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第9章 よそのダンマス求めて300里
第334話 頭がいいと呼ばれる必要知識は地域によって違う
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馬車はそのまま…黒川が全力操作に切り替え、さらにミヨちゃん配下の捜査部隊も捜索しているが、一週間。音沙汰もなかった。いくつもの貧困している村々を周り、行商して
情報を集めつつ東に向かっているが…大した情報もないまま、数か国を通り過ぎた。
「暇。」
「あんた以外はそれなりに、暇じゃない。」
飯垣が書類を精査し、一枚一枚、ペンで何かを書き足していく。あのエージェント派遣以降、黒川たち魔王国のメンバーは後ろの馬車に固定となった。時折来るエージェントの報告を受け取り、指示を出すためだ。こちらも、こちらの植生が全く違う事が判明、省察舞台であるミヨちゃんの部下である10体のサンクチュアリバードの部隊のうち5体を招へい、その上にレイス達を憑依させた強硬偵察部隊を派遣。各地の情報収集にあたることにした。変身して行商人に化け、物資を回収するために一人では怪しいので接触時のみ2人にする編成だ。当然音無たちは後ろの馬車の御者と護衛であり、飯垣は只一人、植生から予想できる”使用可能パーツ”の検証データを書いていた。タミさんは当然前の馬車の御者をしており、その承認の娘という設定の奥原、陽華の両名はこの馬車の座席に一日中座っている。
「でもさ…。」
「これでも、綿モドキとか、後は砂漠の近くでココナツヤシの木。そして、どうにか大麦の発見はしているんだ。後、それなりに良い、オランペットの実というビタミンCが多そうな味の薄い果汁も発見。糖分がひたすらに多い赤と銀色の木の実”パーサール”と呼ばれる実も発見。それを送付した。ただマルワール帝国はよっぽど植生には恵まれていないらしく太い木が多く、また木の実も少ない。沼地で…必死に探索した者のハスの葉は見つからず、レンコンの発見には至らなかった。が…。
「んだば、参考になるっぺよ、オウルも驚いていたいだ。木の皮とか…。思いつかないべ。」
「あの地域は動物が少ないのが致命的なんだ。できればさまざまな動物を放したい。」
飯垣の顔も渋いが…いいのがなぜ、オウル達”賢者”が大量にいるにもかかわらず、一人食性チェックをしているかというと…できなかったからだ。
「まさか、こんなトラップがあるとは思わんかったからな…・。できれば、これは…。」
賢者の知識には…スキルがある物のある障害が存在した。それが”文明レベル”と呼ばれるものだ。オウル達は今の世界の一般人からして”賢者”である。あの地域では足し引きと掛け算や割り算ができ計算が速く、字が読めさえすれば”賢者”である。その為、賢者であり献策は可能だが、その知識は奥原からしても…低次元であった。それ位現代社会との知識に差があった。それはタミさんも一緒で、植物関連の知識において”漢方”やスパイスの発見には至らなかった。メープルシロップの原理もわかっていなければシナモンやキノコ類の知識もない。そう言う本を見せても…数千にも及ぶ植物データは全く理解できない。そのことを知ったのは飯垣の”シソの葉”探索をした色いう話に全員が理解をせず捜索してみるものの、コアであっても捜索できなかった。外見を知らないためだ。
「まあねえ…。私もお店やってみた―いって思っていたけど。そういう知識はないのよね。」
「惜しい、私がもっと漢方とか勉強していれば…。」
「無理よ、そう言うのは。覚えているほどそれに夢中だった?」」
そして、ダンマスたち全員…食事の知識が薄く、食べれる野草辞典もなかった。当然フードコーディネーターにして、職人プロデューサーである飯垣は知識はあった。が思い出召喚として指定できる”食べれる野草図鑑”も”漢方カタログ”もなかった。そうなると自分の知識だけだが…それが全く薄かった。しかも植生において異世界典型の独自植物も多く存在しており、その食餌実験が欲しいのだが…そのためには人間をとらえ…鹿モンスターも全員一回ずつ試験しないといけない。鑑定は簡単にはデータが書いてあるがそれが自分が食べれるか頼りになるかというと別だ。その為、今のところ植物系での知識が一番多い飯垣が全部書類を見て検品しないといけない。
