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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第136話 帝国風パーティ

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 一応ダンスホールを見ると、ダンマスが人間の宴会を見に来るという紹介状を持つ商人という体で集められたメンバーらしい。当然王様も知っている。でないと警備兵を呼んでしまう、恐れがあるからだ。なので、余分な事を言わないことがダンジョンバトルの条件となっている。が、半分くらいのこっちに来たダンマスが飯にかぶりついてるな…。持って行くシルキーも大変そうだ。お…。
「お客様。」
 そそっと寄ってくる中年メイド…。当然タミさんである。が彼女がほぼ実力でメイド長見たくなっていた。というのも帝国も世界設定によると制作2年。それが練度あるメイドがいるかと言えば違う。その状況において彼女のメイド力(生活力)は極めて大きい助けとなった。当然、この礼儀作法も一緒で思いっきり外と仲が違うさまはいつの間にか王宮名物となった。
「なんだ?」
「モアレ様が…。」
 そっとタミさんが差した先にはモアレが第2軍団の…ああ、貴族の子弟たちに囲まれている、ついでにローマっぽいこの国では衣類は毛皮でなく”革”が正装だった。いずれ麻の服と絹の服をはやらせたいが、アラクネ量産には少し躊躇している、ダンジョンで糸作成を抽出し終わっていただのが、…この糸の原材料が自分の”排泄物”ということが発覚した。これが論争を呼んだ。幹部に持たせるには食生活をまず縛らないといけなかった。栄養成長には多数の物を食べる能力があるが、”恥ずかしい”が全員に来たため、よっぽどストイックでないとまずは糸作成できない事。でそうでない場合枝の祝福で繊維糸を、鋼糸なら金属作成を使えばいい、これは消化を使った特殊糸を作る際に欲しい能力だった。じゃあ、専用にモンスター作れば?って話にはなったが、ゴーストはまず排泄物が無かった。でゴーストに持たせたまま憑依するか?となった際に”特定の草だけを食べる生き物”が欲しいのだ。こうなるとほぼ存在しなかった。熊か、虫か。これだとアラクネ量産して作った方が速い。というのも糸の生産量は身体の大きさも関係するからだ。しかも糸作成はダンジョン取得効果もこれにはなく、珍しい独自スキルであったが全然だめだった。
「分かった、少し待って。」
「あ…。」
 つかつかと自分が歩いて行くと…。モアレとポアンが気が付いて、簡単に挨拶するとこっちにすり寄ってきた。
「イーハ?」
「はい。」
「お姉ちゃん。凄いね。」
 こっちを見る目が嫉妬に溢れ…てないな…なんか、あの目は…。
「ちょっと離れよう、なんかみんなやたら離れたがるんだ。」
「そうだよ、二人でほら…。」
 指さした茂みの先が揺れている。…剛の者め。だが、全員の目を見ると、見て見ぬふりしてるな。トイレ事情もあるが…。ダンジョン内においてトイレはない。これもダンジョンにとって餌だからだがらこの城の中では当然、又は事前協議では鳥海さんはパーティエリアにおいては全てこの”ダンジョン収益シフト”を発動。必要な事とさせなかった。酔っ払いの口から出る者も対象にしていたので。よっぽど警戒が厳しい。
「イーハ。」
「お嬢さん…。師匠に何用で?」
「師匠?」
「ああ、お前に紹介してないな。彼女は…。」
「イーハ商会の会長、イーハです、よろしく。」
「聞かない名だが?」
 目の前に金髪黒目のちょっとしたヤンキーに見えるが実は、これがこの国の一般的な目の色と髪の毛の色だ。その為逆に黒髪黒目は珍しい。が、イーハ黒髪黒目だ。で、イーハ商会だが、商会を会議名で決める際に元々は、井原が発音しきれなくてイーハになったが、そのまま採用しようとなった。その方が、面白いというのが井原の意見だった。だからこそ、この呼び名をとがめなかった。
「はい、新参者ですので。」
「フン、田舎者か、せいぜい楽しんでいけ…いや私の恩寵を一緒に…。」
「恩寵?」
 彼が目で見た先は揺れた木蔭だった。
「貴様!」
「師匠?」
「我が恩人、いや、むしろわが命の師に近いこの方を!」
 モアレからの殺気が凄い。
「え?」
「お前たちに物・・・。!
 モアレの解説を手で止めた。
「田舎者であることはあるので、その辺はご容赦を、」
「フン・・・師匠行きましょう、あんな…。」
 モアレの肩が震えるのが分かる。が、それにそっと手を当てる。そして井原は軽く一礼する。
「先ほど、大臣殿が彼女を探していたので呼びに来たので・・・。」
「何?」
 流石に目立つ鳥海はあいさつ回りで部下を連れ、回っていた。
「分かった。ただ、師匠。付き合う人間は考えたほうがいい。」
 そう言うと不満げにその男は去っていった。
「いいのですか?」
「これからこういうことは死ぬほど起きる。こんなので目くじら立てていたら、あいつと戦う羽目になるぞ、だからこそ、簡単なあいさつで避けておけ、」
「でも避けた?」
 そう言って見た先では顔を赤くして3人の様子を見る…普通身長の活発系美女モアレと、少し小さい妹系ポアン、そしてスラっと長身のイーハはこの会場において最も絵面になる組み合わせだった。
「あれは…。」
「きましたわ。」
 なぜかダンマスたちもじっと、その様子を見てしまうほどに美しかったし、尊かった。
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