魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第123話 ハミングバードはハミングで人を殺す。

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「うーん、ライブでもした方がよかったかな、大音量で。」
 周りにいるのは土下座した村人全員だった。顔は…みてはいけないほどに蕩けきった顔だ。
「これは?」
「うーん、ライブでもした方がよかったかな、大音量で。」
 戻ってきた私たちが見たのは。ミヨちゃんの周りにいるは土下座した村人全員だった。顔は…みてはいけないほどに蕩けきった顔だ。
「これは?」
「ああ、護衛用に念の為に”魅了の歌”を口ずさんでいたの。あれは聞こえていればいいから。」
 ミヨちゃんの魔法というか特殊スキルの一つで、”魔歌”というものだ。欠点は2小節聞かせないとと効果がないうえに相手が歌詞を理解できないとだめだ。但し効果が発動すると、聞こえた全員に効果を発動する。が音楽が終わると徐々に効果が薄れる。魅了だと強制的に好感度+20され、戦闘意欲がなくなる。ロックだと戦闘意欲と士気が上がる。逆に音楽が他の音とかで阻害されれば効果を失うという感じだ。効果の補助が多いが聞こえていればというのがポイントで。例えば風魔法で拡散した物でも効果を発揮してしまう。耳栓か歌詞を他の音で妨害すれば防げるが、初見殺しの一角なので、何も知らない村人で防ぐことはできない。
「でもこれは…。」
「だってみんなハム祭りのはずでしょ?暇だもん。子供が荷車身に来るなら、まいっかなって思ったんだけど、村人全員ってどうよ?」
 この姿には村長も焦りを通り越して、その場に突っ伏した。
「戦闘にさえならんかったな。さて、商売が終わったから帰るぞ、あと村長、今後分かっていますよね。」
「あ・・ア…。」
「改めて、交渉お待ちしてます。行くぞ、商談は終わった。」
「じゃ、みんな、まったねー。」
 馬車がゴーレムに押され、井原もまた馬車に乗る。それを名残惜しそうに見送る村人と、悔しそうな顔をする村長のたい肥がつらかった。

「結構蛮族思考なのね、みんな。」
 次の村に向かう荷車で。ゴーレム2頭立てに挑戦中のミヨちゃんだった。が村人に制裁を下さなかったのは、地理だ、あそこは帝国首都の真横だ。そんなところで虐殺すれば又はひっ捕らえて帝都に持って行ってしまえば、下手すると帝国の経済が成り立たない恐れがある。そして鳥海の領域の事は鳥海に任せるべきと判断した。あえがDP元でもあるからだ。
「ああ、大方、奪う奪われるが多いのだろう、これは形でもいいから護衛を立たせないといけないな、シルキーに冒険者の格好をさせるか?」
「いいかもね、鎧はこっちが作るとしても、武器は?」
「ああ、実はそれが問題なんだ。」
 そう、あのルーレットフィールドダンジョンの奥に小さくある”出口のメイズ”にある聖剣(偽)の大理石の剣だが、本来は廉価版の弱い木刀だったが純白の色合いが気に入って何故か、第2軍団を象徴する剣となった。ついでに現在鳥海さんのダンジョンで見本も仕方なく渡したし、現在は黒曜石シリーズ共々リスト入り、その為実は合併から荷車を動かす間にサンテは学習が終わった後に、リストに注意書きの付箋を入れる作業を他のダンジョンコアと進める羽目になった。でないと、リストが混乱するほど多くまた、素材も多い、ついでに鳥海さんの思い出グッズは美容品、洋服が多く食べ物は少なめだが、メガネがあった。これに付箋を貼る作業も辛かった。ついでに下着も数点あるが、これだけあってさえあの”ミーア下着”に勝てなかったらしい、履いた時の感触が桁違いだそうだ。ついでに文房具がひたすら多い。この辺は秘書らしいな…。それでか、紙で狂喜乱舞したのは…。それたな…
「新規開発でしょ?」
「そうなる。」
