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第6章 勇者と旅芸人

第233話 教授の章 情報交換

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「という言葉武器防具を求めて?で、ドワーフの話を聞いて北上したと、変わったやつだな。酒は飲むか?」
「いや、この体になってから、酒はすぐに二日酔いになる。酒は仕事の跡と、腰痛の薬だ。若いうちはいらん。」
 荷馬車の中で二人は胡座をかき、ジャンの差し出した酒瓶に首を横に振る、
「水分としては?」
「これがあるからいい、ブラックも来い、水ぐらいは飲んでおけ。」
「うん。」
 教授の影から、黒い衣装の少女が来ていた。その彼女がいくつか食料を受け取っていた。
「いい人。だけど、みんなモンスター?周りみんな。怖くない?」
「…お嬢さん?」
 急にしゃべる影から現れた少女に…ジャンは慌ててなかった。
「いやいいんだ。私も警戒はしている、さっきのオウルとやらも、モンスターだろ?」
「知ってたのか?」
「まあな、だが、差別はせん。吸うか?」
「タバコか?」
「私の知り合いの作品でね。精神安定とMP回復効果がある、で、本物と違って後遺症とか中毒性がない。」
 懐から出したのは紙タバコでそれを器用に指先で火をつける、
「あんた…。」
 この大陸では魔法使いは極めて少ない、生活魔法だけで魔法部隊を名乗り、今でもそれが採用され、今でもその魔法のオーブを求めダンジョンをめぐる”ダンジョン民”が多い中こうやって指先で、器用に火をつける様は…貴族であるかもう一個は…。
「あんた、何者だ?ここは魔法はほぼ誰も持っていないんだぞ?」
「…それはすまない、私は勇者でね。魔法はある程度嗜んでいる、」
「ほう?勇者か、モンスターを見て暴れだすかと思った。」
「ああ、それは私はないな、私にとっては”悪人”であればやるかもしれんが、基本は労働が嫌いだ。」
 教授はタバコを差し出すと。それをジャンが受け取る、
「これ、解析かけていいか?うちの村に香草畑があってさ、各地の香草を扱ってる。だから、後…もう一本くれ、俺もな・・。」
「何故だ?」
「ああ、俺も異世界人さ、太田っていうんだ。そのタバコ見てわかった。」
「同郷か?そうだな、ごねて4カートンほど貰って来たんだ。これをやる、」
 そう言うと、影に手を入れ、一箱のタバコを投げて渡す、
「いいのか?」
「構わん。火はあるか?」
「ちょっと待ってろ、」
 そう言うとジャンは外に出て…。
「何してる?」
「怖くないんですか?あれ?」
 珍しく命令を無視して、ディルが一人、振るえて木蔭に隠れていた。本来は護衛の為、いつもホロの上を含め、護衛できる位置で寝ているはずの彼女が、その任務を放棄して隠れているのが異様だった。
「何でだよ?」
「化け物ですよ、あの影も、本人も、私なんてすぐに…いやいや、」
「ある意味正しいかもな、あれが勇者だ。」
「やっぱり、」
 震えながらも、納得したようだ。
「オウルが帰ってきたら、確認とっとけ、後これでいいな。後、これの解析頼む、」
 ジャンはディルにタバコを一本渡すと、近くの小枝を数本拾って、馬車に戻る。
「いいのか?部下がいたのでは?」
「俺にとっては拾ったガキだ、あんたは、行商人してるって言ったろ?そのタバコを見せればきっと襲わないさ。でこれに火…頼むわ。」
 ジャンが木の枝を差し出す、
「…ほら。」
 教授が指をさすと、小枝に火がともる、その火を大切そうにジャンはタバコに火をつけ、ジャンは口に付けると、ゆっくりと吸い始めた。
「なんか違う感じだが・・。うまみも…甘いタバコだな。」
「ああ、その紙にはそいつから出た有害物質を全部魔素に変換する付与がかかってるらしい、まあ・・・。」
「俺は仕事じゃ吸えなくてさ。代わり物を吸ってたんだ。まあ、外で吸うか?とりあえず、すって一服したい。
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