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第7章 魔界慰安旅行一泊二日
第282話 教授の章 フィールドダンジョン
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普通の感じで歩き、全員が扉を抜けた先は…湿地帯だった。
「水が多いな…。」
「フィールドかね?」
「だと思う、と言っても疑似らしいけどな。ダンジョンに環境整備させて、で、床は土を張ってそれっぽく見せてるだけって奴だが、ちょっと暗いな。」
「そう言う物かね?私が知っているダンジョンでそれをやっているダンジョンは無くてね。」
「ああ、フィールドダンジョン用ルームは高いんだ。数百万とかそう言う奴でね。」
「ほう?」
「で、この植物も全部スポナーで出して、本物を使うらしい、で、それで環境を整えて…で、動物とかを放つ、これが食肉ダンジョンって奴だな。でもまあ…」
「ホッホッホ、ここまで完コピだと、むしろすがすがしいのぉ」
「どういう意味だ?」
教授はしゃがみ込むとダークマターでスコップを作り、土を掘りだしていた。
「ああ、うちにあるやつと構成がまんまなんだよ。で、この広さが大体…数十キロある、」
「広いな。」
「ああ、広い、広い分探しにくいし、その分防衛になる、しかも動物をいくら放し飼いにしても植物分の消耗でいいから、このフロアがある限りDPも内部生産出来る。これが売りだ。」
教授は今度は木に近寄り木の葉を一枚採取すると、そのままダークボックスに収めた。
「確かに面白いな…。そしてここで動物を狩り…。」
「そうだ、マスターからしたら、スポナーで肉を出して、食料を支え、その分を前のダンジョンの緊張感や疲労で稼ぐって事だ。そうすることマスターはDPをそして住民は肉を手に入れる、貴重品の肉だからな。当然ここにきて狩って、戻れば英雄って事さ。」
「ホッホッホ。確かに、このエリアは湿地だが…いるのはどうもパークボアだのぉ。」
「ふむ、ではこれで見学は終わりのようだな。これ以上進めば大方どう戦闘しても狩りに来た人間にも悪い。」
「そうだな…。」
「ではブラック。頼んだ。」
「…どうぞ。」
そう言うと、教授は影の中に消えていった。
「ん?どういう事だ?」
「ん?…ああ、私の影残を入口に置いてきた。で影回廊展開してあるから、ここを通れば帰れる、」
「大丈夫だろうな?」
ジャンがゴーレムに指示して地面に卸してもらうと、ゴーレムは形を崩し、土に帰っていった。
「ああ、大丈夫。影回廊には”生物が通る際に入った生き物を不利なまま外に出せない”という規則がある、だから…。」
「出れるのか?」
「…影回廊の効果はそうなる、後は信用だけ。私は通るまで待つ。それだけ。」
「分かった、行こう。」
オウル達が影の中に入ると、確かに一か所光があった。そこに意識を向けた瞬間、外にいた。
「ふむ…。」
「これは?」
ジャンが周囲を見渡すと、そこはダンジョンの入り口だった。
「ああ、闇魔法LV9の効果でね。自分以外の生物を影の世界内に入れる事ができる、これによりこうやって影の一部をダンジョンに貼り付ければ帰ってこられる、」
「酸素は?」
「無いぞ、但し今まで明けた箇所から酸素を取り込むことで、酸素をダークボックスに入れ、内部にいる人間に出すことができる。」
「ほぼ暗殺用じゃねーか!」
「対抗策として内部で防御魔法を張ったりすれば当然酸素がある状態の作成が可能なうえに影内部は全部”本体”扱いだ。魔法をどの位置に当てても当たる。」
「…諸刃の刃か。」
「そうなる。だからこそ。レベル9認定だと思うぞ。これにより影を残して移動すればそこが、転移門と一緒になる。但し…。」
「但し?」
