魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第６章 勇者と旅芸人

第２３８話 教授の章 準備

「ギルド員は全てこのギルドカードを持つ、ギルドカードには”討伐カウンター”が設置されている。自分が討伐したモンスターは全てこのカウンターで記録され、そこからカード経由で買い物ができる、」
　そう言うと教授の目の前には弓矢のセットがかなりの数と矢が大量に表れた。
「ここはダンジョンだぞ？」
「可能だ。それがこのギルドカードの力だ、こいつを持って行け。実は8万のギルド報酬の報酬の金貨２４枚が存在している。」
「金貨24枚、死ぬ気の戦闘の報酬としてはどうだ？」
　教授の行き倒れを見ているジャンとしては微妙だった。
「エンカウントに報酬は払うが、無駄に虐殺させるには躊躇わせる金額だそうだ。」
「あ、確かにそうだな。根こそぎ狩りに行かれても困る。」
「ただ、敵が散っていないなら、私が1週間ほど根こそぎ出狩り続けるが…。」
「ついでにあんたにも頼みがある、魔人連合に見つかる前に脱出して欲しい、この国から。最悪あんたを狩りに連中が来る。アラームが鳴るからな。」
「それに関しては大丈夫だ。私はダンジョンのアラームは見切ってある。法則性もな。」
「・・・え？」
　教授は手帳を取り出すと、地図をメモで写しつつ答えた。
「が、かといって見かけをごまかすわけにいかないからな。おおむね君たちの意見には賛成だ。それに君たちには恩義がある、せめて出る方向だけは…。」
「そのつもりだ、俺ができる範囲内であんたには優遇する。」
「分かった。感謝する。
「…いいの？厄介払いだよ？」
　ブラックもこの結論には…納得してないようだ。
「連中の戦争の火種になって、そして、周りが死ぬかもしれん。それにその状態化すればどうなるか知っているだろ？」
　ダンジョンは一度マーキングした相手ならいくら見切ろうが追跡可能だ。見つかっていない現在なら何とかなるが、追跡部隊が出始めればどうなるか…それは自分たちが追跡部隊であったが為によく理解してた。
「…分かってる、最大限の配慮、でも…。」
「じゃあ、掃除だけ頼んでいいか？私はこっちで防衛の手伝いをする。部分憑依でいいだろ？」
「…分かった。行ってくる、見える範囲内でいい？散ったのはどうしようもない。」
「ああ、行って来てくれ。」
　そう言うとブラックは姿を消した。
「すまんな。」
「ほらよ、ＤＰに変えた金貨120枚だ。そいつをどう使おうがかまわないが。敵対だけはしてくれるなよ。」
「分かっている、私も外に行くぞ、」
「ああ、目隠しをかけてこいつを準備でき次第、店に改装する。」

　急に出てきた危機に村人は殺気立ち、いつの間にか石の城壁が積み上がり、そして少女一人が説得している。
「まず村から一週間は出ない事だ。そして！武器防具を後で配布るする、ここから一週間は山場だ。」
　大方、同行の話を聞くに一部ゴブリンが当然飢餓状態なら襲ってくる。その為の備えだ。教授が見て回るとその城壁には当然物見櫓があり、高さも越えにくい７ｍの高さとなっている。
「大丈夫なのかよ！」
「斧オウルさんに生きるすべを教えてもらう、砦もできた！そしてこの村は俺達の家だ！俺達が守る！そうだろうが！他人に任せるのか！」
「そうだ！」
　数人が大声を上げる。ゴーレムが現れ、木箱を置いてく、
「そこにあるのは剣と、後、弓矢だ。後、その布はや若楽丈夫だ！上手く使ってくれ！」
　オウルが声を上げると、村人が殺到して武器を手に取っていく。
「剣と弓が一人一つ。矢は一掴み持って行け、後で数人に矢の作り方を説明する！後武器の使い方はわかるな？」
「まずは7日耐えるんじゃ。その第一波が抑えれれば徐々に収まるはずじゃ。」
　教授からすればそれは淡い期待だった。だが、援助する商会があり、そこから物資が供給される以上、彼らがその不満を爆発させない限り大丈夫だろう。
「こっちは準備完了だ。ほら、どいたどいた。」
　ジャンの声に後ろを向くといつの間にか酒場ができていた。納屋の半分は小さい酒場に、そしてあと半分は2階建ての悩みたいな形状となっていた。
「今回は、ギルドをイメージした”解体場付サルーン”だとよ。但しゴブリンじゃ…。」
　死体が危険とはいえ、死体を持ち運ぶのは危険だ。しかもゴブリンが村を襲ってくるのを防ぐには死体をある程度放置して食料とさせなくてはならない。また、できるならゴブリンの死体だろうが解体場に持ち込んでもらえればＤＰ変換できる。
「無いよりはいいな…。そう言えばもう一体部下は？」
「あいつはあんたの所のブラックと一緒だ、この辺の索敵兼間引きだ。この周辺には12万のゴブリン共がいる、増えたり減ったりしてな。で数日、オウルがここで生きて行けるように指導していく、中に入ってくれ。」
「いらっしゃいませー。」
　中には3人の女性がいた。
「彼女たちは？」
「街道整備用友好シルキーたちだ。今回は”店舗””買取””防衛”専用に念の為、魔法完備で3体出してある。過剰戦力かもしれんが一応な。」