上 下
366 / 1,270
第10章 VSクラウドドラゴン戦(裏)

第364話 こちら、現場の井原です。

しおりを挟む
「今度こそ行くっす!」
「…大丈夫だって、アタイが死なせないよ。」
「ですってよ、勇者様。」
 と少年勇者をよいしょする…鬼人とエルフの組み合わせもいれば…。
「このギルフォード、今度こそ遅れは取らん!」
「「きゃー。」」
 とポーズを取り褒めさせるハーレム勇者がいる。
「な、これが終わったら結婚しようぜ?}
「え、あ…はぁ…。」
 どう見ても乗り気じゃない女性に求婚する勇者もいる。それ死亡フラグかもしれんがな…。がレベルが基本9から25、最大でも32と低く、音無たち45とは違う。あの子は意外と真面目で、狩りで買い取りをすると言ったら喜んで、勇者パーディで実践訓練してくれたよ。ついでに大物バイラードがメインなので、かなり大きいサイを相手に結構いい立ち回りをしていたらしい。正確には魔法では即死だったらしいが買取できないほど焦がして以来、工夫するようになった。こうしてみると、経験が足りないような。
「お、あんたたちは…。見た事ないが…。」
 さっと目をそらすと、音無たちが前面に立つ。
「私の協力者でして。」
「このトサカが?」
 鳥海は流石に目立つか…。髪の毛全部逆立てたトサカヘアーは目立つな。
「これは寝た時に逆立ってしまって。」
 声がいつもの菌金ではなく落ち着いた感じだ。流石、こういうのに手慣れている。
「そこまでひどいのか?寝ぐせ。」
「はい。ただ、今日は緊張して寝れなかったので、寝てしまって、寝坊寸前でして、直す時間が無かったので…。」
 あ、ドランと四郎が笑いこらえてるな。私もあまりに強引な言い訳に…フフ。後…いつもの口癖がないのが…。逆に…。
「緊張・・・してます?」
 音無…達だな、みんな緊張しているようだが…。
「実は…あまり実戦慣れしていなくて…。」
 葉隠さんは、不安そうに周囲を見る。よくよくこう言う”軍隊行動”は行ったことないな、良くも悪くも勇者は”個人事業主”である。勝てば官軍負ければ死亡。そんな風来坊と同じ人生であり…。リスクマネジメントができないと、いつでも死ぬのがこの業界である。そう言う勇者にとってこういう団体戦はじつは苦手だ。というのも…。
「このギルフォード。輝くこの光が敵を滅ぼすだろう!」
「「きゃー!」」
 …なんか大声で自慢しなくていいのに…。でもこれがこの世界の勇者の特性であり、地味に弱点だ。光魔法という拡散する範囲攻撃がメインで周囲の味方をよく巻き込む。敵味方判別がつく”魔力操作”を高レベルで習得し”敵味方判別可能”を手に入れるまでは怖くて街も歩けない。という…非常に厄介な特性がある。ただ、この魔力操作の
”敵味方判別可能”は非常にチートで味方と認識し自動的に攻撃のど真ん中だろうが、効果を発揮させない。という効果になる。但しこれ、地味につらいのが、こっちが持っていて相手が味方と認識していれば機能する。という物で、こっちが裏切って敵意を持って攻撃しても、敵味方判別機能が適応され、攻撃は無効化されてしまう。あえて裏切りを宣告し、裏切ったと宣言すれば当たるらしい。その為、このスキルは賛否両論か、高レベルまでは必要ないという意見も多い。が、このスキルなしの場合…。巻き込むのが怖くてこういう団体戦は勇者は非常に苦手だ。その為、最近は命中だけが高い”レーザービーム”を使い、攻撃する勇者が多いという。音無には当然これを練習させた。が…。
「空気に飲まれているのか?」
「は、はい。こういうの初めてで。」
 ついでに一回はクラウドドラゴンには勝っているものの、外に出させていないので、実質はこれが初回という感じだが…。
「慣れだな。」
「そうなんですか?」
「建設の際に、大型施設に建物を建てる際はこういう、軍隊みたいに集合し、仕事を割り振られ、仕事をする。現場監督はその意味でも円滑な作業のため見始めてくる人間含み相手を見定め、仕事を割り振る仕事がある。」
 大型工事の現場監督ではよくこういう作業が多かった。ここで建物の知識と工程の熟知のほかに人を見る目を要求される、これは個人邸宅を建てていても一緒だ。
「社会人でもこういう場面はある、自分のなすことをやれ。できないと思ったらとっとと逃げろ。それも仕事だ。下手に傷ついて医者の手を煩わせると。そっちの方が厄介だ。それにこの戦いは…ボーナス報酬だ。勝ち戦に死にに行くことはない。」
「そうだな。」
「いい事いうのぉ。」
 ドラン達がのぞき込む。こういう仕事は、普通ノジャロリの仕事だろうに…。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!

ねむたん
ファンタジー
私は砂漠の町で家族と一緒に暮らしていた。そのうち前世のある記憶が蘇る。あの日本の味。温かい味噌汁、焼き魚、醤油で整えた料理——すべてが懐かしくて、恋しくてたまらなかった。 私はその気持ちを家族に打ち明けた。前世の記憶を持っていること、そして何より、あの日本の食文化が恋しいことを。家族は私の決意を理解し、旅立ちを応援してくれた。私は幼馴染のカリムと共に、異国の地で新しい食材や文化を探しに行くことに。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...