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第11章 出向社員的ダンジョンマスター
第405話 中世ファンタジーに江戸時代で喧嘩を売るスタイルです。
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とりあえず、荷物を置き、鍛冶屋の空いている部屋に全員で止まらせてもらう事にした。ダンジョン目当ての冒険者や勇者たちがよく宿屋を占拠するらしく、宿は基本取れないか危険なスラムでしか泊まれないという。そうなると、普通は縁故を頼るしかない。優しいお爺さんおばあさんとかが止めてくれるというのは…ないわけではないがほぼ気の迷いというレベルでありえないそうだ。というのも昔はそういう事もやっていたそうだが、泊めた先で強盗時限が来たことがあり、住民は基本警戒しているというなので、宿以外で泊める事はよっぽどでなければありえなくなってしまったらしい。また勇者や冒険者は騒ぎ…結構うるさいので宿屋さえどんな高級でも旧スラム市街地(現ダンジョン区域)にしか許可されないという。こういうところで結構行いが出るものだな。
「が…。」
一応鍛冶屋に言われやってきたのは”金物屋”と感じで正々堂々書かれた、これまた時代錯誤な江戸の商家不空建築で、マークとしてはハンマーが書かれ、ここが金物屋だと分かるが、それ以外が日本語で”金物屋”だった。ただ、中は非常に混雑しており、…また玄関が結構広いが中に入ると、土間と中居があり、その上で胡座をかきつつドワーフ達がセールストークで物を販売していた。一応壁には鉄の金具で固定された”鉄の一般生活品”が掲げられており、それを注文を聞いてから取りに行くスタイルだ。それを見ながら、こちらが声を掛けられるまで待つのがこの店のスタイルらしい。が、結構…。
「このドワーフ性、穴あき膨張だどうだ、こんなに穴が開いても丈夫さは他の包丁と一緒だ。」
「でもお高いんでしょ?」
「穴開いてるだろ、これがまた、安くできるんだ。銀貨25枚(日本円換算25万)。どうだ?」
「この出来でしょ?」
みせられているのが穴あき型の鉄の包丁だ。軸心以外をうまく外して開けており、技巧の腕が光る…がこれだと結構壊れやすいはずだ。というのも見立てた鉄鉱石がショボいからだ。実は今ではあまり言わないが鉄鉱石や鋼は常に”○○産”という言葉にうるさい。その鋳造技術や不純物の配合比率の差次第でいろんな差が生まれる、釘一本にしても耐用年数が変化したりする。なのでうかつな海外製の釘は使わないとか、様々な職人のこだわりが発生する。後金づちでさえ、どこ産の鋼鉄で作ったハンマーという差だけで形が一緒でさえ叩き心地が変わる。なので
この産地は重要だ。が、その鉄鉱石はそこまで品質のいいものに見えなかった。が、これでも、鋼鉄にしてあるなら、確かに他の鉄製の包丁よりは長持ちするはずだ。
「買うわ。お土産もね。2本頂戴。」
「ありがとございましたー。」
この取引じつに無駄に見えるが、ダンマスからするとこの駆け引きでさえDPの増加があるので、この分だけでも店側が利益を出すことができる。だからこそのこのスタイルだろうと思うがこの店。
「いっぱいあるね。」
「マスター、おそばに。」
そっと、ミヨちゃんとウルフェが触れるぐらいに側を固める。この店の天井はわらで作られた…田園建築で使った屋億と一緒だ。それを少し改造した作りだな。後は防犯も江戸風になっているな。地味に江戸でも大店を狙った強盗や、盗み、擦り、犯罪の凶悪性だけで言えばロンドンやパリよりよっぽどえぐい犯罪にさらされたのが実は”江戸”である。その為防衛法も様々ある。その一つが、カウンターの格子の仕切りだ。そして中居に店員たちが詰めている。これが大きい。この段差を超えて動くには中居に足を入れ、格子を飛び越す必要がある。が、そうなれば当選店員たちが立ち上がり、それを阻止する。最初から段差の上にいる奴といない奴。当然その差で防ぐに容易になる。又格子にすることで”商売”での透明性や詐欺のない事を証明して見せる作りだ。今度、庄屋作りとか、小商い店舗を作ってみるか?
