上 下
226 / 1,270
第6章 勇者と旅芸人

第225話 魔王軍幹部”ミーア”

しおりを挟む
「とりあえずコンちゃん以外来たよ、コンちゃんは自主練するって。」
「でも衣装とか、マスター。大丈夫です?」
「というか、魔王軍とか魔王とか、初めて聞いたぞ。」
「だよね。」
「ふむふむ、いい感じなのだ。後衣装はコピー可能のほうがいいのだ?」
 今…鳥海さんまで来ているが、何と次の楽園との交渉に来たのはなんと、アラクネの魔王軍幹部”ミーア”だった。見た感じ凄い軽いTシャツとホットパンツという組み合わせでこれがアラクネと鑑定されていても怖くないが、学問系が恐ろしい。そして生産系全部持ちの双頭だ。職人が固まって10人いるという構成のため。大方一人いれば街が機能する。そのクラスの万能後方担当だ。ちゃんと製作に使う魔法も全そろえ、闇魔法持ち。そして全員の目の前にいる人が全員の採寸を行っている、がこの人たち全員”首”だ。凄いな。
「できれば、あとアイドル風に柔らかくしてくれればいい。」
「ふむ、アイドル風、今回費用はどうするのだ?」」
 が、頼む鳥海さん。ちょっと興奮で飛び掛かりそうなぐらいなのだが。そう言えばミーアブラントってこの人がサブマスターでショップを持っていたから、そのショップか。そう言えば、新作がガチャで出るから。かなり人気あるんだよな。でも世界樹とか含む。
「こっちでいくらでも出す、事後請求でいい。後、できれば。」
 鳥海さんが無言で、バイブ機能もかくやというほどかくかく頷く。いや、目が血走ってるな。
「ファンもいるようだから、私以外全員のオーダーで下着も頼む、その費用も全部出す。」
「分かったのだ、今回、アイドル衣装と後下着なのだ。今回材料のレートと、色はどうするのだ?」
「材料は…魔素含有可能か?」
「大丈夫なのだ。付与に耐えるように材料と配分を決めで糸を作るのだ。」
 そう言うと、手元から少し色の違う魔石を食べ始めた。…後金属も食べてるのだが…あ…そういう事か!糸作成は食べた者が消化され糸になる。なら材料を食べればその糸が糸作成で作れる。その為に金属も食べるのか…。アラクネ舐めてた。
「ついでにこうして食べるために牙も訓練してるのだ。かみ砕けないと消化できないのだ。」
「最初から粉にして飲めば?」
「実はそれだと粒子が細かすぎて糸にならないのだ。密度に合わせて食べる鉱石の大きさ変えてるのだ。」
「流石のこだわりだな。」
「なのだ。」
 というか、そこまでやるか、糸作成のために。そして出来上がったのは美しくも柔らかくそして丈夫な糸だ。
「一応”ミスリル合金と鋼鉄配合25%、オーツウッドパウダー合成の鋼銀糸なのだ。どう?」
 手から出したのは銀のそれでいて柔らかくで硬い。かなり上質の絹糸だ。しかも鉄が混ざる分流石に美しい。
「魔素は?」
「少し抑えめにしたのだ。簡単なエンチャントクラスなら、これでいいのだ。これでもスロット3はギリギリ行けるのだ。」
「スロット?」
「アイテムに含有される魔素の量に応じて付与が可能なのだ、強化の最大値もこれで決まるのだ。だから少しミスリルを足しつつ、後は染料に含有の魔石で足すから。強化も結構できるはずなのだ。でもこれだと425万DPくらい衣装はするのだ。下着だと布量もあるから触り心地もあるからもう少しミスリル削って柔らかい葉を増やすのだ。」
 …と言いつつ口にガンガン材料(鉱石)を突っ込んでいくホットパンツの人。初見だとこれ、びっくり人間だぞ。流石に後ろにいる七海さんたちも呆れている。
「もう少し材料安くしたら?払えないかも。」
「大丈夫なのだ、レベルは見たのだ、MPだけでもどうせ払えるのだ。だから贅沢に行くのだ。」
 スナック感覚で糸の材料(ミスリル合金)を食べていく彼女だたが、流石は魔王軍だ。その眼力も高いのか…。というかレベルが全般的に高いから、それで突破されたのか。が凄いな…。
「ならいいけど…お母さんが怒るかも。」
「まあ、あの綾香さんはちょっと神経質すぎるのだ。これでも固すぎるから・・・とできたのだ。これが下着の方の糸なのだ。ミスリル銀糸なのだ。」
 流石に美しい。ミスリル合金と銀を混ぜ、それが糸にコーティングされた、粒子の細かい絹糸という感じだ。流石にでも。
「派手過ぎないか?」
「メタリックは否めないのだ。材料変更は受け付けるのだ。」
 ちょっと待て…。いくつかあるな。
「これをつかってくれ、まずいなら変更でいい。」
「何なのだ?」
「青銅の錆、あと、赤銅、黒は黒曜石、後こっちの缶は思い出で出した化学塗料の金属用だ。」
「何!そんなのあるのだ?」
 かぶりつくように出した。サンプルを見る。
「一応塗料で思いついた奴だ。これで色を出せるなら、良し。出せないなら、別の手に出ればいい。青銅はあるだろうし何とかなるだろう。これで色が出ない場合は又相談してくれ。」
「わ、分かったのだ。」
 というと、急いで並べた物をミーアが仕舞っていく、さすがに首も全員飛びつくなよ。
「後これとは別に魔素含有3%の絹糸で作るステージ衣装を頼んだ。」
「そっちはキラリスペシャルと一緒でいいのだ?」
「キラリスペシャル?」
「勇者コレクションの一種で流行りなのだ。これがリストなのだ。」
 …。なんだこれ。確かにアイドル衣装だ。がこれ…。ミーアが出したのは紙に書かれたアイドル衣装みたいな短めスカート衣装とか含むかなりかわいいが多い系だ。というかこれ、時代考証ミスし過ぎじゃないか?思いっきり現代風だが?
「男だわさ?」
「うん。そうなのだ。」
 男か、これが、一応胸以外は女に見える。
「だから派手な衣装の依頼は簡単で嬉しいのだ。」
「…できればコピー可能でワンセット頼む、出来上がり交換でいいか?流石にDPで出すにしてもこの人数だときつい、」
「それは構わないのだ、こっちはできたら、ダンジョンバトルで連絡するのだ。でもグループユニットか…。いろいろはかどるのだ。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。

ファンタスティック小説家
ファンタジー
 科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。  実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。  無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。  辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。

カモミール
ファンタジー
「最強になったらまた会おう」 かつて親友だったスライム、蜘蛛、鳥、ドラゴン、 4匹は最弱ランクのモンスターは、 強さを求めて別々に旅に出る。 そして13年後、 最強になり、魔獣四王と恐れられるようになった彼女ら は再び集う。 しかし、それは世界中の人々にとって脅威だった。 世間は4匹が好き勝手楽しむ度に 世界の危機と勘違いをしてしまうようで・・・? *不定期更新です。 *スピンオフ(完結済み) ヴァイロン家の少女が探す夢の続き~名家から追放された天才女騎士が最強の冒険者を目指すまでの物語~ 掲載中です。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...