魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第104話 ライバルのいる相手は殺気が全方向だった

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 そして次の日に来たのは黒い肌のオールバックの…見た感じヤクザのおっさんだった。またもキャラが濃いんだが…。今のところキャラの薄いダンマスに会ったことが無い。が、これは痛いな…。脇の二人も、チンピラ1,2だが殺気が凄い。ミヨちゃんたちもさすがに委縮してる。
「い、イラッシャイマセ…。」
「よくぞ…。」
「気にしなくていい。有能なダンマスは嫌いではない。君のルーレットフィールドを買いたい。そう言う物だ。私は魔王国の黒川だ。よろしく。」
 やった、話し方が普通だ。但しこいつが当面の敵だ。敵でいいよね?
「井原です。よろしく。予算を言っていただければ形状の問題で、設計しないといけないので、使うフロア、およびルーム数の指定をしないと設計図が引けません。」
「何部屋でもできるのか?」
「モデルルーム見ます?」
「ああ、見よう、私が導入するものを見て、それ次第で、私が優位に立てるからな。」
 そして来たのは”パークボア狩場”だった。
「なんじゃあ!」
 チンピラ1が思いっきり周り見て驚いている。地平線があるからな、このダンジョン。
「兄貴!これは!」
 チンピラ2もうろたえている。現在いるのはパークボアの他に鹿もいる自然公園みたいな作りだからな。
「黙れ!阿呆が!そんな慌てれば相手の思うままだろうが!見ろ、俺を!慌ててないだろ!」
 いや、あんたが一番震えてるよ。
「流石兄貴!」
 なんか、また残念な人が…。
「この広さが、レベル7フロアで大体300㎦あります。」
「は?」
「市とかそのレベルの大きさです。但しここまで大きいと、遭難しますね、普通に。だから離れないで、捜索するのは面倒なので、」
「この草は?」
「はい、これは雑草でスポナー産です。なので、草食動物をはなてばこれを食べて育ってくれます。」
「DPで建築は可能か、これに。」
「それは設計の際に決められた区画以外ルームを数センチ単位で細切れにするので不可能になります。」
「が、これか…。」
「じゃあ、ここはこの平原しかないのか?」
「一応人間がいるので行きませんが、そこに回復小屋を設置。回復させ、人間に動物を狩らせてDPを供給してもらっています。」
「進んでるな…DP稼ぎの最前線ではないか…スタンピード法よりもこっちの方が効率く見えるぞ。」
 実際人間が弱いうちはかなりDPを吐いてもらっている。今もこのフロア…大体日に4万DPの収益が出ている。当然人間が生きにくい箇所モデルがそこは獣がDPを出す。なので、そこまで極まったロスが出にくいのが売りだ。
「レイド用スタックルームとして十分使えるな…。これは生態系ができるんだからな。」
「レイド?」
「ああ、レイドだ。レイドバトル命令でルームを解放すると、スポナーのモンスターにも命令ができるようになる。それを使うためにスポナーモンスターの貯め込み場所が欲しいんだよ、そこで君のルーレットフィールドだ。」
 …そういう事か、スポナーでモンスターを作ってもダンジョン内に作っておいて飯が欲しい。そうでないなら整列させれDPで量産してもいいが収益は中立がいれば稼げる。となると、中立生産軍隊をダンジョンに置く必要があるが、ルーレットフロアの生態系形成で、その維持コストが減る、又は医事課可能となるんだ。草食動物のバイラードの大軍をレイドで支配においてスタンピードさせ、国を落とすことも可能だ。が、ここで売らないと言えば場所がばれる。
「どれくらいの規模、そしてルーム数が欲しいでしょうか、」
「私はこう見えてダンジョンレベル9、なので、そのルームの限界数ならこれより広くなるだろうが。私の部屋も欲しい。なので、こいつをそのままもらう、ルームコピーはできるだろ?」
「はい、そうなると1ルーム10万の2940万DPとなります。」
「結構高いな、」
「これを作るに相当私財を投じました。なので、その分を回収したいかと。」
 流石に吹っ掛けさせてもらう、
「なら、おまけとして、あの背景にあった家もつけて欲しい。それはいいか?」
「はい。では2940万。」
「兄貴…。流石に3千万は。」
「黙ってろ、6千万までは用意したんだ。予算内だ。もっと特殊なトラップを使ったかと思ったからな。この金額なら、市と同じ領土が入るなら安い。」
 そう言う考えもあるか…。
「では納品させてもらいます。よろしいので?」
「ああ、君の事は今後も注視させてもらうよ、有能なダンマスを支援するのはやぶさかではない。」
「分かりました。」
 全員がお辞儀するが…その顔は、ちょっとした焦りでいっぱいだった、大丈夫なのか、俺達。
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