「次の肩どうぞ―。」
「はい。」
呼ばれたカウンターに来ると店員が恭しく一礼する。
「こちら金物屋でございます、何にしましょう。」
「まずここにあるもの全部ひとつづつ欲しい。」
「一つづつですか?」
結構キッチン用品もあるので、それを売りに行けばいいだろう。
「後、そこの調理器具を10点。これで。」
カードを魅せる、一応金カードだ。
「少々お待ちください。」
店員が置くに去って行ってしまった。私たちも、そっと端による。
「マスター。」
「これ位なら、ほら、そこの商人でも買って行くだろ?」
「ですよね。」
ここは金物屋だが、ここから転売するために本物を買う商人たちが結構多いのだ。
「こいつか。」
奥からのしのし歩いてくるのは、一人の髭もじゃドワーフだ。外見はどっちかというとマタギ風のチョッキに布のズボンだろうか。
「どうした?」
「奥に来い。」
顎で示すように奥の部屋を指す。
「…客に言うセリフか?」
「…衛兵出してもいいんだぞ。井原。」
これは…ここでばれるか。
「分かった、そっちに向かおう。」
「おいお前ら、丁重に扱え、上客だ。」
「が…。」
一応鍛冶屋に言われやってきたのは”金物屋”と感じで正々堂々書かれた、これまた時代錯誤な江戸の商家不空建築で、マークとしてはハンマーが書かれ、ここが金物屋だと分かるが、それ以外が日本語で”金物屋”だった。ただ、中は非常に混雑しており、…また玄関が結構広いが中に入ると、土間と中居があり、その上で胡座をかきつつドワーフ達がセールストークで物を販売していた。一応壁には鉄の金具で固定された”鉄の一般生活品”が掲げられており、それを注文を聞いてから取りに行くスタイルだ。それを見ながら、こちらが声を掛けられるまで待つのがこの店のスタイルらしい。が、結構…。
「このドワーフ性、穴あき膨張だどうだ、こんなに穴が開いても丈夫さは他の包丁と一緒だ。」
「でもお高いんでしょ?」
「穴開いてるだろ、これがまた、安くできるんだ。銀貨25枚(日本円換算25万)。どうだ?」
「この出来でしょ?」
みせられているのが穴あき型の鉄の包丁だ。軸心以外をうまく外して開けており、技巧の腕が光る…がこれだと結構壊れやすいはずだ。というのも見立てた鉄鉱石がショボいからだ。実は今ではあまり言わないが鉄鉱石や鋼は常に”○○産”という言葉にうるさい。その鋳造技術や不純物の配合比率の差次第でいろんな差が生まれる、釘一本にしても耐用年数が変化したりする。なのでうかつな海外製の釘は使わないとか、様々な職人のこだわりが発生する。後金づちでさえ、どこ産の鋼鉄で作ったハンマーという差だけで形が一緒でさえ叩き心地が変わる。なので
この産地は重要だ。が、その鉄鉱石はそこまで品質のいいものに見えなかった。が、これでも、鋼鉄にしてあるなら、確かに他の鉄製の包丁よりは長持ちするはずだ。
「買うわ。お土産もね。2本頂戴。」
「ありがとございましたー。」
この取引じつに無駄に見えるが、ダンマスからするとこの駆け引きでさえDPの増加があるので、この分だけでも店側が利益を出すことができる。だからこそのこのスタイルだろうと思うがこの店。
「いっぱいあるね。」
「マスター、おそばに。」
そっと、ミヨちゃんとウルフェが触れるぐらいに側を固める。この店の天井はわらで作られた…田園建築で使った屋億と一緒だ。それを少し改造した作りだな。後は防犯も江戸風になっているな。地味に江戸でも大店を狙った強盗や、盗み、擦り、犯罪の凶悪性だけで言えばロンドンやパリよりよっぽどえぐい犯罪にさらされたのが実は”江戸”である。その為防衛法も様々ある。その一つが、カウンターの格子の仕切りだ。そして中居に店員たちが詰めている。これが大きい。この段差を超えて動くには中居に足を入れ、格子を飛び越す必要がある。が、そうなれば当選店員たちが立ち上がり、それを阻止する。最初から段差の上にいる奴といない奴。当然その差で防ぐに容易になる。又格子にすることで”商売”での透明性や詐欺のない事を証明して見せる作りだ。今度、庄屋作りとか、小商い店舗を作ってみるか?
「次の肩どうぞ―。」
「はい。」
呼ばれたカウンターに来ると店員が恭しく一礼する。
「こちら金物屋でございます、何にしましょう。」
「まずここにあるもの全部ひとつづつ欲しい。」
「一つづつですか?」
結構キッチン用品もあるので、それを売りに行けばいいだろう。
「後、そこの調理器具を10点。これで。」
カードを魅せる、一応金カードだ。
「少々お待ちください。」
店員が置くに去って行ってしまった。私たちも、そっと端による。
「マスター。」
「これ位なら、ほら、そこの商人でも買って行くだろ?」
「ですよね。」
ここは金物屋だが、ここから転売するために本物を買う商人たちが結構多いのだ。
「こいつか。」
奥からのしのし歩いてくるのは、一人の髭もじゃドワーフだ。外見はどっちかというとマタギ風のチョッキに布のズボンだろうか。
「どうした?」
「奥に来い。」
顎で示すように奥の部屋を指す。
「…客に言うセリフか?」
「…衛兵出してもいいんだぞ。井原。」
これは…ここでばれるか。
「分かった、そっちに向かおう。」
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