330 / 1,270
第9章 よそのダンマス求めて300里
第329話 どんな有益な能力でも生かせないなら無能である。
しおりを挟む
「中々いい儲けね。」
馬車一つ分が先ほどの村からの道具や特産品などで埋まっている、お古の鎧やら武器。古い農具から特産品の”綿”まで。
「種もみも貰っただよ。」
いくつかの植物の種。これがダンマスには一番価値がある。
「ふむ、儲かるな…。」
ダンマスにとってこう言う”ぼろ”であっても内部で職人を抱え、修復し最悪DP変換から再構成を経て修復できるので、こういうリサイクルだけでも十分な儲けが期待できる。少ないDPで宝箱の中身の補充や付与魔法の安い素体による練習台の確保等いろんな使い道がある。言い職人性のアイテムをスキャニング後に、DP量産出来る事もあり、商売はダンマスにとって重要なファクターとなる。なお人間を滅ぼすのは3流というのが、現在のダンマスの風潮だ。こういう商売のお得意先を潰せば、いいアイテムが入らない。ダンジョンのお宝を安く、そして誘因の餌となるものを開発できる人間は紛れもなく美味しい。そして、魔王軍のスタイルが広まっていこう。こういう人間を擁護するタイプと、侵略するタイプその2派閥ができつつあった。
「とりあえず、取分あります?」
戦闘馬車の中は今回、黒川お付きの秘書の人が乗っていた。後は飯野も乗って、価値の見分を行っていた。
「…あ、」
「何でしょうか?」
「あなた、ダンマスよね、」
奥原がじっと秘書を見つめる。
「分かるのか?」
「鑑定は一応持ってるからね。しない礼儀もあるけど、一応…。」
「私もダンマスの末席に位置する…改めて魔王国秘書室長にして…時のダンジョンマスター。”飯場崎しおり”と申します。」
「あら、礼儀正しいのね。私は千鳥万花の愛のダンジョンマスター。奥原よ、よろしく。」
奥原が差し出す手を飯場崎が握り返す。
「それは?}
飯野が一人。意味不明な顔をしている。
「これ、ダンマスの正式なあいさつらしいわよ。ダンジョンの特徴を伝える事で。相手に礼儀を見せるって奴。」
「ですね。魔王国でも。正式に場に出て式典を行う際は必ず名乗りに自分のファクターを入れますね。これを名乗らないダンジョンマスターは礼儀知らずか、初心者に見られます。」
「でもすごいわね。時でしょ?」
「それが…それが…。」
飯場崎は恥ずかしそうに俯く。
「なんなのよ?」
「それが原因で、私…魔王国に来たんです。」
「え?」
「それが…時のダンジョンマスターのボーナスが”何かが半額”ではなく”時の概念を導入する”という言葉だったので。全部2倍になっちゃいまして…最初から金欠で…。」
「分かる。私も非常に苦労した。」
「そう?」
「ダンマスのコスト2倍固定って…。相当きついのよ。値引きされた物がない上にガチャを引いても取り出すのにそのものの同額DPが欲しいから、まともな防衛や攻撃はできないわ。」
「はい…最初は私と、エルフチャイルドがドアの裏で棍棒持って待ち構えて二人で冒険者撃退して生きてました…。」
「それは…きついわね…。」
流石に奥原も引き攣った顔だった。
「でも利点無いの?」
「それが、時間の概念の導入で利点もあるのですが、モンスターが時間を厳守するようになること。あとは軍隊的行動ができるようになる。後がダンジョン改装に予約が入れられる・・・ですかね…。」
「凄くないか?」
ダンジョン内のソウルレベル1であろうが時間を厳守できるのはかなり大きいと流石に飯野も思った。
「それは大量に駒がそろう後半なら強いと思います。予約を入れたダンジョン改装はそこに侵入者がいても実行されますからかなり強いはずです。資材が大量にあるなら。」
「…分かる。私も恋のダンジョンマスターで、人間と付き合いがいいからって…山の中に一人で…人一人いないから。」
「苦労したんですね、わかります。」
ぎゅっとお互い、抱き合うまでになっていた。
「でもなんで、時なんて選んだのよ。」
「ああ、それは時空魔法とか…。時間系の魔法が強そうじゃないですか。でも実際は違って…で階段の話を聞いて近くの大手ダンマスの魔人連合に加盟…従属することにして今があるんです。」
「…大変よね、弱小は…。」
「でも社長?」
「ああ。社長は、私の元々上司で会社の取締役なんです。今回も取分で取ってこいという話で、こちらに。」
「元々って何よ?」」
「私は元々異世界に来る前に会社でまあ…弟分の会社の設立祝いに向かうついでに社長の娘さんと家族両行の付き添いをしたんです。で、帰りの飛行機で落下して…。」
「それは…私も家族両行の帰りに落ちて…。」
「ん?それは本当か?」」
飯野もさすがに食い継いだようだ。
「どうしたのよ?」
「いや…。勇者SNSでは今回異世界召喚されたのは全員ある飛行機の被害者じゃないのか?という話があったんだ。」