「睡眠すると、維持できなくなり消える、だから限界もある、それにダンジョン間は”異世界”扱いだから、入ると、ダンジョン外に影残は維持できない。だから外には出られない。限界は入口だ。」
「そうなんだ。」
「…きょうは特別。」
ブラックが影から出てくると、そのまま影に潜り直した。それを確認すると、教授はゆったりと、外に出た。が、そこには…数人の、いや、かなり多い数の魔族たちがいた。
「貴様らは?」
「ああ、今現在、ダンジョンは封鎖している、どうもスタンピードが起きたと通報があった。」
「ん?ダンジョンでスタンピード?」
二人は外に出ると、終端たちを見渡した。
「どういう意味だ?」
「このダンジョンはスポナーで形成されたダンジョンだが、どうも中にある”ゴブリン集落”と”オーク集落”で魔族の殺人事件があったようでどうもこっち側に向かっているという話だ。」
「そんな事あるのか?」
「食肉と同時に魔王国のダンジョンは常にいくつかのゴブリンやオークを内部に住まわせている。がどうも、その連中が暴走したみたいで死体となった…あんたらじゃないだろうな?」
魔族の兵士たちは睨んでは来るが…そこまでのようだった。
「いいや、違う。第一ヒュージを超えた直後には撤退したぞ。」
「その位は実力があるのか、君たちは。」
「クックック、意外と理知的で驚いている、」
「それは、褒められたと思っておく、こういうのは時々起こるんだ。」
「こういう事は起こるのか?」
「…うちではまず管理官置くから起きん。ただ、争わせた方が最終的にはDPは儲かる、だから中立のまま放置することはある、だな?」
ジャンが入り口から奥を睨むがそこからくるのは静寂だけだった。
「ホッホッホ、基本獣で上がれないとか工夫してるからのぉ。がここはしておらなんだようだのぉ。」
「そういう事だ。まあここはしばらく閉鎖して、そこから討伐部隊を派遣する。訓練も兼ねてな。お前たちは出て行け。」
「そうさせてもらうか、」
「そうさせてもらおう。」
二人の少年と一羽のフクロウのダンジョン冒険はこうして終わった。
「水が多いな…。」
「フィールドかね?」
「だと思う、と言っても疑似らしいけどな。ダンジョンに環境整備させて、で、床は土を張ってそれっぽく見せてるだけって奴だが、ちょっと暗いな。」
「そう言う物かね?私が知っているダンジョンでそれをやっているダンジョンは無くてね。」
「ああ、フィールドダンジョン用ルームは高いんだ。数百万とかそう言う奴でね。」
「ほう?」
「で、この植物も全部スポナーで出して、本物を使うらしい、で、それで環境を整えて…で、動物とかを放つ、これが食肉ダンジョンって奴だな。でもまあ…」
「ホッホッホ、ここまで完コピだと、むしろすがすがしいのぉ」
「どういう意味だ?」
教授はしゃがみ込むとダークマターでスコップを作り、土を掘りだしていた。
「ああ、うちにあるやつと構成がまんまなんだよ。で、この広さが大体…数十キロある、」
「広いな。」
「ああ、広い、広い分探しにくいし、その分防衛になる、しかも動物をいくら放し飼いにしても植物分の消耗でいいから、このフロアがある限りDPも内部生産出来る。これが売りだ。」
教授は今度は木に近寄り木の葉を一枚採取すると、そのままダークボックスに収めた。
「確かに面白いな…。そしてここで動物を狩り…。」
「そうだ、マスターからしたら、スポナーで肉を出して、食料を支え、その分を前のダンジョンの緊張感や疲労で稼ぐって事だ。そうすることマスターはDPをそして住民は肉を手に入れる、貴重品の肉だからな。当然ここにきて狩って、戻れば英雄って事さ。」
「ホッホッホ。確かに、このエリアは湿地だが…いるのはどうもパークボアだのぉ。」
「ふむ、ではこれで見学は終わりのようだな。これ以上進めば大方どう戦闘しても狩りに来た人間にも悪い。」
