魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
上 下
317 / 1,319
第9章 よそのダンマス求めて300里

第316話 中堅企業には全く旨味のなさそうな依頼を旨味にできる達人が欲しいです。

しおりを挟む
「なんでだわさ!」
「断る理由はない。」
「だから何でだわさ!」
 断って欲しかったのだろうが、あえて受けた。
「あれは実は悪い話ではない。」
「は!?}
 いや、その顔イラっと来るな…。
「まず、相手の土地の位置が分かる。これが大きい。後…。」
「何だわさ‗」
「向こうの知性レポートが欲しい。どうせ探索で、長い距離を細かく探りつつ移動しないといけない。端の一国程度では…しかもへき地だ。大方向こうにスパイを送り込む必要もある。」
「で?」
 語尾がなくなるほどイラついているな。
「そのスパイを連中の物だとして、擦り付けれる。私たちは脅された。って事だ。それに南部は”月下の庭園”がある。あそこは急拡大中だ。できれば情報を取ってどういう手立てで広がったのか…。確認したい。場合によっては連中がいろいろ仕掛けてくる可能性がある、」
 この群雄割拠の中、急成長しているのが”月下の庭園”と呼ばれるダンマス同盟だ。しかも結構同盟に入るアナウンス数も多く、募集も大々的な”半亜人同盟”の急先鋒だ。
「確かに…だわさ。」
「それがこちらの大陸に来るかもしれん。そうなると、あいつらの領域への偵察が欲しい。これを支援して、月下の庭園にくさびを打ちたい、」
 が、急拡大する勢力というのは…エテして暴走する。イキリ若社長の暴走って奴だ。変に拡大すれば、このまま…戦争になるかもしれん。亜人同盟は大方最終兵器として勇者や”魔王”を投入するだろう。そうなったら…。本当に亜人同盟包囲網の作成しないといけない。今は連中は融和だ。だが、与する必要なしと思えば…敵対もありうる。そして、あのヨミの実力の魔王。勇者より上の”ハイエルフ”まだ連中のSNSに無い隠し玉は多い、そうなれば…。連中の方針が”支配”やこっちの”絶滅”に傾きかねない。
「そんな怖いだわさ。月下の庭園?」
「怖くはないかもしれんが…。亜人の今の融和方針を転換されたら最後。ネル含め、あの…攻撃がこっちに来るぞ?」
 実際見てわかる魔王軍元トップ”ネル”の実力。南も大方かなり上だ。それが動き出したら最後、こっちは蹂躙されるだけだろう。
「下手な刺激は禁物…だわさ?」
「そうみている。それに連中はダンマスを潰してきた実績もある。手を下すに躊躇は住まい。亜人同盟に入った連中も、決して…方針には逆らえないだろうよ。」
「客の意味で今はやばい…という事だわさ?」
「そうだ。そこに来たあいつが、矢面に立って、月下の足を引っ張ることができるなら。私たちは第3者を振舞いつつ手を出せる、チャンスだと思うがな。」
 今は大方技術や軍隊が連中に追いつくまでは手を出すべきではない。そして連中は大方、そう言う”隠し玉”の存在を知らない。だからあんなことができる。ならどうするか。足を引っ張ることで、自制させ、できれば、力を蓄える方向にスライドさせるべきだろう。
「結構あんたもあくどいだわさ。」
「ただ…そのためには煮詰めないといけないな、交渉を。」
「そうだわさ、うまく双方削ぐだわさ。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...