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第11章 出向社員的ダンジョンマスター
第388話 研究は2歩も3歩も進むから研究が実るのです。
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「腰が痛い。これ、簡略化できない?」
中腰になり、丁寧に地面に種を埋める作業をしていたが、これだけは流石にダークボックス等の自動化ができなかった。できるかもしれないが、今夜一晩だけのために開発するには期限が足りなかった。
「手を動かせ。でないと終わらんぞ、」
「でも…。」
「あの子たちを見ろ。」
奥原は元々そこまで背が高くない上にゴースト系なので、宙に足を浮かせ座った体制のままスライドして、種を植えていた。
「あれを?」
「い、いや…。」
陽華も丁寧に植えてはいたが。子供の為か…その奥で腰を叩き、遅々として進まない。月光の種植えをあざ笑うようだった。
「でも、タミさんって…大丈夫なの?」
「…あの人………。」
「ああ、タミさん。大丈夫よ、あれくらい。」
奥原たちは気にしないように、種を植えていった。その間に、村の半分以上の土の撹拌を終えていた。
「あれはどこまで強いんだ?」
実際、前回の戦いでは、月光とナギサを抑え、一人で戦っていた。月光はその言動とあのひょうひょうとした感じに、違和感を持っていた。
「さあ?」
「知らないのにその発言か?}
「だってあのタミさんよ。そう簡単には負けないわ。」
実際知っている奥原たちからすれば、井原生え抜きの部隊長であり、”生産部門”である。実力としてはほぼ千鳥万花の上何番をほこる最強モンスターの一角である。最悪この月下の領域を勇者たちを抱え逃走するために用意された最大戦力である。
「…自信あるのだな。」
「ほらほら、手を動かす、早くしないと夜が明けちゃうよ。」
「やっと終わった。」
5時間はかけたであろう、収穫が終わるとそこには、肥料の入った土がある、本来は土のアルカリ性等を調べ、植物に最適な環境を整えたり様々な障害がある。ついでに言うとこれでもこの世界は一日48時間の為、5時間ぐらいなら夜が明ける事はない。
「では行くっぺ。成長!」
だが、成長に至っては実はそれらは関係なく”成長させる”性質がある。ただ、この魔法は一つ毎の単体で行う。が、光魔法後光を連携させた後その照射範囲に浴びせればそのまま全体化する。但し敵味方問わずだが
「すげぇ…。」
「んだばこれ、数十万MPはつかう大物だべ。」
「そうなのか?」
「んだ。」
この後光の範囲化の欠点は自分にもあたる事。そしてもう一つは、対象が多すぎるとその分全部効果が分散する事である。その為、このような畑にかければ普通の魔力では何も起きないと判断してもいいくらい、効果が小さくなる。その為、後光はこの世界でも非常に人気のない魔法だった。…だったである。その使い道を研究し使えるようにしたのが南だった。クラウドドラゴン戦の直後開かれた”魔法の使い方”映像動画により様々な魔法の効果が出展された。その中には”ダークボックス処理”などの新事実やレベル9や10の魔法についても書かれた物だった。そして、そこに出てくるのが神秘のベールに包まれた現在でもダンジョンDPランキング3位の強者リューネだった。その為、この映像はすぐさま全ダンジョンで買われ。そして研究された。当然リューネに挑もうと考えている者はいなくなった。差があり過ぎるのだ。が、その中において、有志で研究を開始されたのがこの”後光”である。光魔法レベル6の魔法ではあるが。”連係専用”で効果は”後光の魔法の光の範囲内に連携させた魔法を発動させる”ことである。特に反応したのが、”柳田”だった。即座に専用ハッシュを設け、実験を募った。
「これが…。」
「んだが。ちょっと休憩だべ。」