馬車一つ分が先ほどの村からの道具や特産品などで埋まっている、お古の鎧やら武器。古い農具から特産品の”綿”まで。
「種もみも貰っただよ。」
いくつかの植物の種。これがダンマスには一番価値がある。
「ふむ、儲かるな…。」
ダンマスにとってこう言う”ぼろ”であっても内部で職人を抱え、修復し最悪DP変換から再構成を経て修復できるので、こういうリサイクルだけでも十分な儲けが期待できる。少ないDPで宝箱の中身の補充や付与魔法の安い素体による練習台の確保等いろんな使い道がある。言い職人性のアイテムをスキャニング後に、DP量産出来る事もあり、商売はダンマスにとって重要なファクターとなる。なお人間を滅ぼすのは3流というのが、現在のダンマスの風潮だ。こういう商売のお得意先を潰せば、いいアイテムが入らない。ダンジョンのお宝を安く、そして誘因の餌となるものを開発できる人間は紛れもなく美味しい。そして、魔王軍のスタイルが広まっていこう。こういう人間を擁護するタイプと、侵略するタイプその2派閥ができつつあった。
「とりあえず、取分あります?」
戦闘馬車の中は今回、黒川お付きの秘書の人が乗っていた。後は飯野も乗って、価値の見分を行っていた。
「…あ、」
「何でしょうか?」
「あなた、ダンマスよね、」
奥原がじっと秘書を見つめる。
「分かるのか?」
「鑑定は一応持ってるからね。しない礼儀もあるけど、一応…。」
「私もダンマスの末席に位置する…改めて魔王国秘書室長にして…時のダンジョンマスター。”飯場崎しおり”と申します。」
「あら、礼儀正しいのね。私は千鳥万花の愛のダンジョンマスター。奥原よ、よろしく。」
奥原が差し出す手を飯場崎が握り返す。
「それは?}
飯野が一人。意味不明な顔をしている。
「これ、ダンマスの正式なあいさつらしいわよ。ダンジョンの特徴を伝える事で。相手に礼儀を見せるって奴。」
「ですね。魔王国でも。正式に場に出て式典を行う際は必ず名乗りに自分のファクターを入れますね。これを名乗らないダンジョンマスターは礼儀知らずか、初心者に見られます。」
「でもすごいわね。時でしょ?」
「それが…それが…。」
飯場崎は恥ずかしそうに俯く。
「なんなのよ?」
「それが原因で、私…魔王国に来たんです。」
「え?」
「それが…時のダンジョンマスターのボーナスが”何かが半額”ではなく”時の概念を導入する”という言葉だったので。全部2倍になっちゃいまして…最初から金欠で…。」
「分かる。私も非常に苦労した。」
「そう?」
「ダンマスのコスト2倍固定って…。相当きついのよ。値引きされた物がない上にガチャを引いても取り出すのにそのものの同額DPが欲しいから、まともな防衛や攻撃はできないわ。」
「はい…最初は私と、エルフチャイルドがドアの裏で棍棒持って待ち構えて二人で冒険者撃退して生きてました…。」
「それは…きついわね…。」
流石に奥原も引き攣った顔だった。
「でも利点無いの?」
「それが、時間の概念の導入で利点もあるのですが、モンスターが時間を厳守するようになること。あとは軍隊的行動ができるようになる。後がダンジョン改装に予約が入れられる・・・ですかね…。」
「凄くないか?」
ダンジョン内のソウルレベル1であろうが時間を厳守できるのはかなり大きいと流石に飯野も思った。
「それは大量に駒がそろう後半なら強いと思います。予約を入れたダンジョン改装はそこに侵入者がいても実行されますからかなり強いはずです。資材が大量にあるなら。」
「…分かる。私も恋のダンジョンマスターで、人間と付き合いがいいからって…山の中に一人で…人一人いないから。」
「苦労したんですね、わかります。」
ぎゅっとお互い、抱き合うまでになっていた。
「でもなんで、時なんて選んだのよ。」
「ああ、それは時空魔法とか…。時間系の魔法が強そうじゃないですか。でも実際は違って…で階段の話を聞いて近くの大手ダンマスの魔人連合に加盟…従属することにして今があるんです。」
「…大変よね、弱小は…。」
「でも社長?」
「ああ。社長は、私の元々上司で会社の取締役なんです。今回も取分で取ってこいという話で、こちらに。」
「元々って何よ?」」
「私は元々異世界に来る前に会社でまあ…弟分の会社の設立祝いに向かうついでに社長の娘さんと家族両行の付き添いをしたんです。で、帰りの飛行機で落下して…。」
「それは…私も家族両行の帰りに落ちて…。」
「ん?それは本当か?」」
飯野もさすがに食い継いだようだ。
「どうしたのよ?」
「いや…。勇者SNSでは今回異世界召喚されたのは全員ある飛行機の被害者じゃないのか?という話があったんだ。」
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる