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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第107話 念願の…

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「ふむ…確かにいるだわさ、私が知ってるので2種。」
 そうコアの素体で欲しいので”職業付き、下級モンスター”の話を聞いてみた。
「一つはゴーストだわさ。非常に弱いけど偵察には強いだわさ。但し、憑依を使ってかなり暴れられるので、戦闘力は見た目よりずっと強いだわさ。もう一つは聞いたことあるだけだわさ。ミニゴブリンだわさ。」
「ミニゴブリン?」
「ゴブリンは中位だわさ、ならゴブリン系の初級は?」
「あ…。」
 よく考えてみたら、ファンタジーの基本であるゴブリンが”中”なら、序盤のモンスターって誰だよ?ってなるよな。普通。
「と言って出てきたのが”ミニゴブリン”だわさ。鬼のファクターの特典モンスターで、市場には当然出てないだわさ。」
「ふむ、そうなるとゴーストか…。」
「あげるだわさ、豚骨スープはうちが卸した肉の骨から制作してみるだわさ。それにゴーストなら結構ガチャで余りまくっただわさ。」
「いいのか?」
「ガチャの余りは大量にあるだわさ、手持ちの草系もおまけにあげるから、DPで買って欲しいだわさ。」
「分かった。後…。」
「そうだわさ。井原に注文があるだわさ。やっぱり皇帝から注文が出ただわさ。新年の料理の素材。パーティ300人分の料理を用意せよ。だそうだわさ。ハム、香草ステーキ後新作料理もだわさ。形式は送るだわさ。で、そこでモアレたちの叙勲式を行うだわさ。で、偉業として王の眼前で何かやって見せる事。が欲しいだわさ。そうでないと
村の人間に地位は出せないと、貴族どもに言われただわさ。流石にこれは軍団長もかばえなかっただわさ。」
「そうか?」
 モアレも最近は箸の使い方に慣れ、普通にとんこつラーメンを食べるな…。そろそろ煮干しの生産の話を出して、魚介系Wスープラーメンとか作ってみるか?
「ただ、第2軍団はモアレの事を”英雄”と思っているだわさ。だからそれを見せたほうが速いとか言い出しだだわさ。だからお願いだわさ。」
 そりゃあ、パークボアの突進を受け止めれるだけの体力があり、4人係りで戦うパークボアが二人又は一人で仕留めれるんだから。
「分かりました。…不安だけだ。」
「お姉ちゃんなら大丈夫だよ、練習しよ?大体…。」
 今の季節からすると…。あと2か月って所か。」
「で、後、今は館が完成していないと止めてるが、新作ステーキとか食べたくて、行く機会を皇帝がうかがってるだわさ。ぎりぎりまで工期引き延ばししてもいいがせめて
一か月前に新年向け料理を出して、味見させてほしいだわさ。皇帝が暴れて、仕事が進まなくなる恐れがあるだわさ。」
「あんた…。」
「飯もまた幸福だわさ。NGOで私が持って行ったのはインスタントラーメンの作り方だっただわさ。だけどパッケージに”ポリエステル”が欲しいだわさ、がその包装紙を買う金がその国に無かっただわさ。でも旨いと喜ぶみんなの顔で勝利を確信しただけに、今でも惨敗が記憶に残るだわさ。だから言っておく。飯は国の根幹だわさ。」
 こいつ、味見に来て、晩餐会に耐えれるか調査していたのか…。
「私は建築家だ、こういうのは専門外だ。この辺は趣味だ、お前らが勝手にやれ。」
「だったら、料理人派遣するだわさ。」
 喧嘩腰ではあるが、お互い、人を思っているのは理解できる、だからこそ…色々考えないとな。

『では、ゴーストを?』
「ああ、ゴーストを君にやる。で、投資して強化して、一か月をめどに鳥海と西の村に向かう。そこで会談を仕掛ける。」
 連中が帰り、井原が夜、図面を引きながらコアルームに籠っていた。レベリングをするうえで、ストック栄養成長法が使える数に限界がある。なので仕事を与え、シルキー部隊を編成することとした。そして、それに先んじて、ゴーストを数体市場で買い付け、”憑依”の抽出を行っている。
「で、君の名前と後今回は言ったDPで肉体がつけれるだろ?」
『はい、資金も足りますが…。』
「ストック用に悪魔ボディ一つと、ゴーストを用いて、ゴーストを君の素体にする。」
『は!』
「実は名前は非常に悩んだ。子供に名前を付ける時に2週間と言われ、仕事を休んで山手線にずっと乗って考えたあの日を思い出したよ。それでも思いつくのに一週間かかった。」
『マスター。』
「サンテ。フランスで中央の…女性読みアレンジだ。後サンが英語で太陽という意味にも見える。なので、君にピッタリだと思った。」
『マスター。』 
 少しコアの声が震えているのが分かる、普段は無感情なので…何となく喜んでもらえたようだ。
「これがらも、不束者ですが、よろしくお願いします。」
 出てきた女性は秘書のようにスーツを着た女性で、整った顔つきだった。が体がホログラムみたいに薄い。
「よろしく、サンテ。」
 妻の結婚式当日に衣装を見た後に不束者ですがよろしくって言われて、赤くなったあの日を思い出した。その体と、その顔が妻そっくりなんだ。…ちょっと口元がしょっぱいな。
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