「無理だな、あんたは?」
「…漫画数冊だった。」
これも思い出召喚の欠点で、思い出に残っている本なら取り寄せ可能だがそれに”専門書”はほとんどない。井原が持っている建築関連の書物が異常で鳥海も”六法全書”は持っていいても。”優しい法律解説書”は持っていない。なお、諸法律の書物のうちいくつかは見つかったが。それ以外は見つかっておらず、食事に無頓着な鳥海は食事関連はほぼなかった。シロウも、奥原たちもほぼ一緒で、教科書の一部が陽華から見つかっただけで、本さえほぼなかった。但しシロウは”250CCバイク(25億DP)”は存在しており、それの購入も視野に入れられていた。これは、音無さんたちをスキャニングした時も一緒でこのためだけに勇者を相手にしたダンジョンを開くべきか…。検討会議が開かれたほどだった。
「とはいえ、スペシャリストの作成というより、リスト作成には動物が欲しい。」
「どうしてよ。」
「ああ、動物が住んでいて食べるものを人間が食べて、薬効発見という事例が多い。また、処理も数十にも及ぶからな、草一個でも最悪数十年の調査が欲しい。それ位食事と薬は開発が困難だ。」
「えぐい。」
「だから、頼んでは見たんだが…仕様が”食品以外”となると莫大な調査が欲しい。そう当りのな。だから基礎研究には金を投じる必要がある。」
「魔法があっても?」
「魔法があるならなおさらだな。俺達の知識では全く測れない。しかも現地の人もほぼ魔法はノータッチだったんだろ?俺たち以外調査できねぇぞ。」
「だよね…。」
実際これが、各地のダンマスや勇者たちを停滞させていた。魔法はある。がよくわからない。となると自分たちが実験台になるしかないのだが…。そうなると基礎もないので、魔法がどう活躍するのか、スキルの意味は?様々な難問がただそこにあるだけという状態だった。手が狩りさえもなかった。ただ、ダンマスに支援された人々だけが生活に余裕があり、その研究が可能だ。という段階なのだ。
情報を集めつつ東に向かっているが…大した情報もないまま、数か国を通り過ぎた。
「暇。」
「あんた以外はそれなりに、暇じゃない。」
飯垣が書類を精査し、一枚一枚、ペンで何かを書き足していく。あのエージェント派遣以降、黒川たち魔王国のメンバーは後ろの馬車に固定となった。時折来るエージェントの報告を受け取り、指示を出すためだ。こちらも、こちらの植生が全く違う事が判明、省察舞台であるミヨちゃんの部下である10体のサンクチュアリバードの部隊のうち5体を招へい、その上にレイス達を憑依させた強硬偵察部隊を派遣。各地の情報収集にあたることにした。変身して行商人に化け、物資を回収するために一人では怪しいので接触時のみ2人にする編成だ。当然音無たちは後ろの馬車の御者と護衛であり、飯垣は只一人、植生から予想できる”使用可能パーツ”の検証データを書いていた。タミさんは当然前の馬車の御者をしており、その承認の娘という設定の奥原、陽華の両名はこの馬車の座席に一日中座っている。
「でもさ…。」
「これでも、綿モドキとか、後は砂漠の近くでココナツヤシの木。そして、どうにか大麦の発見はしているんだ。後、それなりに良い、オランペットの実というビタミンCが多そうな味の薄い果汁も発見。糖分がひたすらに多い赤と銀色の木の実”パーサール”と呼ばれる実も発見。それを送付した。ただマルワール帝国はよっぽど植生には恵まれていないらしく太い木が多く、また木の実も少ない。沼地で…必死に探索した者のハスの葉は見つからず、レンコンの発見には至らなかった。が…。
「んだば、参考になるっぺよ、オウルも驚いていたいだ。木の皮とか…。思いつかないべ。」
「あの地域は動物が少ないのが致命的なんだ。できればさまざまな動物を放したい。」