そこで分かってきたのが、この対象が多すぎると分散しすぎて効果を発揮しない事や、魔法の連携時は双方の倍率が加算されることである。光魔法LV6なら、計210%の倍率がある。そして、森魔法ならそこにも210%の倍率がある。これを連携させた場合双方の倍率を足した”420%”の効果が発揮される。ただしこの効果を”対象人数”で割ったのが正確な値のとなる。さらに設定した時間に応じてさらに火力は下がる。そしてもう一つの欠点がこの”対象人数に自分を含む”である。その為、港かは微妙に低く、そして対象が2個しかないとか、そう言う事態は少ないため、地味につらい効果がある。がこれを解消するすべの一つが”何回もこれを打てばいい”である。ただ、当然魔法は連係含めいくら無詠唱が可能でも思考時間が欲しい。となると、これも実戦には使えなかった。が、井原はここで止まらなかった。
「だいじょうぶ?」
「んだば、色々疲れたべ。」
魔法には物理系含め様々ある。特にバフ系は重ねれないのか、井原は研究していた。が、この多くは無駄となった。攻撃魔法は持続するが、バフは効果時間のみで重複できず、作成系は後光があっても大して変わらない+光の範囲に行くと消えるが、自分が意識しなくても維持され便利になる。という者だった。一番相性がいいのは”透明化”であり、幻覚である。が視点を変え、後光の維持時間を最小に、全体化のみを取ってみた。そうしたところ、重複はした。が消費はお互いの分を食うため、非常に高く、且つ、使える範囲と時間は非常に短いという…微妙仕様だった。がこれに噛んだのが”成長”である。成鳥用の魔力は濃厚なまま散布されるので、成長が促進された。が、魔力も大量消費なら魔法も連続て使用する分、非常に神経を使い、脳負担が巨大化した。その為…使い手はいない筈であったが。そこを超えたのがタミさんのステータスだった。
「凄い…。」
暗闇ながら、そこにあったのは垂れるほどに実った麦畑だった。
「で、これか。」
「んだ。」
飯垣が地面を見ると、またもほぼ粘土化した農耕地だった。
「これも。」
「んだ。当然成長には栄養がいるっぺ。それを準備しないとすぐに枯れるっぺ。だから…。」
「ファンタジーにはいかんな。」
「んだば、この”土壌”を多めにかけたりして、多めに栄養入れれば、維持も可能だべ。」
「それだと水は?」
「もともと土壌に含んでるっぺ。水を含まねえ土は”畑”にならないべ。」
「でもこれでも…。」
「んだば。これで一応助かるっぺ。」
「後…雨は降らせておけ。」
飯垣は地面を見つめつぶやいた。
「どうしてだ?」
「恵みの雨っていうだろ?」
中腰になり、丁寧に地面に種を埋める作業をしていたが、これだけは流石にダークボックス等の自動化ができなかった。できるかもしれないが、今夜一晩だけのために開発するには期限が足りなかった。
「手を動かせ。でないと終わらんぞ、」
「でも…。」
「あの子たちを見ろ。」
奥原は元々そこまで背が高くない上にゴースト系なので、宙に足を浮かせ座った体制のままスライドして、種を植えていた。
「あれを?」
「い、いや…。」
陽華も丁寧に植えてはいたが。子供の為か…その奥で腰を叩き、遅々として進まない。月光の種植えをあざ笑うようだった。
「でも、タミさんって…大丈夫なの?」
「…あの人………。」
「ああ、タミさん。大丈夫よ、あれくらい。」
奥原たちは気にしないように、種を植えていった。その間に、村の半分以上の土の撹拌を終えていた。
「あれはどこまで強いんだ?」
実際、前回の戦いでは、月光とナギサを抑え、一人で戦っていた。月光はその言動とあのひょうひょうとした感じに、違和感を持っていた。
「さあ?」
「知らないのにその発言か?}
「だってあのタミさんよ。そう簡単には負けないわ。」
実際知っている奥原たちからすれば、井原生え抜きの部隊長であり、”生産部門”である。実力としてはほぼ千鳥万花の上何番をほこる最強モンスターの一角である。最悪この月下の領域を勇者たちを抱え逃走するために用意された最大戦力である。
「…自信あるのだな。」
「ほらほら、手を動かす、早くしないと夜が明けちゃうよ。」
「やっと終わった。」
5時間はかけたであろう、収穫が終わるとそこには、肥料の入った土がある、本来は土のアルカリ性等を調べ、植物に最適な環境を整えたり様々な障害がある。ついでに言うとこれでもこの世界は一日48時間の為、5時間ぐらいなら夜が明ける事はない。
「では行くっぺ。成長!」
だが、成長に至っては実はそれらは関係なく”成長させる”性質がある。ただ、この魔法は一つ毎の単体で行う。が、光魔法後光を連携させた後その照射範囲に浴びせればそのまま全体化する。但し敵味方問わずだが
