魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第6章 勇者と旅芸人

第227話 技術には常に見えないデメリットがあります。

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 そして工程の自動化登録が完成し、”アイテムコイン召喚”となった。で無論、これもみんな立会いのもと顕彰会が行わた。分かったのは勝手に”ファクター”に対応した装飾が付き、効果を得る。という事だ。なので一発でわかる、そして投入コイン限界はアイテムの価値によって増減、失敗すると砕け散る。その為に魔素含有量を上げないといけない。そして魔素は”空気と一緒又はもっと軽い”。だから魔石になっても指でぐりぐりすると穴が開く。しかも意思に反応するので、コーティング剤(思い出召喚した瞬間接着材)ををかけないといけない。が、隙間を開けないと使えない。というジレンマを抱える素材だ。当然含有量が増えると脆くなる、ミスリル合金も魔石+純鉄となり、さらに炭を混ぜ鋼鉄化する。それに触媒金属を混ぜひどい話、魔石を金属でコーティングするのだ。ただ、魔石というだけあって魔法を当然増幅する。これは伝承道理なのだが問題もあった相手から魔法を受ける時に、相手の魔法も増幅するので、魔法ダメージが自分に対しても増えるのだ。行使するときも。というかなり致命的な欠陥がある。なのでその影響を低くして魔法を先んじて付与するというのが考え方だ。そうすることで魔法抵抗を上げる事ができる、対魔法の石を先に制作時に付与して素材化する。というものだ。
「という事はスキルが増えると…。」
『はい、そうすることで付与できるものが増えていきます。当然付与数には限界があります。そしてもう一つ、プログラム付与、魔術回路の説明が可能となりました。』
「サンテさんお願い、」
『プログラム付与は、付与時にずっとメッセージを念じながら行います。そうすることで、その念じた内容に付与された機能が発動します。』
「ふむ。」
『そして、プログラム付与された魔石を魔力導線で結び、魔力の流れを作ることで完成するのが”魔術回路”です。こうすることで魔道具ができます。』
 あれは相当高級品だったのか…。
『魔力バッテリーをプログラム付与してつなぎ、魔力を流すのをスイッチ式にすることで、魔力のない人間も魔道具が使え、こうすることでアイテムの作成が可能となります。」
「かなり大きいな、ただし、条件に中位職業か。」
『はい、職人の育成が欲しく、かなり難易度が上がりそうですね。』
 前に分解したあの回路の事を思い出す。あれも相当高等技術で作られていたらしい。となると…。職人を育成しないと…そういう事かあれ…。わざとだ。市場に開発したアイテムを流すいい方法は技術の流出だ。これをさせる事で向こうは仕事の負担を減らし”金で解決可能”にする。こっちは技術で有頂天で開発するって奴だ。が、開発は好きであるし、当然開発もする。建築に魔法の家?現代風の家?当然気持ちいいじゃないか!が家具を作る手間が非常に面倒だ、キッチン一個作るでも相当かかる。回路って事は回路図を引かないといけない。当然これも”建築化”の仕事となるが、今まで単純に回路の事を考えない単純工法だが、今度からは…ああ!まだ開発しないといけない物がある!ぐ、やることが多すぎる。がまずは衣装だ、衣装のエンチャントを済ませて、できれば回路も入れておきたい。回路版は後でいいな、まずはこの衣装に付与を入れよう。まずは…自動修復だ。再生と魔素栄養を混ぜる。そうすることで、魔素に反応して修復を開始する。
「サンテ、すまない、これを着てくれ。」
「…私、着ていいんですか?」
 目の前にはインテリジェンスインナーのサンテが立っている。
「構わない。今回は魔力通過実験だ。」
 いそいそと衣装を着て、アイドル衣装に袖を通す。
『凄い魔力を感じます。ぞわっと来ます。』
「では始めるぞ、魔力を通してくれ。」
『はい!』
 じっと見る、一応再生が付いているが…。しばらくすると服がムニュムニュ揺れる?
「どうした?」
『どうも再生しているようですが、暴走しているようです。ストップします。どうも。プログラム付与しないと、無限に再生を繰り返すので、生地が増えるみたいです。又形状の記憶がないので、再生方向が安定していない模様です。』
「単に付与だけだと、うまくいかない物もあるのか…。これは意外だな…。これだと、変電機能も欲しいな、充電リミッターもつけないといけない、多すぎると破壊されるな。」
『なんですかそれは?』
「ああ、ブレイカーって奴で、充電が一定以上だと、破壊されるものをわざと用意するんだ、そうすることで暴走を抑えるシステムだ。とりあえず、図面は考えるが。電気工事もできないと建築家は図面を引けないからな。電気知識があるんだ。で、取りあえず付与は”魔力を一定量だけ再生に使う。後は服にチャージする”でいいな。」
 プログラム付与は実はかなりきつい。付与している2時間の間、付与したいことを思い続けないといけない上にその一字ごとに10MPが徐々に消耗される。そして地の数だけ必要MPは増えキャパシティは減る。しかも使い勝手に影響する。付与ってこんなに大変なのか。損傷率1%以下の時で勝つ必要MPがアイテム価値の1%以上なら機能を発生し、0.1%以下で停止する。魔力保持量は価値100%を限界とし、その他を吸収しない。”としておいた。プログラム言語だな。これじゃ。これでいいはずだ。当然また…いや、影世界に入って行う…。あっちは時間を加速できる。でもまあ、ずっと同じことを思わないといけない上に本人も加速しないと、字数を読み終わる前に付与が終わってはまずいのだ。これ、思ったより厄介だぞ。
「これさ?もしかして私の内職になりそう?」
 フェルミィが覗きに来る。フェルミィは基本留守番だ。その為基本暇なんだ。ミラージェはイーハ商会の運営をジャンの代わりに行い、コアを経由してオウルに書類を届けている。なので外側保持担当だ。首は自分のダンジョン限定なら入っても首の”同席規制”には引っかからない。そしてそれは影もだ。なので、作業は影内部で行っている。が明りと空気、魔素は影残しで開けっぱなしにしないと無くなるので、
「新規ならな、同じものを2回なら。どうもダークボックス連携でどうにかなるらしい。材料さえあれば。意外ときついが。」
「そうよね、MPも結構食うからね。」
「でよし、これでいいな。」
 影から出てくると、というかインテリジェンスインナーのサンテは服を脱ぐときに単に移動するだけでいい。という、微妙に…楽しむ要素が無かった。ま、まあいいだろう。できた服を手渡す、
『確認中、暴走はないですね。但し必要分以上は漏れています。』
「それでいいだろ?それ、吸収が無限だと、魔法使えなくなる。」
『あ…。』
 というか、改良すれば魔法吸収が限界まである”対魔力の枷”とかできるのか。但し現状、価値と同列なら。よっぽど魔石と要領が無いとダメなうえ、物理に強くしないといけないな。 
「とりあえず、これでいいなら、完成だ。自己再生機能付きだ。後自動フィットは…」
『二つ欲しいですね、相手のサイズを観測してそのデータを得たうえで、倍率を計算し、その分再生すればいいのでしょうか?計測と星系の二手順欲しいです。』
「分からんな…。全然思いつかん。少し休憩して考えよう。まずは自己再生だけでいい。」
『は。』
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