魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
上 下
358 / 1,309
第10章 VSクラウドドラゴン戦(裏)

第356話 1ON1×3

しおりを挟む
 魔王エレノア。それは勇者大陸の伝説にある最初の魔王の名前だ。その歴史は最初召喚された勇者が魔王討伐に向かい…そして討伐されたはずだった。勇者は 魔王討伐にかこつけ、街を滅ぼし、そして各国の王が編成した大陸中の男を用いた勇者討伐軍を2度も打ち返した。そしてそれは教授たちの手によって討伐。真なる勇者として教授とネルたちが勇者管理団体としてギルド商会を立ち上げ、そして、彼女の母体というエルフたちの国エルシュウッドが出来上がった。が魔王は生きていた。それを知った王は本来無視するはずだった。が、神託により魔王を倒せば神が願い事を一つ叶える。という宣告を受け、教授たちを派遣、魔王エレノアは討伐された。というのが彼女の伝説らしい、暇時間にスキルで検索した。が能力自体は…非常に強く、彼女以外の魔王はそのいずれもが及ばない。と言われる程度には強いらしく,そののちの勇者大量償還時の魔王”冥王”、”狂王”、”鬼王”、”黒騎士”、”邪竜”と呼ばれた魔王たちとは一線を画す強さがある。あのヨミという女は大方神の傍にいた…”冥王”だと思う。が魔王はあと5体いたのか。鬼は、リーメ君か?でも後は分からん。がその一線を画す力は、この私でさえ大方児戯に扱える程度に強いのだろう。亜人同盟が引っ張ってきて”交渉の上に持ち込んだ最終兵器”と言わしめた。実際あの、全部の敵を止め、そして、壁を止めたあれの正体が分からん。
「ついたのです。」
「…扉、空いてるな。このまま連中が来るまで。」
「というより…お姉さん何者?」
 フェルミィが首テレオートで来ていた。ミラージェもだ。
「…魔王なのです。それ以上は言えないのです。」
「一度聞いてみたかったんだ。魔王って何する人?」
「…王様なのです。………ん。」
 そのままフリーズなされたぞ。おい…。

 後続が出発し、影を設置、合図を送るが…すごいな、サンマリノ大聖堂を思い出す。柱が美しい大聖堂で…ただし椅子はないが、真ん中にマシンナイトが3体立っている。
「むむむ。」
「やるのです?」
「ワーリアックの欠点は?}
「弱点は…鳥自身。奴を見つけてしまえばいいんだけど…。」
 そうは言い切れない。奴の本当の怖さは”憑依”にある。憑依で自分のスキルを相棒に渡し、そいつは鳥系の能力を持つ。そう言う意味では非常に厄介なうえ、相棒はコスト無しで再召喚可能。これだけでいつでも蘇生する。鑑定に相棒と書いてあるから、奴がいるのは確定だが…。どっちでもいいが非常にこの部屋大きい。マシンナイトが
20m程の高さで、それが横に3体並ぶ。どこぞかのロボットマニア感激の大きさしてやがる。が、それが並んでも大丈夫なほど広い部屋。そして!
「弦の鞭!」
 連中が構えるのを防ぐ…やはりか!鞭でカバーしてどうにか防いだが…奴ら”銃器持ち”だ。・・・ち、うまくシールドも持っていたのか。其れで攻撃を防ぐ。が連中動けないが…蘇生する壁…厄介な。
「…しかたない。頼んだ。」
「「イエス!」」
 その言葉に、フェルミィ、ミラージェが両サイドの鋼鉄巨人に飛び込む。そして!
「土壁!」
 石の壁をH上にせり出させる。これで射線を防ぐ。結構MPは使ったが後はこれを。
「ふむふむ。」
「こうする!」
 H状の壁にレールを仕込んであり、真ん中の壁の中央を蹴り飛ばすとそのまま相手をよろめかせる。ついでに滑車は思いついたが、思い浮かべれなかったので、強引に押し出した。硬さは実は土魔法レベル6の”圧縮”が魔法である限り任意に変更できる。これを使い、土を圧縮し硬度を引き上げ、その壁を推していく。相手が逃げるなら
逃げれないように部屋を加工すればいい。そのまま、プレス!

