魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第４章 始動！千鳥万花

第１５５話 商売の基本は現場視察です。

 奥原たちは一日かけてゆっくりと街を見て回る。…冒険者ギルドもないが露天はいっぱいあり、肉を売る店が多い、そして人通り、馬車も多いが、石畳のせいか…。
「ねえ、チルちゃん…あれは？」
　自分の第一の僕、エルフチャイルドのチルちゃんである。
「あれは確か…。鳥海さんの工事ですね、いずれこの町全域に下水道を通すべく、工事のふりして、ＤＰで張替えだそうです。いずれは流れ者の町みたく、碁盤目区画と最新溶岩プレート竈とかつけて、水の都にするとか、近くに大きな河川もありますからね、そこから引水して浄化施設を作ってその上に城を立て直す予定とか、」
「へぇ…。」
「で、できれば麹区画の終わったところに住みたいんですけど…。道路を優性しないと、露店が商売できないので、そっち優先だそうです。」
「露店か…。」
「新年以来ここは香草ステーキとかこの白パン。後果物のアップルとか様々集まるようになり、ここに持ち込んで金にしようとしてるようです、」
　確かに路面には露店が多く並ぶ、
「一応慣習で、持ち主の家の人に金を払えば、露店は開いていいようです。又、それ様に路面も広めに作られてます。但し商人区画ではそれが通用しません。時々親衛隊が見回りするそうで。あそこは商売するには決められた貴族の許可がいるそうです。で、その貴族ごとに割り振られた店の店舗があり、私たちの家もそこになります。」
「人が住んでたって。」
「はい、あっちのジャンの店で扱っていたので、元持ち株を持っていた店の住人が。」
「ジャンの店って郊外だよね。」
「はい、あそこしか許可が下りなかったそうです。ダンジョン領域の売買でしたので、近すぎれば自分がスタンピードで殺されかねませんので、その代わり、土地が多めになり、後ゴーレム車の実績があったので、あまり近いと大型のゴーレムが宮殿前を往復してしまうので・・・。」
「納得したわ。でも活気あるわね。」
「あの株は金で売買可能ですが。売ってしまうと貴族からの信頼はないですし、その担当の村にせめて半年に一回は訪れて、納税の話をしないといけません。」
「納税あるんだ。」
「商売を店でさせ、その貴族と村長の代わりに納税することで、商売が許されるんだそうです。なので、徴税官はこっちに来るだけです。納税成立するとあとで、徴税官が納税成功を村に伝えに行くそうです。」
「それって店の店主が逃げれば終わりじゃん。」
「まあだって・・・領域収益がほら…。だからそんなに納税に期待してないそうですよ。」
　日に領域収益だけで４９万ＤＰが入る、但しこれは認可されたＤＰ工事費を引いた総ダンジョンコア数による総割だ。これは変わらない。今後はどんどん減るつもりでいてくれとも言われてる。で、その金額をＳＮＳで見た数字によると、金持ちというが、ガチャとかし放題の数字だ。この予算があれば何でもできるが、その代わり領域はいくら買っても頭割、鹿もスポナーという奴でもモンスターをまかないと増益がない。だからこそ、領域分配の増益はないし、この先はほぼダンマスがしのぎを削り争う戦場だそうだ。それを鳥海さんが盾となり、物資を井原さんが作り、シロウさんはスローライフだそうで、私もそっちのスローライフ組でいいと言われている、まあ、井原さんは建物立てたい病なので、私も店の概念決めたらジャンと一緒に面接して、その建物をもらえる話になっている。建てたい。だそうだ。変わった人だ。あれだけ大きくて建てるほうが好きとか…。で、これを金貨に直すとどうも金貨４９０枚を毎日貰っている。という、市場荒らしができる規模の金額らしい。ついでに貯金して色々施設とか、地下にダンジョンとか建てれたらいいなと思ってるけど、どうも冒険者もいないこのご時世、一般人がダンジョンに入れば…。と釘は刺されていた。
「そうなの？」
「逃げれば、ついでに処罰対象で、時々そこで打ち首してるそうですよ。そうでないと…法を守る気もみんな起きないそうなので。なので、城門前広場はあまりお勧めしません。」
　ちらっと見た城門前広場はかなり広く、露天商もかなりいっぱいいる。そしてこっちは店が立ち並び、軒先に看板と貴族の紋章が陰られている、認可を卸した貴族の紋章だ。ついでに先日モアレ・ルーディーとしてルーディー家の紋章が決まり、正式に貴族として認証されていた。一応こっちにも…あるな”ラーメン道場”。
「あれはモアレ様の店ですね。」
　井原が好きだった豚骨ラーメンを小麦粉を練った麺と、村特産のパークボアの骨を砕いてに立てた”豚骨スープ”を使い作った、ラーメンの店である。中には料理人のシルキーさんがいて、女将さんとして切り盛りしている。寒い日はスープの店として大人気で。主にお持ち帰りが多い。その為地下を掘り抜き、スープ工場が地下にあるとか。
「で、ここか。」：
「はい、私たちの店の予定地です。かなり…微妙な立地ですね。」
「目立たない方がいいよ。」
　位置としては門同士をつなぐ大通りの交差点から少し奥の小さな…更地である。が、全部平屋のせいか少し広い土地だ。
「新築か…。」
「はい、ここに私たちの領域があります。」
「ついでにあれが？
　見た先には適当にひさしが付いただけの地下行きの階段だった。そこの脇には兵士が２名立っていた。
「あら…。」
「ああ、皇帝陛下聞いています。家が建ち、正式に建物ができるまでここで警備をするように言われた者です。ご安心を、お嬢様。」
「お嬢様だって。」
「マスター、興奮しないでくださいよ。ここは人がいるんですよ。」
「そ、そうだった。意外とみんなイケメン度数高いから。」
「そうなんですか？」
「とりあえず戻るわよ。少し中のフロア弄る。」
「は！」