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第7章 魔界慰安旅行一泊二日
第283話 教授の章 スタンピード
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「ふむ、確かに勉強になった、感謝する。」
「良いって事だ。完コピされていたって、言うだけでもこっちは報告の価値がある、が、ゴブリンにオークか…。」
ジャンたちは商人用の宿に戻り、もう一泊していた。一応すぐに出ることも考えたがそこまで急ぐ旅でないのと…。疲れもあって、休憩することにしたのだ。
「それに入り口に管理者はいないのか?」
「どういう事だ?」
「私の所の大陸の後任ダンジョンは念のため、不審者取り締まりで必ずダンジョンに門番を置くんだ。」
「うちらだと建物で囲った上に受け付け作ったな。で、しかも集落作らせるのはまずいうえにあれは劣化コピーだな。」
「そうなのか?」
「うちの所だと、フィールドで迷子になるやつが必ず出る、だからそのために出入り口には”宿屋”を設置して、肉とかの解体場を作るんだ。」
「ほう?」
「そこで捌いてもらって、DPとかを一部でもダンジョン内で還元させる。革とか骨でも十分DPのたしになるって言って捨ててもらうんだ。そう言う工夫がない。」
教授は夜食の冒険者セットを取り出すと全員分配っていた。今日は”焼き鮭と生姜焼き定食”だ
「そう言う物か…スタンピードも自分から出してしまうと、ギルドから”敵性ダンマス”として指定されるからな。」
「そう言う物か?」
「スタンピード稼ぎが流行った…と聞いていた頃に大量に国家に向けスタンピードが起きた。その為に私もいくつも駆り出されてね。その為、ギルドでの決定で
スタンピードを起こし、街を襲撃したダンマスは”敵性”として攻撃対象にした。」
「そう言う物か?」
スタンピード稼ぎは、一時期流行ったかなり有名なDP稼ぎ方法だ。当然試みるものも多いはずだ。
「というよりも、その頃は金欲しさに勇者が結構スタンピードを狙ってダンマスをあおり、罵倒して帰ってくる話が多くてね。」
「そういう事もあるのか?」
「で、討伐を引き出し、スタンピードを起こさせて、実績を多く稼ぐ、”逆スタンピード法”というものがあった。これが発覚したのは相当後期だが…その為多くのタンマスが…いや…すまないな…。」
「人の欲は勇者もダンマスもか…。」
ジャンは手に持ったパンを今日の汁物であるコーンポタージュスープに付け、柔らかくしていた。
「まあな…。どれがいい、悪いとも言わない。が結果多くのダンマスと、多くの勇者を失った。」
「あんた…。」
「いい悪いとは言わない。が、自分はこうして生きているだけでも…。辛いこともあるさ、あくどいマスターもいるから、討伐には否定しない。が悪に染まる勇者も多い。」
「ここのダンマスはどうだった?」
「どうであれ、理知的な判断ができるならいい。と思っただけだ。良いでも悪いでもないな…ただ、暴走が起きるかもしれないダンジョンというのはラノベでは普通でも管理者がいると考えると、不手際に見えてしかたない。とは思ったが。私の常識から離れていたのでね。」
紳士的に答えつつ、教授はカップに入ったコーンポタージュスープをすする。
コンコン。
「ん?何者だ?」
「失礼する、ここにジャン殿がいると聞いてきた。」
「入ってくれ。」
扉を開け、入ってきたのは御剣の姿だった。
「どうした?」
「お前たち何をやった?」
「いや、すぐ引換したぞ?湿地帯に入ってな。」
「どうも住まわせていたゴブリンたちとオークたちが暴走してなぜかダンジョン出口に突進している、それだけじゃない、一緒になぜか…ボアたちも一緒だ。今まで一回も
連中が組んだことが無いにもかかわらずだ!」
「…。」
二人は顔を見合わせるが記憶はない。
「で、どうして欲しいというのだ?クックック。」
教授が不敵な笑みを浮かべる、
「どういう意味だ?」
「倒して欲しいのか?それとも去って欲しいのか?」
「…お前たちが何かしたってわけではないのか?」
「コアがあるなら、前後の画像は出せるはず。そこで何かした形跡があるなら…。分かるはずだが?」
「少し待ってろ!」
足早に御剣は去っていき、部屋には二人がそのまま残されてしまった。
「普通の冒険者ならここで、スタンピードつぶしに参加するところだな。」
「どういう意味だ?」
「こいつに討伐記録が残る、それで資金が補充される。だからこそ餌になる。近くで死ねばね。但し…。こういうギルドに関係ないスタンピードか…。」
素早く教授はコーンポタージュスープを飲み込み、おにぎりを掻き込む。
「足りなきゃ行くが、そうでないなら行きたくないぞ、今日は特にだるい。」
「確かに形跡はない…。ただ…。」
帰ってきた御剣の顔はくしゃくしゃに皺が寄っていた。
「なら君たちの手で処分すべきだ。それとも部外者が恥をまく方がいいかね?」
「ぐ…。」
そう言うと、足早に宿を去っていった。
「仕方ない。このまま宿を出るぞ。」
「…いいのか?」
「大方ダンマスがここまで来たんだ。睨まれる、なら早々に立ち去った方がいい。」
「確かに、そうするか…でもいいのか?協力しても…。」
「言っては悪いが、我々が瞬殺する方が…せめてDP改修の観点から言えば打撃を与える、そこまで気が付かない場合もあるが。だから聞いたのだよ。わざとね。」
「良いって事だ。完コピされていたって、言うだけでもこっちは報告の価値がある、が、ゴブリンにオークか…。」
ジャンたちは商人用の宿に戻り、もう一泊していた。一応すぐに出ることも考えたがそこまで急ぐ旅でないのと…。疲れもあって、休憩することにしたのだ。
「それに入り口に管理者はいないのか?」
「どういう事だ?」
「私の所の大陸の後任ダンジョンは念のため、不審者取り締まりで必ずダンジョンに門番を置くんだ。」
「うちらだと建物で囲った上に受け付け作ったな。で、しかも集落作らせるのはまずいうえにあれは劣化コピーだな。」
「そうなのか?」
「うちの所だと、フィールドで迷子になるやつが必ず出る、だからそのために出入り口には”宿屋”を設置して、肉とかの解体場を作るんだ。」
「ほう?」
「そこで捌いてもらって、DPとかを一部でもダンジョン内で還元させる。革とか骨でも十分DPのたしになるって言って捨ててもらうんだ。そう言う工夫がない。」
教授は夜食の冒険者セットを取り出すと全員分配っていた。今日は”焼き鮭と生姜焼き定食”だ
「そう言う物か…スタンピードも自分から出してしまうと、ギルドから”敵性ダンマス”として指定されるからな。」
「そう言う物か?」
「スタンピード稼ぎが流行った…と聞いていた頃に大量に国家に向けスタンピードが起きた。その為に私もいくつも駆り出されてね。その為、ギルドでの決定で
スタンピードを起こし、街を襲撃したダンマスは”敵性”として攻撃対象にした。」
「そう言う物か?」
スタンピード稼ぎは、一時期流行ったかなり有名なDP稼ぎ方法だ。当然試みるものも多いはずだ。
「というよりも、その頃は金欲しさに勇者が結構スタンピードを狙ってダンマスをあおり、罵倒して帰ってくる話が多くてね。」
「そういう事もあるのか?」
「で、討伐を引き出し、スタンピードを起こさせて、実績を多く稼ぐ、”逆スタンピード法”というものがあった。これが発覚したのは相当後期だが…その為多くのタンマスが…いや…すまないな…。」
「人の欲は勇者もダンマスもか…。」
ジャンは手に持ったパンを今日の汁物であるコーンポタージュスープに付け、柔らかくしていた。
「まあな…。どれがいい、悪いとも言わない。が結果多くのダンマスと、多くの勇者を失った。」
「あんた…。」
「いい悪いとは言わない。が、自分はこうして生きているだけでも…。辛いこともあるさ、あくどいマスターもいるから、討伐には否定しない。が悪に染まる勇者も多い。」
「ここのダンマスはどうだった?」
「どうであれ、理知的な判断ができるならいい。と思っただけだ。良いでも悪いでもないな…ただ、暴走が起きるかもしれないダンジョンというのはラノベでは普通でも管理者がいると考えると、不手際に見えてしかたない。とは思ったが。私の常識から離れていたのでね。」
紳士的に答えつつ、教授はカップに入ったコーンポタージュスープをすする。
コンコン。
「ん?何者だ?」
「失礼する、ここにジャン殿がいると聞いてきた。」
「入ってくれ。」
扉を開け、入ってきたのは御剣の姿だった。
「どうした?」
「お前たち何をやった?」
「いや、すぐ引換したぞ?湿地帯に入ってな。」
「どうも住まわせていたゴブリンたちとオークたちが暴走してなぜかダンジョン出口に突進している、それだけじゃない、一緒になぜか…ボアたちも一緒だ。今まで一回も
連中が組んだことが無いにもかかわらずだ!」
「…。」
二人は顔を見合わせるが記憶はない。
「で、どうして欲しいというのだ?クックック。」
教授が不敵な笑みを浮かべる、
「どういう意味だ?」
「倒して欲しいのか?それとも去って欲しいのか?」
「…お前たちが何かしたってわけではないのか?」
「コアがあるなら、前後の画像は出せるはず。そこで何かした形跡があるなら…。分かるはずだが?」
「少し待ってろ!」
足早に御剣は去っていき、部屋には二人がそのまま残されてしまった。
「普通の冒険者ならここで、スタンピードつぶしに参加するところだな。」
「どういう意味だ?」
「こいつに討伐記録が残る、それで資金が補充される。だからこそ餌になる。近くで死ねばね。但し…。こういうギルドに関係ないスタンピードか…。」
素早く教授はコーンポタージュスープを飲み込み、おにぎりを掻き込む。
「足りなきゃ行くが、そうでないなら行きたくないぞ、今日は特にだるい。」
「確かに形跡はない…。ただ…。」
帰ってきた御剣の顔はくしゃくしゃに皺が寄っていた。
「なら君たちの手で処分すべきだ。それとも部外者が恥をまく方がいいかね?」
「ぐ…。」
そう言うと、足早に宿を去っていった。
「仕方ない。このまま宿を出るぞ。」
「…いいのか?」
「大方ダンマスがここまで来たんだ。睨まれる、なら早々に立ち去った方がいい。」
「確かに、そうするか…でもいいのか?協力しても…。」
「言っては悪いが、我々が瞬殺する方が…せめてDP改修の観点から言えば打撃を与える、そこまで気が付かない場合もあるが。だから聞いたのだよ。わざとね。」
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