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第8章 勇者プロデューサーへの道

第299話 よく宿屋は必ず異世界物で出ますが、大抵普通宿で現代風ではありません。

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 一応巨大都市リンシュメルトくらいになると、宿屋も5件ある。うち1件は外来貴族用高級宿。で私達が止まるのは巨大ホテルでホテルリッツを模した10階建ての古い高級宿だが、確か、わざと一般向けでスィートルームを外した”ちょっと高め宿”の設計をした宿屋2だ。店の名前は”天使の王冠”という名前だ。が…。
「凄いな…新しい店がいっぱいある。」
「だわさ。しかも品ぞろえがやたらにいい。」
 門番に説得されて私たちはとりあえず宿屋に来ている、一か月ほど泊まるのか、またはどうなるのか、勇者たちは明日リンシュメルト城に向かい、応募したことを伝えるという私たちは当然リンシュメルトの視察だ。まあ本来はどうなっているのか、用地の隙間はあるのか…。そして変えるものなら資産を購入し、領地の弾みをつけたいが実際この町は”パリ”をメインとした高層アパートと古風溢れる建築をメインとした、バロックアパートで建築された巨大都市だ。やろうと思えば実際…。400万人までならどうにか収容できるだけの施設料がある、そしてこのホテルの一部は”他の建物より高く”設計されている。なのでこの建物にした、眼下に広がる高層建築はこの世界の常識からすると巨大建築だが、遠くには多くの店店が並び、教会含め、日本の○○村という感じが似合う偽物建築だ。私はどちらかというとコンクリート日本城は木の匂いとかちゃんと苦慮すればいいという考えなので、これらには賛成だ。そして・・・叩いてみるとその設計通りの作りとなっている。
「入るか、気合が入るな。」
「分かってるだわさ?」
「俺はこの空気、苦手だぜ。」 
 分からないでもない、所々に天使の模様が描かれ…魔素を拒絶するような何かを感じる。
「それも含め調査だ。」
 宿屋は広いロビーであり…。かなり広いな。向こうを見るとレストランの名前が書かれ、この辺は日本の高級ホテルと変わらない。むしろ日本とかのホテルと同じ物だ。つくづくこのホテルは、自分の設計した”高級宿屋1”に近い。よく宿屋というと、一階が酒場、2階以降が宿屋というイメージだが本来は飯を食うだけが多かった。で
当然飲み過ぎると動くことも出来ないので、金取って泊めたりする方が多いが、基本は今の民宿みたいに寝るほうが大きく、食事併設はしていたものの規模はまちまちだった。高級だとこうして、喧噪対策で壁を隔てる方が多かった。ついでに基本貴族は部屋に食事を運ぶため厨房はあっても食事処がないことが多い、レストランもそう言うお客さんがこない日の為に暇つぶしで置いてあることが多い、その為ホテル用の食事の基本と高級レストランの食事の基本が違う事が多い、主に最大人数の差だ。ん?
『井原様。この都市の建築についてあなたの”都市設計”を参考にさせてもらいましたが。設計の区画割りは施工主の為できれば、他言無用で。 -ハーリス。』
 メールだ。感謝してます。というか、監視網に引っかかった…。でも著作権とか関係ない。こうして私の建物があるというだけで十分満足なのだ。ただ、できればこの天使のレリーフの多さがちょっと痛いか…。店の中に入っていく。
「すまない、6名で」
「…かしこまりました。但し前金で宿泊費のお支払お願いします。一泊一部屋銀貨35枚で。部屋割りはいかがしましょう。」
「全員個室でいいだわさ?」
「では何泊しますか?」
 結構真摯だな、フロント。教育ができてる。
「とりあえず一か月で、いいだわさ?」
「ああ、私たち3人分をこれで。一か月。」
 飯野が出てくるとカードを差し出す…。が、フロントは眉一つ動かさない。ほう?
「後の方は?」
「あまり、恩を着せるのもまずいだろう、私たちはとりあえず一週間で。」
「了解しました。清掃のため、朝9時から夕方の15時までの間。係員がお伺いに参ります。ご了承ください。また、期間中はこちらをお受け取りいただければ、一食分サービスいたします。レストランは”ビュッフェスタイル”で90分か、2階のラウンジで一食分サービスさせていただきますが。規定以外のサービスは全て有料となります。
ご了承ください。」
「…宿帳とかはないの?」
「このカードの売買履歴が保存され、後はこちらで管理します。」
 現代社会よりこういうところは、管理社会だな。
「ふと思ったんだがよ?無い場合どうするんだ?」
「その時も前金となりますので、払っていただき、宿泊者のお名前をいただきます。それに賛同いただかねば、宿泊をお断りいたします。」
「どうして聞くんだ?」
「この国の法律により、もしこの宿で犯罪が起きた時、その居場所を通報する義務があります。」
 実際ダンマスになり、監視体制を築くとわかるが、鑑定機能がない場合、対象を指定しての検索はできない。監視カメラはコアの機能でどうにかなっても相手が何なのか分からないのだ。そうなると、こうした姓名を記載させたり、ギルドカードでの確認は十分とした”犯罪抑止力”になる。外見は名前と一日だけ一致させればいいし、
場合によっては様々な好みとかを書くとかして、常連に対する情報を徹底させるのだ。こういう意味でも管理が厳しいな。私たちの所だと、鑑定を行い管理している、但し専用ダミーコアに作業させている、そうでないとサンテの作業が制御できないほど累積するからだ。
「分かった。じゃあ…。」
「階段上がりまして、307から313までとなります、」