 フェルミィは相手を睨み…。
「一応、魔法使いなのよね。そして、これに勝てる重さ無し!水作成からの!タイダルウェイブ!」
 三つに分けられた空間の内サイドは出入口もないため、半密閉空間だ。その為、本来は広がるはずのミスがそのまま鉄砲水となり相手に押し寄せ…重いはずのゴーレムの足を攫う。流石に急流に…足を取られたようだ、ぎりぎりの大きさの的に見えるほど…。動けない配置にしたのが悪い。流石に、小鳥が脱出してくる。
「アクア‼アロ―!」
 その隙を狙い…タイダルウェイブの水を使い、矢が水面から飛び出し突き刺す。

「一応…私…。」
 ミラージェは本来機能も設定されていない井原の”相方”としての能力がある。その為基本そこまで思考も変わっていない。
「獣ですので。」
 腕だけを元に戻すと、その巨大な手の肉球で相手の全体に張り手をかます。こう見えて全長1200mの巨大ケルベロスの肉体があり、高さもそれなりに高い。歩いただけで町を潰せるだけの巨体である。その手の部分を制限付きで元に戻すと、当然部屋は全部埋まる。そして、その肉球についた爪がマシンナイトの頭をえぐり…。そのまま霧散し消滅してしまった。
「…もう少し…工夫したほうがいいのでしょうが…面倒…ですね」
腕を元に戻すと…、一応壁に…亀裂が入っていた。破るには至らなかったようだ。

「あーあ、これはえぐいだわさ。」
 後続部隊が到着すると中央の挟まれてそのまま死んだマシンナイトの跡が残っていた。
「…結構ヤバいな。」
「普通に返されると思わなかっただわさ。」
「…違うぞ。戻るぞ。」
 フェルミィとミラージェを回収すると、二人とも肩乗り子犬になり…通常の状態に戻る
「意味不明なのじゃ。」
「単純にこれだけ全力ださないと倒さないといけない相手が襲ってくるレベル9ダンジョンを二十日以内に攻略しないといけないんだよ。」
「「…あ…。」」
 ちらっと見た外見の情報だとあの都市の上にあったのは高さ300m程のタワーだ。が、じつは幅が相当大きい。だから外見とは違い階段状ダンジョンの恐れがある。階段上はよく中二階を作る後方で用いられる。階段の踊り場を巨大化させるデザインだ。実はカラマツフィールド開発のきっかれはこれだった。中二階を作成する際
どこまでの高さが下限で生成できるのか試したら10㎝だった。10cmはなだらかに数十メートルかけて傾斜を柔らかくすると気が付かない。これを使い空気のよどむ場所と浄化装置の場所を調整していた。これに近い構造だと、途中で階段を上がり、一直線に進む感じでフロアが増設されると…方向感覚が失せ、会談の位置を混乱させやすい。ダンジョンは普通建築法の逆の考え方”居住性をとことん悪くする”だから…
「なら行く!って…。」
「まずはそこだろうな…。」
 大聖堂奥に入ると、そこは壁と階段が…そこら中にある階段都市の風情だった。
「あ…。」
「だまし絵の奴だわさ。」
 入口は…数えた感じ20はある。が!まともにダンジョン攻略していれば間に合わん。それに…。
「これはきついのです。」
 そう、このダンジョンの時間稼ぎの館、奴のMPはガンガン回復する。そして稼がれた時間分敵が出るってで事ある。サンダーバードはともかくフライングエイは無理だろうがワーリアックは当然出てくる。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……

Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。 優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。 そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。 しかしこの時は誰も予想していなかった。 この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを…… アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを…… ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

処理中です...