがあってな。」
「流石に、ひろししている―の意味が分からないので、私は無視してましたが。」
飯場崎さんも呆れていた。が、これに慣れているようだった。
「で、ルールあるの?」
「それっぽいこと言ってウケればOKっていう緩いのですわ。」
「あ…そう。」
お嬢様然とした黒川美玖の外見とは違い、この替え歌は微妙だった。がそう言われてみれば、こういう護憲然とした洞窟は確かに探検したこともない、ファンタジーに来て初めての冒険要素ともいえた、もう一年近くいるのに。やっと…。浮かれる10人の魔王国側の気持ちもわかる。が…。
「でも、こんな大きな洞窟どうやって?」
「大方、この大きさの何かが掘ってる。サンドワームとかくるんじゃないのか?」
「サンドワーム?}
「気持ち悪い砂のミミズお化けだ。又は蛇型のドラゴンだってありうる。私はそっちの線が濃いとみている。が、爪はないはずなんだ。双方とも。」
飯野が、明りを時々天上にあげ…爪痕の様子を見ている、ただ、右左で言うと、爪の掻き跡の反対側の左に歩いていた。そうすることで出会う確率をできるだけ下げたかった。
「でもミミズだとどうよ?}
「それだと土を食う性質があるから、人間は…飲み込まれるかもしれないが、狙ってはこないな。が肉食の場合はまずい。」
「確かに、地面側には何かを擦った後しかありませんものね。」
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