 案内された個室はビジネスホテル並みである、ちょっと大きい部屋にベットそしてコンクリートの壁、一見建築意匠が中世でない場合は現代ホテルと勘違いしそうな部屋だ。がベットに…。布が付いている、質は…な…これはもしかしてホテルのシーツか…という事…いや工業製品は…思い出召喚以外ないはず。という事はこのベットとシーツ枕は全て思い出召喚の現代製か。かなり豪華なをフリしているがよく考えてみたら、生活魔法の”清浄”の魔法があるなら高級品を展開して置けばいつでもリネンサービスがいらない。かなりサービスが行き届いているな。後明りが…これも…手で触れて見ると、配線があり、熱がない明りだ。魔力は流れている、という事は魔道具だが…かダンジョン製か凄いな、ここまで徹底するか。という事は頼めばダンジョンシステムで食事の配達も可能だ。但し”誰も見ていない空間”があればという事だが。ただ、これはこのギルドカードのショップ機能もある、と考えると、やろうと思えば、そう言う生活も可能だ。こうしてみると、まだ学ぶところが多いな。ん、メールか。
『そっちに行くだわさ、』
 よく見るとか…風呂場も付いている、簡易的に入浴も可能だ…。そして、よく見ると、配達ボックスと洗浄ボックス、書かれた箱がある、これは設計していない、確かにこういう機能があれば服や下着を入れて、クリーンすれば風呂に入っている間便利だ。但し現代と違う点としては、フロントに連絡する”電話”がない事だ、設計にも”伝声菅”を入れていない。あれがあると空洞の音がして眠れないないからだ。それにギルドカードがある時はこれ経由で連絡が付く、これでいい。よく見ると…うわ…”美少年通信”が置いてある、後リンシュメルト観光案内か。美少年通院は今はこの亜人同盟のトップである”南”の販売している雑誌だ。特にショタスキーには人気で読者コーナーも豊富だ。ついでに○○比較とかの記事もあり、意外と読み応えのある雑誌だ。但しこれ…よく見るとダンマス関連の記事がない。という事は、置いてある商品は”冒険者向け”か…。よく見ると季刊誌になっている、本来は月刊誌だ。そしてこれ…。第一号だ。ふむ、凄いな…。必死だな。
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