 黒曜石の剣は市場開放できないし、タングステンブレードも一緒だ。ついでにこの辺は7ケタ8ケタ飛ぶ、オリハルコンは鍛冶師の連中が探しているらしく、SNSにブログがあった。そして、ファンタジー定番のミスリルも報告が上がっていた。”銀+純鉄+魔石”による鉱物で合金でしか完成しない。自然には存在しない。でもう一つの結果として、実験して”魔石”は金属生成では作成できないがそれ以外は”鉱物”扱いだ。だから、混ぜて合金が可能らしい。但し脆い、魔石がちょっと軽いハンマーでたたけば壊れるくらい実際脆く、魔石の剣を作ってみたが、一発で砕ける。但し、魔法がそこを通過し、内部の魔力を使って魔法を使えるため空気中に拡散しない方法を取れば魔法強化機能が期待できるという。但し銀も性質上は脆いし密度、粘度に差し込む隙間が無いと魔石が浸透しないらしくミスリルは開発出来たが。次のステップに行かない。という話である。
「ミスリル武器防具か…。」
 タブレットを見た先にはミスリル記事がある。
「これ?」
「ああ、これだ。これに改良を加えシルキー用の武器防具を作る。が…結構難航するぞ、」
「どうして?」
「今までの事を覚えているか?大理石の剣でさえ、あんなに重宝されるんだぞ。それがミスリルだぞ、鉄も使う、まだ”露天鉱”の粗悪な物しか市場に無いのに”純鉄”を用意しないといけないんだ。さらに銀鉱脈は探査待ちだ。魔石は現在ダンマスだけの素材だ。どうやって持ってきたことにする?」
「あ…。」
 ここに出てくる問題は技術の問題である。急激すぎる発展はそのまま敵を生む。荷車でさえああなのに。そして、私たちが”ダンジョン一般開放”の話が出たのもこのゴーレム車の話がある、このゴーレム車を使うには現在”ゴーレム”が欲しいが、当然土魔法使いがいない。風魔法使いの機動力だと大量運輸には軽量があると便利だが
ゴーレム荷車による大量運輸には勝てない。で、これちらほら実は第一軍団から出始めたのだ。それを見た貴族の御用商人たちは当然荷車とセット出てくるこれに、食いついた。あれば商売に大量運輸時代が来るからだ。が問題は鳥海さんのダンジョンは当然”軍施設内”だ。中立スポナーモンスターが人を襲うのを込みで入れたくないというのと、魔法を貴族で独占したい第一軍団、第二軍団、経済発展の関係で土魔法運輸とかを一般に出したい鳥海さんと激突した。現在輸送、補給部隊がの話が専用軍団にならないのはこのゴーレム運輸を貴族が自分でやっているからである。それにより魔力さえあれば荷役は人の手を使わなくていい。これが極めて大きい。当然兵士数十人の活躍もするし、貴族がいれば戦闘が成り立つ程度には軍事改革された。がこれをねだる商人が絶えなかった。商業発展で物資を増強したい鳥海さんとしてはせめて土魔法程度は市場に出したい火魔法は別だが。あれはレベル上がれば上がるだけ火力が上がる仕組みで、その為扱いづらい。この辺が絡み、交渉が進んでいる。ただ、魔法の力は強力でこのゴーレム運輸をしているイーハ商会にも当然人が来て、”魔法寄こせ”になった。がそんな寛太に銃が渡せるか!と同理論である、で、最初は土魔法をシルキーに覚えさせシルキー馬車
という話をするつもりだった。が・・・。
『その魔法どうやって手に入れただわさ?』
 という質問を前に砕け散った。説明できないのだ。魔法の出所を。ある意味これも早すぎたのだ。世に出すのが…。ついでに第二軍団でさえ生活魔法で無双可能でちょいちょい出てきた土魔法使いという感じである。
「でもさ…。」
「分かる。私も考えているが、あの村の具合を見るに…わかるだろ?」
「分かる。そして、持つものがいて持たざる者がいる。」
「だからこそ偽装する。どうせ、バイラードの皮も余っている。なんか作ってみるさ…。」
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