魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
上 下
109 / 1,319
第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第109話 誰もいないはずの新築家屋に…。

しおりを挟む
 あれから一週間、コアの観測班の元…大使館が出来上がり、そして…そこに鳥海さんが、肉喰いに来てた。いや、あの人言ってる事とやってる事が違う恐れあるな。まあ客として、目を輝かせ飯を食っている。あのねぇちゃんは、ある意味幸せだな…。最近は人員が狩人から少し余りはじめ、そして”香草ステーキ”の本場として帝国から人気が出てきて、流れ者の村に徐々に…鳥海さんを除いても人が来るようになり、ついに対外施設”サルーン宿屋”を建築。村人に経営させる事となり、ウルフェが巡回するようにした。村の守りは現在戦闘訓練としてウルフェ。そして教育にオウルではあるが、今回は
「地図寄こすだわさ、とっとと現地に先乗りするだわさ。ぺリシェは私が抱え、ミギールは私についてくるだわさ。」
 コア特製航空写真地図を渡すと、ポイントを明記しておいた。場所はシロウがいる村だ。
「現地で待ってるだわさ。そのダンマスへの連絡は任せるだわさ。」
 そう言うと、身長の2倍ほどの鳥となり…ミギールさんも一緒でその腹に紐で、コアの少女が括り付けられ…飛んでいった。そう言えばあの人、鳥のダンジョンマスターだ。
飛行が得意なはずだ。
「ホッホッホ。どうする?」
「サンテ、向こうにダンジョンバトル軽油のショートメッセージ。会談を行いたいと。境界線に小屋を築く。そこで待つ。」
『了解。』
「我々も、」
「そうだな、今回は鉱床が長くなる。それにあいつが空を飛んでいくのをはじめてみたが…。」
「あれ、チョッパや、音の壁にぶつかるんじゃないかな?それくらい早い。」
 呆れた目で、ミヨちゃんが見ているが…。ああやって見ると、大方考えるより実際は強いとみてる。
「じゃ、行くよ、」
『サルーン設置します。』
「頼んだ。」
 軽く階段を降りると、全員がそろっている、
「移転!」
『あ、言わなくていいです。設置も終わりました。慣れてますしね、』
「気合ぐらい入れさせてほしいね。」
『叫ぶだけなら自由です。』
 外に出てみるといつもの職場に近いサルーンだが!
「報酬渡しに来ました。」
 流石に全員が凍った。できたばかりのサルーンに一人の少女がいた。
『ハーリス様!』
 ちょっと待て!そこはできたばかりの上に誰も…何も設置しなかったはずだ。しかも出来て数秒だぞ?
「おめでとう、サンテ、お祝いに来た。」
 流石にミヨちゃんもオウルも構える。気が付いたようだ。
「いい子だね。」
「室長!」
「どういう事?」
 慌てて飛び出てきたサンテが前に立つ。コアのサンテがこれだけ強くて…大方、ハーリスさんには勝てない。
「あの時言った上乗せ分を聞きに来た。」
「もう少し後でいいぞ。」
「いいの?」
「ゲームで泣きを入れるのは最終手段でいい。」
「ラストエリクサー…。」
 俗称”ラストエリクサー症候群”貴重なアイテムを保存して、最後までつからないままゲームを終える事だ。l
「使う必要もないから、使わないっていう選択肢はないのかね?だからこそ、貸し位置で取っておいてくれ、それは心臓に悪い。」
「確かに、ついでに追加報酬はサンテに連絡しておく。心臓に悪いぞ。」
「確かに、では。後の図面もお待ちしてます。」
 そう言うと、今度は徐々に姿が消えていった。
「あいつは?」
「ハーリス様。ダンジョンコアのカスタマーセンターです。でも、あんなおちゃめでしたっけ?」
「あんなホラーが?」
「伝説のコア様ですよ?」
「伝説?」
「伝説です。」
 よくわからないノリだが、あの少女は伝説らしい。サンテの力強い頷きが怖い。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...