飯垣の顔も渋いが…いいのがなぜ、オウル達”賢者”が大量にいるにもかかわらず、一人食性チェックをしているかというと…できなかったからだ。
「まさか、こんなトラップがあるとは思わんかったからな…・。できれば、これは…。」
賢者の知識には…スキルがある物のある障害が存在した。それが”文明レベル”と呼ばれるものだ。オウル達は今の世界の一般人からして”賢者”である。あの地域では足し引きと掛け算や割り算ができ計算が速く、字が読めさえすれば”賢者”である。その為、賢者であり献策は可能だが、その知識は奥原からしても…低次元であった。それ位現代社会との知識に差があった。それはタミさんも一緒で、植物関連の知識において”漢方”やスパイスの発見には至らなかった。メープルシロップの原理もわかっていなければシナモンやキノコ類の知識もない。そう言う本を見せても…数千にも及ぶ植物データは全く理解できない。そのことを知ったのは飯垣の”シソの葉”探索をした色いう話に全員が理解をせず捜索してみるものの、コアであっても捜索できなかった。外見を知らないためだ。
「まあねえ…。私もお店やってみた―いって思っていたけど。そういう知識はないのよね。」
「惜しい、私がもっと漢方とか勉強していれば…。」
「無理よ、そう言うのは。覚えているほどそれに夢中だった?」」
そして、ダンマスたち全員…食事の知識が薄く、食べれる野草辞典もなかった。当然フードコーディネーターにして、職人プロデューサーである飯垣は知識はあった。が思い出召喚として指定できる”食べれる野草図鑑”も”漢方カタログ”もなかった。そうなると自分の知識だけだが…それが全く薄かった。しかも植生において異世界典型の独自植物も多く存在しており、その食餌実験が欲しいのだが…そのためには人間をとらえ…鹿モンスターも全員一回ずつ試験しないといけない。鑑定は簡単にはデータが書いてあるがそれが自分が食べれるか頼りになるかというと別だ。その為、今のところ植物系での知識が一番多い飯垣が全部書類を見て検品しないといけない。
「無理だな、あんたは?」
「…漫画数冊だった。」
これも思い出召喚の欠点で、思い出に残っている本なら取り寄せ可能だがそれに”専門書”はほとんどない。井原が持っている建築関連の書物が異常で鳥海も”六法全書”は持っていいても。”優しい法律解説書”は持っていない。なお、諸法律の書物のうちいくつかは見つかったが。それ以外は見つかっておらず、食事に無頓着な鳥海は食事関連はほぼなかった。シロウも、奥原たちもほぼ一緒で、教科書の一部が陽華から見つかっただけで、本さえほぼなかった。但しシロウは”250CCバイク(25億DP)”は存在しており、それの購入も視野に入れられていた。これは、音無さんたちをスキャニングした時も一緒でこのためだけに勇者を相手にしたダンジョンを開くべきか…。検討会議が開かれたほどだった。
「とはいえ、スペシャリストの作成というより、リスト作成には動物が欲しい。」
「どうしてよ。」
「ああ、動物が住んでいて食べるものを人間が食べて、薬効発見という事例が多い。また、処理も数十にも及ぶからな、草一個でも最悪数十年の調査が欲しい。それ位食事と薬は開発が困難だ。」
「えぐい。」
「だから、頼んでは見たんだが…仕様が”食品以外”となると莫大な調査が欲しい。そう当りのな。だから基礎研究には金を投じる必要がある。」
「魔法があっても?」
「魔法があるならなおさらだな。俺達の知識では全く測れない。しかも現地の人もほぼ魔法はノータッチだったんだろ?俺たち以外調査できねぇぞ。」
「だよね…。」
実際これが、各地のダンマスや勇者たちを停滞させていた。魔法はある。がよくわからない。となると自分たちが実験台になるしかないのだが…。そうなると基礎もないので、魔法がどう活躍するのか、スキルの意味は?様々な難問がただそこにあるだけという状態だった。手が狩りさえもなかった。ただ、ダンマスに支援された人々だけが生活に余裕があり、その研究が可能だ。という段階なのだ。
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