魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第７章 魔界慰安旅行一泊二日

第２６９話 経験の有無の差は常に、性能を上回る。

　私たち3人が身構える、そう言えば…ミヨちゃんも数万だがこういう模擬戦闘はしていない。いや、実際の戦闘もない、そしてヨミはずっと銃を構えた…！私は一気に散開して前に飛び出す！
「ほう？」
　一瞬自分の影が揺らぎせり上がるのを確認した。銃は囮か！シャドウタッチとは…。そして、フェルミィはさかい後、理解した様に影に潜る。そして”ストック”に入った。
その頭の上を黒い指が通過する。そう、戦闘が”始まっていない”からこそ機能する初手”シャドウタッチ”だ。
「ミラージェ！」
　こっちも走って距離を詰める、でないと”シャドウタッチの条件”を消せない。
「砕け散れ！」
　ファイアアローがヨミを直撃する。・・・ん？が、こっちに激痛が飛ぶ、…ミラージェか！
「な…に？」
　直撃したミラージェがよろめく。レベル10ファイアアローに匹敵する…闇魔法は…シャドウタッチしかないはず。頭がくらっと来る、がさらに追撃が襲う、

　ずどぉおぉぉん！

　巨大な銃声が下かと思うと…ミラージェが…縦に撃ち抜かれていた。…え？そして、ＨＰとなり…首は消滅していった。一応フェルミィはいるが。
「ふむ…このランクだと、こうなるのか。」
　喰らっていた筈のヨミは何ともなく、そして、銃もそのままあるはずだ。理解できなかった。銃声は”上”からしたぞ？一応回復をミラージェに当てる事で、回復を行う事はできるので、復帰は可能だ。が…。瞬殺だった。しかも理解できない。大方勝てない。全く戦闘が理解できない。ステータスはともかく、スキルはもっと少ないはずだ。
「ステータスを貫通している恐れは？」
「人間に変身しているからかもしれねぇ。いい参考になる。」
　ふざけないでほしい。ステータスを貫通？無効化するのか、その武器は。しかも、全く読めない。相手の位置が。
「もう少し、ステータスに頼らない方がいいぞ、」
「こう見えて建築家、一般人だぞ？」
「あんたのそのステータスが？」
「まあな、実戦はほぼしていない。バトルアニメは苦手でね。」
「そうなのです？」
「ならすまない、止めよう、初心者いたぶる趣味はあたしに無い。」
　ヨミは銃を納めた。確かに魔法とかで初手を取ってどうにかはできるが、戦闘が得意かと言えば苦手だ。
「レベリングのみですか、これも参考になったです、教授の教訓の逆とは、思い知ったです。」
「…教授…。」
　ヤマシロや俊三さんに聞いた”世界最強の存在”勇者:教授”。
「まあ、すまないな、戯れが過ぎた。」
　改めて、頭を下げる。確かにゴブリンの殲滅を行っていた。だから目をつけられていたと言えばそうだ。が、大方戦法の一割も納得できていない。瞬殺だった。
「なのです、少しは訓練したほうがいいのです。」
「私は建築家、設計や開拓のほうが興味がある、」
「そうか…それはすまないな。」
「すまないのです。」
　二人が頭を下げる。素直だな。
「となると、どうする？実績。」
「それはいらないその話が聞ければ、今度来るときに細工をしておこう。私が入金しておく。それよりもその”冥王”というのは何だ？」
　そう、彼女の称号をじっと見ていて思ったのは”冥王”という称号だ。
「あ、これ、ミヤックの奴か？」
「世界承認されたのです？」
「何だそれ？」
　世界承認？
「まあ、神様が理解して面白がると、その称号が成立する”性格系”称号の一つで”二つ名”というものだ。あたしにつくと思わなかった。冥王は魔王の一人だからと大方…種族だ。」
　種族？あ…始祖ゴースト、そして魔王の称号がある。これが…魔王…次元違いすぎだろ。ハーリスさんの同僚というのは魔王なのか？
「あたしにもあるのです？」
「いや、働いてないだろ？あんた。」
　もう一人の女性は・・・エレノア・・・大方”魔王”か？地獄だ、ここは。
「少し休ませてくれると嬉しい、私もくらっと来た。」
　フェルミィをストックに入れておいてよかった。大方、こっちを狙えれば狙ってこっちを即死にできるほど、二人は強い。
「お詫びに奢るです。」