165 / 1,270
第4章 始動!千鳥万花
第165話 時として普通の人間が、重要な事を知っていることもあります。
しおりを挟む
結局作業があるとかでその日の夕方まで町を見学して回るが、大方人数30人ほどか?かなり少ない村だ。村の入り口でゆっくり時間を潰すことにした。ミヨちゃんは護衛で小鳥になってもらっている。
「おうおう、ようやくついたの。」
「いや、結局失敗したんだ。」
出てきたのは老人だった。正確に白髪黒目の年老いた老人の空気だ。がその眼は死んでいるとは思わなかった。
「そうか、こうして会えたのに?ま、うちに来い。そこで飲もう。で、あんたは?」
「私は井原。ここで名乗りはまずいだろうから…。ま、シロウを送ってきた者だ。」
「シロウの恩人か、なら歓迎だ。こっち来い。」
「ああ、行こう。」
言った先には村から一に時間離れた箇所にある小さな2階建ての小屋だった。周りには畑があり、見た感じだけで、ここが所有者だとわかった。そして…。
「あんたあれじゃろ、建築家って奴。」
「そうだ。言えばある程度サービスするぞ。」
「いやあ、昭和建築はいい物じゃ。あれはいい出来でちょっと涙が出てきたぞ。」
「俺も…いやあれの良さは理解してる。」
「早く入れ。この辺はドラゴンが通る。時々な。」
「…。」
ドラゴンが通る?この世界にはモンスターがいないはずだぞ?
「結構気に入ってな。ほら、ビール。」
思い出召喚のビール、しかも冷えてる。これは…やるな。
「これが役に立って嬉しいな。」
「ああ、これな、見に来た嬢ちゃんが感心しておったぞ。」
「見に来た?」
「ああ、行商の姉ちゃんでな。そいつが感心しとった。」
「でも爺さん無事だったのか?」
肩を叩いて喜んでいる二人は。戦友を見ている感じだった。いや息子と父だろうか。
「シロウを救ってくれて感謝する。改めて自己紹介じゃ。儂はスライムのダンジョンマスター、大神俊三。ま、ゆっくり生きるのが目的でな。」
「私は家のダンジョンマスターと言いたいが、先日どうにか”邸”になった。邸のダンジョンマスター井原だ、よろしく。」
手を差し出す。それを無言で俊三さんが握りかえす。
「ヨロシクな。でシロウ、お前は結局どうなったんじゃ?」
そしてそこからは普通に、これ、楽園米だよな?楽園米と簡単な野菜炒めとビールをつまみにお互いの事を話した。この大神さんは最初に四郎がダンマスになったとき村の住人がこっちに襲ってくるとの事でダンジョンバトルで相談した相手だそうで、最悪の時は逃げろと言ったらしい、だが、それはかなわず、勇者に襲われた。らしい。
「それはあれじゃ、この世界最強の勇者という話の”教授”一行じゃな。」
「教授?」
「ここはよく、南のモートリアから山に逃げ込む勇者の通り道で、通称”駆け込み山”と呼ばれておってな。」
「勇者ですか?」
「知っているだけでここを通ったのは…30名はおったかの。」
「多いですね。」
というか、30人も勇者がいるのか?そりゃあ、ダンマス壊れる、
「モートリアの王が、借金してでも勇者を召喚して、それこそ重労働を課すそうで、勇者が逃げ出すんじゃ。ダンジョンで一生穴倉モンスター討伐生活で、逃げ出すんじゃ。」
…鳥海のやってる事のの勇者版、ここの勇者ブラック過ぎる?
「そんな事になっていたのか。」
「での、その勇者に聞いた話では”ギルド創設者の勇者”が”教授”じゃ。」
そんな、名前の勇者がいるのか。
「おうおう、ようやくついたの。」
「いや、結局失敗したんだ。」
出てきたのは老人だった。正確に白髪黒目の年老いた老人の空気だ。がその眼は死んでいるとは思わなかった。
「そうか、こうして会えたのに?ま、うちに来い。そこで飲もう。で、あんたは?」
「私は井原。ここで名乗りはまずいだろうから…。ま、シロウを送ってきた者だ。」
「シロウの恩人か、なら歓迎だ。こっち来い。」
「ああ、行こう。」
言った先には村から一に時間離れた箇所にある小さな2階建ての小屋だった。周りには畑があり、見た感じだけで、ここが所有者だとわかった。そして…。
「あんたあれじゃろ、建築家って奴。」
「そうだ。言えばある程度サービスするぞ。」
「いやあ、昭和建築はいい物じゃ。あれはいい出来でちょっと涙が出てきたぞ。」
「俺も…いやあれの良さは理解してる。」
「早く入れ。この辺はドラゴンが通る。時々な。」
「…。」
ドラゴンが通る?この世界にはモンスターがいないはずだぞ?
「結構気に入ってな。ほら、ビール。」
思い出召喚のビール、しかも冷えてる。これは…やるな。
「これが役に立って嬉しいな。」
「ああ、これな、見に来た嬢ちゃんが感心しておったぞ。」
「見に来た?」
「ああ、行商の姉ちゃんでな。そいつが感心しとった。」
「でも爺さん無事だったのか?」
肩を叩いて喜んでいる二人は。戦友を見ている感じだった。いや息子と父だろうか。
「シロウを救ってくれて感謝する。改めて自己紹介じゃ。儂はスライムのダンジョンマスター、大神俊三。ま、ゆっくり生きるのが目的でな。」
「私は家のダンジョンマスターと言いたいが、先日どうにか”邸”になった。邸のダンジョンマスター井原だ、よろしく。」
手を差し出す。それを無言で俊三さんが握りかえす。
「ヨロシクな。でシロウ、お前は結局どうなったんじゃ?」
そしてそこからは普通に、これ、楽園米だよな?楽園米と簡単な野菜炒めとビールをつまみにお互いの事を話した。この大神さんは最初に四郎がダンマスになったとき村の住人がこっちに襲ってくるとの事でダンジョンバトルで相談した相手だそうで、最悪の時は逃げろと言ったらしい、だが、それはかなわず、勇者に襲われた。らしい。
「それはあれじゃ、この世界最強の勇者という話の”教授”一行じゃな。」
「教授?」
「ここはよく、南のモートリアから山に逃げ込む勇者の通り道で、通称”駆け込み山”と呼ばれておってな。」
「勇者ですか?」
「知っているだけでここを通ったのは…30名はおったかの。」
「多いですね。」
というか、30人も勇者がいるのか?そりゃあ、ダンマス壊れる、
「モートリアの王が、借金してでも勇者を召喚して、それこそ重労働を課すそうで、勇者が逃げ出すんじゃ。ダンジョンで一生穴倉モンスター討伐生活で、逃げ出すんじゃ。」
…鳥海のやってる事のの勇者版、ここの勇者ブラック過ぎる?
「そんな事になっていたのか。」
「での、その勇者に聞いた話では”ギルド創設者の勇者”が”教授”じゃ。」
そんな、名前の勇者がいるのか。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!
ねむたん
ファンタジー
私は砂漠の町で家族と一緒に暮らしていた。そのうち前世のある記憶が蘇る。あの日本の味。温かい味噌汁、焼き魚、醤油で整えた料理——すべてが懐かしくて、恋しくてたまらなかった。
私はその気持ちを家族に打ち明けた。前世の記憶を持っていること、そして何より、あの日本の食文化が恋しいことを。家族は私の決意を理解し、旅立ちを応援してくれた。私は幼馴染のカリムと共に、異国の地で新しい食材や文化を探しに行くことに。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる