上 下
354 / 1,270
第10章 VSクラウドドラゴン戦(裏)

第352話 雷鳥はランク6の中ボスランクで一体いるだけで大都市が壊滅の恐れがあります。

しおりを挟む
 鳥海が影から出てくると…そこは戦場だった。左からサンダーバードの群れ右からフライングエイが迫る。それを縫うように雲からも落雷が飛び交う。
「ちぃ!」
 鳥海は一気に飛び出すとフライングエイの方に飛び込む。まだこっちは体当たりでもいいが、向こうはサンダーバート。雷の精霊は火に強い。火属性はまだ何とかなってもあれは無理。
「ホッホッホ。これはこれは。」
「行くだわさ!」 
 鳥海は息を思いっきり吸うと周囲の熱が集まる。ダメもとで試した竜魔法オーブが使えたのだ。そしてそれを全部投入した。得られたのは収束ブレスとチャージである。チャージは周囲の魔素を体に取り込み”増殖”させる事で吸った以上のものを吐き出す。能力や体力にもよるが溜め込んだ絵エネルギーは次の攻撃に強化して配分される。単純にためて攻撃なのだが、強化方向は思考で簡単な方向性を決定できる。また、これを飲み込んでMP回復という手も使える。使い勝手のいいスキルである。
「薙ぎ払う!」
 チャージを連携加熱し熱を貯め込み、そのまま属性息を展開周囲をに薙ぎ払うといま目に見えるだけのフライングエイはいないが…無駄な魔力は使えない。
「だわさ!!!!」
 大声が包む中…。向こう側では2番目に飛び出した。
「手伝おうか?」
 鳥海の薙ぎ払いは無差別に首位を薙ぎ払っている。
「こっちはどうにかなるだわさ。だけど!」
 ちらりと見るとサンダーバードが熱戦の弾幕を…ほぼ効果ない感じで通り抜けてくる。
「耐性だわさ!」
 肉体がない零体であるサンダーバードは…もともと熱の効果が薄い。しかも電の塊で出来ているため、本隊も熱を通す構造となっており…効果が薄い。
「これしかないのぉ…。」
 オウルが飛び出ると、フクロウの外見の…体から4本の手が生えてくる。その手の一本一本に光のエネルギーがたまっている。が、サンダーバードたちは縦横無尽に飛び交い照準がつけられる状態ではなかった。なので、乱射した。
「ホッホッホ。」
 生えた腕から光の矢が連射で飛び交う。攻撃魔法による”魔法の矢”の加算、連射、分裂の三つのオプションを付け、さながらマシンガンによる走者が4本の腕から発射された。攻撃魔法は特殊な魔法で1レベルにある”魔法の矢”以外の使える魔法がない。その代わりその魔法の矢の利便性がレベルが上がるにつれ上がっていく。2レベルの”連射”は威力を10分の1にする代わりに10発連射して発射する。加算”は消費を最大レベル倍まで上げる事で一度に打てる本数を増やす。そして3の”分裂”は撃った矢を任意のタイミングで”分裂”させる事ができる。本数は現在本数×現レベルまで。威力に変動なしだ。という…乱射を敢行した。
「んー。それ大丈夫?」
「第一・・・雷属性に効く魔法が分からんのぉ。じゃから。夢属性の魔法ならいける…という訳でのぉ。」
 実際サンダーバードの売りは零体化による物理無効と有効魔法属性がない事による防御能力と高速行動という…戦う側としては非常に厄介な能力を持つ。が、純粋魔力ではそれらも関係なくダメージを与え、乱射することにより、威力はともかく”回避不可能”にしてしまう。
「大丈夫?}
 ミヨちゃんはじっと様子を見ていた。
「でもでも…そう言えば!あのヤベーさん。…来るのかな?」
「大丈夫です。もう来たのです。というより早いです。もう見つかるとか…。」
 空中でじっと佇む魔王は…魔力もなく空中に立っていた。
「やっと援軍に来たのじゃ…が!」
 ドランが追い付く頃には、船上は混沌だった。一方を鳥海のフェニックスがブレスで薙ぎ払い、もう一方を腕を生やしたフクロウがロボットみたいな光の弾幕を展開していた。そして逃げ回るミヨちゃんと、じっとしている魔王様だ。特に魔王様は…影に入っていないはずだが?
「出番は1?}
「こっち交代するだわさ!壁は!」
「あれ!」
 ミヨちゃんが指差したのは、カーブにみせかけた…巨大な雲である。
「一周周ってみて、全部あれに包まれていた!だからあれ突破しないと無理!」
 見える限りの…数キロはあるであろう巨大な雲が立ちはだかる。
「甘くないだわさ!」
「そっちはもらうのじゃ。鳥頭!早くやるのじゃ!」 
 ドランはフライングエイの大軍の方に飛び込む。
「行くだわさ。」
 フェニックスの姿で鳥海はまたも息を吸い込む。そして、口をすぼめ強く息を吐きかける。これが竜魔法による最大の一撃”収束ブレス”である。ただこれは普通のブレスに比べ魔力で口を覆い、まるで自分の口を”銃口”に見立てレーザー砲を打ち込む必殺の一撃だ。これに属性息による”火魔法”及び”連携加熱”を重ね、MPをほぼすべて叩
き込んだ。

 ボゥアアアアアア!

 ダンジョンウォールがまるで丸くえぐられたように穴が開いた…。
「ほっほっほ!」
 オウルが周囲を警戒し、ミヨちゃんが、その穴に滑り込んでいく。
「URはそこ迄甘くないです。」 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。

ファンタスティック小説家
ファンタジー
 科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。  実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。  無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。  辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。

カモミール
ファンタジー
「最強になったらまた会おう」 かつて親友だったスライム、蜘蛛、鳥、ドラゴン、 4匹は最弱ランクのモンスターは、 強さを求めて別々に旅に出る。 そして13年後、 最強になり、魔獣四王と恐れられるようになった彼女ら は再び集う。 しかし、それは世界中の人々にとって脅威だった。 世間は4匹が好き勝手楽しむ度に 世界の危機と勘違いをしてしまうようで・・・? *不定期更新です。 *スピンオフ(完結済み) ヴァイロン家の少女が探す夢の続き~名家から追放された天才女騎士が最強の冒険者を目指すまでの物語~ 掲載中です。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...