「すげぇ…。」
「んだばこれ、数十万MPはつかう大物だべ。」
「そうなのか?」
「んだ。」
この後光の範囲化の欠点は自分にもあたる事。そしてもう一つは、対象が多すぎるとその分全部効果が分散する事である。その為、このような畑にかければ普通の魔力では何も起きないと判断してもいいくらい、効果が小さくなる。その為、後光はこの世界でも非常に人気のない魔法だった。…だったである。その使い道を研究し使えるようにしたのが南だった。クラウドドラゴン戦の直後開かれた”魔法の使い方”映像動画により様々な魔法の効果が出展された。その中には”ダークボックス処理”などの新事実やレベル9や10の魔法についても書かれた物だった。そして、そこに出てくるのが神秘のベールに包まれた現在でもダンジョンDPランキング3位の強者リューネだった。その為、この映像はすぐさま全ダンジョンで買われ。そして研究された。当然リューネに挑もうと考えている者はいなくなった。差があり過ぎるのだ。が、その中において、有志で研究を開始されたのがこの”後光”である。光魔法レベル6の魔法ではあるが。”連係専用”で効果は”後光の魔法の光の範囲内に連携させた魔法を発動させる”ことである。特に反応したのが、”柳田”だった。即座に専用ハッシュを設け、実験を募った。
「これが…。」
「んだが。ちょっと休憩だべ。」
そこで分かってきたのが、この対象が多すぎると分散しすぎて効果を発揮しない事や、魔法の連携時は双方の倍率が加算されることである。光魔法LV6なら、計210%の倍率がある。そして、森魔法ならそこにも210%の倍率がある。これを連携させた場合双方の倍率を足した”420%”の効果が発揮される。ただしこの効果を”対象人数”で割ったのが正確な値のとなる。さらに設定した時間に応じてさらに火力は下がる。そしてもう一つの欠点がこの”対象人数に自分を含む”である。その為、港かは微妙に低く、そして対象が2個しかないとか、そう言う事態は少ないため、地味につらい効果がある。がこれを解消するすべの一つが”何回もこれを打てばいい”である。ただ、当然魔法は連係含めいくら無詠唱が可能でも思考時間が欲しい。となると、これも実戦には使えなかった。が、井原はここで止まらなかった。
「だいじょうぶ?」
「んだば、色々疲れたべ。」
魔法には物理系含め様々ある。特にバフ系は重ねれないのか、井原は研究していた。が、この多くは無駄となった。攻撃魔法は持続するが、バフは効果時間のみで重複できず、作成系は後光があっても大して変わらない+光の範囲に行くと消えるが、自分が意識しなくても維持され便利になる。という者だった。一番相性がいいのは”透明化”であり、幻覚である。が視点を変え、後光の維持時間を最小に、全体化のみを取ってみた。そうしたところ、重複はした。が消費はお互いの分を食うため、非常に高く、且つ、使える範囲と時間は非常に短いという…微妙仕様だった。がこれに噛んだのが”成長”である。成鳥用の魔力は濃厚なまま散布されるので、成長が促進された。が、魔力も大量消費なら魔法も連続て使用する分、非常に神経を使い、脳負担が巨大化した。その為…使い手はいない筈であったが。そこを超えたのがタミさんのステータスだった。
「凄い…。」
暗闇ながら、そこにあったのは垂れるほどに実った麦畑だった。
「で、これか。」
「んだ。」
飯垣が地面を見ると、またもほぼ粘土化した農耕地だった。
「これも。」
「んだ。当然成長には栄養がいるっぺ。それを準備しないとすぐに枯れるっぺ。だから…。」
「ファンタジーにはいかんな。」
「んだば、この”土壌”を多めにかけたりして、多めに栄養入れれば、維持も可能だべ。」
「それだと水は?」
「もともと土壌に含んでるっぺ。水を含まねえ土は”畑”にならないべ。」
「でもこれでも…。」
「んだば。これで一応助かるっぺ。」
「後…雨は降らせておけ。」
飯垣は地面を見つめつぶやいた。
「どうしてだ?」
「恵みの雨っていうだろ?」
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