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第10章 VSクラウドドラゴン戦(裏)
第371話 上と下との能力差は理解の有無で亀裂になります。
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一時間ほど待機していただろう。普通の主人公なら暇だから突っ込むと言いたいが、今日の主人公は勇者たちだ。周囲を守る警備員はこうして空中を舞い、報酬があればいい。第一2週間かけて攻略したあの巨大ダンジョンよりはきっとましだろう。が、時々聞こえてくる伝達からは内部の悲惨さがうかがえる。飛び交う救援信号。そして内部突入班の怪我も大きくハイエルフが、戦線に出る前に救護班として現場にとどまり、ゴブリン村の連中は迷宮を前に足止めを食らっていた。
『緊急管制報告。南が出陣いたします。その為正面付近の空域を開けてください。存在する場合、死亡もありうります。』
ついにか…。と思った直後、雲がさらに大爆発を起こし…その中に…何かが突っ込んでいった。は?ただあまりの展開に瞬きすれば見逃すぐらい凄い高速展開だった。
「あの壁、あのレーザーを防いでいるよな。それを?」
そう、あの壁は私達の時にはやらなかった”集中防御”している厚い壁だ。それを砕いて直進する!?というより、聖女様はきわめて脳筋だな。確かに巻き込まれたら終わりだ。が、我々の苦労は何だったのか。というぐらいあっさりと入場された。
「凄いだわさ。」
あれ相手の戦争は無謀だ。きっと…生きて帰る算段を立てても、だめだろう。私も戦争はしたくないが、あれは…ダメだろう。でもあれでネルの弟子だろう?どれだけあの少女魔王は強かったのだ_と思ったらそう言えば、あの下の巨大な蔓はネルが作ったものだ。こうなると、旧魔王軍は解体したというより偽装して、油断させる戦術に出たのか…。そうなると月下もかわいそうだな。
「ここまで来ると意外だな。」
「頭おかしくなりそうだぜ。」
というよりも…。
「これは以外と面白いかもしれん。」
「んだわさ?」
「こうしてみるとわかるが、勇者…上層部と、下の強さに天と地の差がある。そして連中は下の底上げを狙っている、組織の欠点が分かっているんだ。」
こういう、上下関係が大きい会社は、総じて結構速く潰れるか、風通しが悪くなり他社にいずれ抜かされる。意見やアイディアはこういう下っ端や、組織になれない人間が出す者が有益だからだ。そうなると今の亜人の環境はこれに近い。強い数名と弱い数百、数千人の重り。そして彼らに正義のレッテルがある限り、その足元の数千をないがしろには出来ない。そう考えると脆弱な組織に見える。一長一短だな…。
「ふむ。でもその上が、相手を全滅できるほど上だと欠点の意味がないだわさ。」
「まあな…。」
「あんたらやっぱりこういうのが好きなんだな。」
「企むのは自由だ。ただ、今の現状はどんな企みをしても上層幹部一人が出張ってこれば終わる。」
「戦うのか?」
「最悪はな。それに半分神様印だ。連中がこちらの事を考えない暴挙には出ないだろうよ。」
邪魔になるまで妨害すれば別だがそうでないなら、この”味方に見える”状態というのは大きい。いつでもスタンスを切り替えることもできるかなりいい状態だ。
「そう言うものか?戦いは数があればいいと思うが?」
「考えておくだけだ。勇者は本来モンスターを潰すのが役割なら、亜人は最悪寝返って、敵対する恐れがある。対策を考えるだけの時間はあるはずだ。」
『レイドボス討伐を確認。報酬が、各参加者に配布されます。』
思ったより早いな、建物大きさが小さいからな。
『おう、撤退するぞ!今日は飲むぞ!』
が、次の瞬間…クラウドドラゴンは崩壊し…。消えた。が本来内部にいる人間はそのまま空中に…あれ?
「凄いだわさ。水の魔法だわさ?」
空中からゆっくりと降りつつ…出口に向かっていたが…。数人の勇者は飛竜で脱出、それが水の周りをまわり、勝利をお互い称えていた。
「報酬は後で回収する。が…。」
「ここからが勝負だわさ。」
『緊急管制報告。南が出陣いたします。その為正面付近の空域を開けてください。存在する場合、死亡もありうります。』
ついにか…。と思った直後、雲がさらに大爆発を起こし…その中に…何かが突っ込んでいった。は?ただあまりの展開に瞬きすれば見逃すぐらい凄い高速展開だった。
「あの壁、あのレーザーを防いでいるよな。それを?」
そう、あの壁は私達の時にはやらなかった”集中防御”している厚い壁だ。それを砕いて直進する!?というより、聖女様はきわめて脳筋だな。確かに巻き込まれたら終わりだ。が、我々の苦労は何だったのか。というぐらいあっさりと入場された。
「凄いだわさ。」
あれ相手の戦争は無謀だ。きっと…生きて帰る算段を立てても、だめだろう。私も戦争はしたくないが、あれは…ダメだろう。でもあれでネルの弟子だろう?どれだけあの少女魔王は強かったのだ_と思ったらそう言えば、あの下の巨大な蔓はネルが作ったものだ。こうなると、旧魔王軍は解体したというより偽装して、油断させる戦術に出たのか…。そうなると月下もかわいそうだな。
「ここまで来ると意外だな。」
「頭おかしくなりそうだぜ。」
というよりも…。
「これは以外と面白いかもしれん。」
「んだわさ?」
「こうしてみるとわかるが、勇者…上層部と、下の強さに天と地の差がある。そして連中は下の底上げを狙っている、組織の欠点が分かっているんだ。」
こういう、上下関係が大きい会社は、総じて結構速く潰れるか、風通しが悪くなり他社にいずれ抜かされる。意見やアイディアはこういう下っ端や、組織になれない人間が出す者が有益だからだ。そうなると今の亜人の環境はこれに近い。強い数名と弱い数百、数千人の重り。そして彼らに正義のレッテルがある限り、その足元の数千をないがしろには出来ない。そう考えると脆弱な組織に見える。一長一短だな…。
「ふむ。でもその上が、相手を全滅できるほど上だと欠点の意味がないだわさ。」
「まあな…。」
「あんたらやっぱりこういうのが好きなんだな。」
「企むのは自由だ。ただ、今の現状はどんな企みをしても上層幹部一人が出張ってこれば終わる。」
「戦うのか?」
「最悪はな。それに半分神様印だ。連中がこちらの事を考えない暴挙には出ないだろうよ。」
邪魔になるまで妨害すれば別だがそうでないなら、この”味方に見える”状態というのは大きい。いつでもスタンスを切り替えることもできるかなりいい状態だ。
「そう言うものか?戦いは数があればいいと思うが?」
「考えておくだけだ。勇者は本来モンスターを潰すのが役割なら、亜人は最悪寝返って、敵対する恐れがある。対策を考えるだけの時間はあるはずだ。」
『レイドボス討伐を確認。報酬が、各参加者に配布されます。』
思ったより早いな、建物大きさが小さいからな。
『おう、撤退するぞ!今日は飲むぞ!』
が、次の瞬間…クラウドドラゴンは崩壊し…。消えた。が本来内部にいる人間はそのまま空中に…あれ?
「凄いだわさ。水の魔法だわさ?」
空中からゆっくりと降りつつ…出口に向かっていたが…。数人の勇者は飛竜で脱出、それが水の周りをまわり、勝利をお互い称えていた。
「報酬は後で回収する。が…。」
「ここからが勝負だわさ。」
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