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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第133話 最初のゲストはこの方です。

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「一応聞いておく、ダンジョンバトルの形式は?」
 ミラージェの姿のまま、近くの椅子に座り、鳥海と対面しつつ、仕込みで極めて忙しいタミさんたちを見つつ、鳥海と向かい合っていた。計算外が多すぎる。
「ああ、当日は参加自由。戦闘禁止。アチシ対参加者のレイド戦闘扱いだわさ。参加資格は私が招待状を送ったダンマスのみだわさ。魔王国は呼ばないが他は呼んだだわさ。」
 それが明日である。ダンマスは基本イベントががない。当たり前だからこそ、ダンジョンバトルにも熱心にもなるし、SNSには”深夜の夜更かしチャット板”もある。だからダンジョンバトルの亜種でこうやって普通に話して交流する機会は悩む。経営、防衛、収益。そのすべてがダンマスに必要な才覚だ。
「多いのか?」
「こっちの貴族の人数はせいぜい300だわさ、作ってる料理見ただわさ?」
「ああ、あんたも私財出すんだな。」
「当たり前だわさ。こういうパーティで縁を結んでもらって、アチシが人脈を作る事こそ、支援を得られ、生産系が生きるチャンスだわさ。パーティは基本その為の物だわさ。」
 出会いの力か…。
「だからこそあんたに頼んだだわさ、ステーキだけでも相当欲しいけど、30種類あれば何でもよかっただわさ、がここまで豪華だとちょっと逆に警戒されそうで怖いだわさ。」
「そう?その割に豪快に擦り付けてくれたわね。」
「あんたもそう言わないだわさ。ただ、当日送ったものの、何人来るかわからないだわさ。人数は最大5人としたけど、」
「それなら卵は控えたほうがよかったわね。あれは高すぎるわ。」
「そうなのだわさ?」
「烏骨鶏もあるけど、卵の量産化の話は聞いたことないもの。」
「あ…。」
「技術の出し過ぎはそのまま相手の戦争意欲と駆り立てるわ。第一…。」
 そう、ダンマスの位置はほぼ近接しないと発覚しないのだ。なので、どこにいるのかSNSの公開情報だけを頼りに探さないといけない。無い場合も多い。ドランも当然どこにいるのか知らないし、楽園も魔王軍に所属するというだけで、どこにいるのか不明だ。だからそれが隣のダンマスだと…。
「よう。」
「あ、シロウだわさ。」
「呼ばれたのか?」
 一応帝国風の…革服だ。まだ礼服という概念がないので、服装は何でもいい。が、あれは最近売り出しが”牛革の貫頭衣”だ。原始時代風ではあるが、バーストブルの皮が大きく薄いので加工がしやすく、それを流れ者の村にウルフェが狩った分は卸してる。
「あんたは?」
「ああ、ミラージェの体の方だ。子犬でなく、こっちも用意した。」
 …シロウも固まるのか?
「あんた、いろいろ誤解されないか?」
「それはない、基本は男だ。でこっちに?」
「まあな、で村長含めあんたから買った荷車でゴーレム車だっけ、作ってこっちに来た、流れ者の町も見たぞ。」
 あれから帝国と張り合うために問う事で第5軍団名義で見車を販売、それを村に配備した。で、納税ついでに村人の商店を配置、アンテナショップをこっちで作る事になった。
逃げだしたら、ダンマスが領域内を追いかけ回すだけだ。
「町か?」
「規模がな。あれはもう街だろ?」
「まあな、建物は500人体制で作ってある。増築もいつでも可能な設計にしておいてある。」
 一応交流が増えるにつれ、移住者が増えている、ただし双方とも”領域”扱いなのでDPの増減は薄い。が、人口自体はそろそろ50は越えた報告は受けたが…。
「流石だわさ、下水道工事のルームがこっちにあるから、いつか帝都再開発もしないといけないだわさ。」
「そういえば?」
 ミラージェが周りを見て思いついた感じで、鳥海を見た。
「挨拶に困るから教えてくれない?ここの町の名前と、帝国名。帝国で覚えちゃって、○○帝国とか言いそうなのよ。」
「・・・。」
 二人とも絶句した顔するな!
「一応ここはマルワール帝国、首都”ゴルドワナ”だわさ。ちょっと呆れただわさ。自分の住んでる町覚えてないレベルだわさ。」
「覚えてないが?」
「え?」
「前世は移動が多くて、地元の付き合いが薄くて、住所は届いた郵便物見ながら書いたぞ。でこっちは流れ者の村で、正式名称がないんだ。だから覚えてない。」
「あんた、意外なところが抜けてるな。」
「そう言わないでよ。」
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