「そうだな…。」
「ではブラック。頼んだ。」
「…どうぞ。」
そう言うと、教授は影の中に消えていった。
「ん?どういう事だ?」
「ん?…ああ、私の影残を入口に置いてきた。で影回廊展開してあるから、ここを通れば帰れる、」
「大丈夫だろうな?」
ジャンがゴーレムに指示して地面に卸してもらうと、ゴーレムは形を崩し、土に帰っていった。
「ああ、大丈夫。影回廊には”生物が通る際に入った生き物を不利なまま外に出せない”という規則がある、だから…。」
「出れるのか?」
「…影回廊の効果はそうなる、後は信用だけ。私は通るまで待つ。それだけ。」
「分かった、行こう。」
オウル達が影の中に入ると、確かに一か所光があった。そこに意識を向けた瞬間、外にいた。
「ふむ…。」
「これは?」
ジャンが周囲を見渡すと、そこはダンジョンの入り口だった。
「ああ、闇魔法LV9の効果でね。自分以外の生物を影の世界内に入れる事ができる、これによりこうやって影の一部をダンジョンに貼り付ければ帰ってこられる、」
「酸素は?」
「無いぞ、但し今まで明けた箇所から酸素を取り込むことで、酸素をダークボックスに入れ、内部にいる人間に出すことができる。」
「ほぼ暗殺用じゃねーか!」
「対抗策として内部で防御魔法を張ったりすれば当然酸素がある状態の作成が可能なうえに影内部は全部”本体”扱いだ。魔法をどの位置に当てても当たる。」
「…諸刃の刃か。」
「そうなる。だからこそ。レベル9認定だと思うぞ。これにより影を残して移動すればそこが、転移門と一緒になる。但し…。」
「但し?」
「睡眠すると、維持できなくなり消える、だから限界もある、それにダンジョン間は”異世界”扱いだから、入ると、ダンジョン外に影残は維持できない。だから外には出られない。限界は入口だ。」
「そうなんだ。」
「…きょうは特別。」
ブラックが影から出てくると、そのまま影に潜り直した。それを確認すると、教授はゆったりと、外に出た。が、そこには…数人の、いや、かなり多い数の魔族たちがいた。
「貴様らは?」
「ああ、今現在、ダンジョンは封鎖している、どうもスタンピードが起きたと通報があった。」
「ん?ダンジョンでスタンピード?」
二人は外に出ると、終端たちを見渡した。
「どういう意味だ?」
「このダンジョンはスポナーで形成されたダンジョンだが、どうも中にある”ゴブリン集落”と”オーク集落”で魔族の殺人事件があったようでどうもこっち側に向かっているという話だ。」
「そんな事あるのか?」
「食肉と同時に魔王国のダンジョンは常にいくつかのゴブリンやオークを内部に住まわせている。がどうも、その連中が暴走したみたいで死体となった…あんたらじゃないだろうな?」
魔族の兵士たちは睨んでは来るが…そこまでのようだった。
「いいや、違う。第一ヒュージを超えた直後には撤退したぞ。」
「その位は実力があるのか、君たちは。」
「クックック、意外と理知的で驚いている、」
「それは、褒められたと思っておく、こういうのは時々起こるんだ。」
「こういう事は起こるのか?」
「…うちではまず管理官置くから起きん。ただ、争わせた方が最終的にはDPは儲かる、だから中立のまま放置することはある、だな?」
ジャンが入り口から奥を睨むがそこからくるのは静寂だけだった。
「ホッホッホ、基本獣で上がれないとか工夫してるからのぉ。がここはしておらなんだようだのぉ。」
「そういう事だ。まあここはしばらく閉鎖して、そこから討伐部隊を派遣する。訓練も兼ねてな。お前たちは出て行け。」
「そうさせてもらうか、」
「そうさせてもらおう。」
二人の少年と一羽のフクロウのダンジョン冒険はこうして終わった。
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