魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第３章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第９９話 最新鋭都市に来たはずが、田舎に来た気がするのは施設のせい

「ここが俺の家だ、まあ、狭いがな…。」
「あんたはここの出身か？」　
　中に入った家は狭く、木の板もぼろいがそれ以上に薄い。そして壁は土づくりで藁が混ぜられているようだ。藁が湿気を吸うので。実は相性がいいが
「いや、近隣の村だ。ここは軍隊が多くて、大臣が物を買うので、村の代表者を呼びつけて、そこで村の物売らせたんだ。その金額の何割かが租税対象となる。売上銀貨でしか受け取らないって行っていてな。それで、各村が慌てて代表を送ったんだが、物を売り買いするなんて何すればいいのかわからん。で、村の物を売ったんだ。で、近隣みんなそうだから、行く先々で、出店とかの為に渋々歩く村人を捕まえて、で店が出来ちまった分け。で一定以下の租税だと、村に軍隊を送るって事だからさ。で…。この辺にはそういう店がいっぱいあるのさ。俺んところも。いくつかの村の物を販売して、そこで撃ってみてるんだが、まったく売れなくてな…。」
「いくつか条件が満たされるなら。うちで全部買うぞ。で、租税の話はあんたに来るのか？」
「いや、村長の商人さえ認めれば、租税代理人の証が来る。そこに税務官が来る。そして納めればいい。もし収めたなら、使者が収めたと村長に行き、商人が払わなかった場合のみ、室長の召喚状が行く。」
　これは租税の効率化か。ダンマスは実際租税をかける事は必要ない。が少しは掛けたほうがその為に仕事もしてもらえるしＤＰ効率も上がる。これは、皮鎧を作って貰う際に緩急をつけて、計測した結果だ。じゃあ、なんでこんな複雑なシステムか、単純に”商人”をこの世界に根付かせる気だろう。商人を作り、そして、商業発展させる事で幸せにする。そしてそれを”サイクル可能”にすることで最終的に…みんなが幸せなんだろう。自然と共存できるならこうＤＰ生産ができる人間との共存は動物たちの発展という感じだろうか…。が、これには致命的欠点がある。
「でも、あんた…。」
「そうだ、商売とか言われても全然わからん。」
　そう、商売のやり方知らん奴にシステム押し付けても。何もできない落ちこぼれを生むだけである。だからこういう奴が生まれてくる。実際モアレに商売をさせず異世界人のジャンに子供だろうが商売を任せたのはこの理由がある。男女んモンスターは当然計算ができる位、ある程度なら、行動予測もできるほどに知識もある。がモアレはそうはいかなかった。で、村人も試したが、その辺はどうにも中らなかった。で、人が集まってきたことで、オウルにはすまないが別の役割を村でしてもらっている。読み書き計算のの教師だ。で、試験に合格すれば、商会入りをほのめかし、今は教育に力を入れてもらっている、その為偵察は全てミヨちゃんたちでやってもらっている。というのも…戦力比で言うとミヨちゃんは普通に軍隊一人で相手して勝てるくらいに強く、能力も高い。なので、夜の偵察ができないことも夜目の習得でなくなってしまったため、オウルは知力を生かした方針と村の防衛となった。それ位今後を計算すると…人手が足りない。主に商会人数と村の狩人が足りないのだ。
「ふむ、私でいいなら…今後の商売用だ、今年の分は全部買い上げるぞ、種があればそっちも頼む。」
「分かった、今年からのお触れだから、確かの徴税人が来なくていいが、村から必ず一人は代表者を街に置かないといけないのがつらい。」
「私もだよ、ね、ポアン。」
「そうだよ。イーハがいれば大丈夫だから。」
　それ、大方全然違うぞ。ついでにその商人の家に一泊し、今度”ハム”を持ってその村に行くことになった。

「どうするか…か…。」
「ああ、かなりきつい。まず、湿気対策がない、上下水道がない。そして、かまども直火だ。」
　一言いうたびにどんどんモアレとポアンの顔が暗くなっていく。流れ者の村がこの上下水道の為に元の山奥に行く論議になるレベルでこの有無が大きかった。…そうあの見本の家を見て自宅を改装しないとまずい。最新鋭すぎる
家はそのまま寝た身となる可能性がある。
「でも作ればいいじゃん。」
「ダンジョンだとばらすようなものだぞ。そうでなくとも我々は目立つ、今後、ここで香味塩、ハムとか様々な改革品を売るんだ。豚骨スープやフォンドボーの販売もある、」
　フォンドボーは牛骨の煮物スープだが、小麦粉もあるので今後廃品となったこの骨の活用グッズの開発を活性化させる予定だ。
「じゃあどうするんだ？」
「問題はそこだ。ダンジョンは作ってもいいが。ばれるのには問題もある。で、ばれたら鳥海の奴の前例もある。早速砦で囲む可能性もある。あの施設はダンジョン機能が無いと作成ができん。」
「あ…あれか…うウルフェ泣いてたぞ、」
「私も仕方ないと思っている。ダンジョン作った次の日に、建設されたダンジョン防衛の砦の落成式に行き、ダンジョンから引きずられ、そのまま救護班行きだぞ。かといって管理外せば問題も起こる。給料は渡しているし、しかもカンストしたので交代させたいが…。オウルだと、性格上どうにもならん。だから彼女しかないが、一度締めて
タミさんと交換も視野に入れてるが、今度はこっちの人材が足りん…。」
「うわ…。」
　今は修行用を兼ね、救護班としてエルフ2体を送ったので休日に村に遊びに来て、憂さ晴らしに狩りをする程度には今は機嫌が直ったが…あれをもう一回とは、言えなかった。まあ、ブラックに近いかもしれないが、当然休暇が終わると戻ってもらっている。
「となると、建築の骨子は固まったのか？」
「ああ、図面はひける。でモアレ隊は新設されると大方少数部隊となると思う。」
　これは皇帝に言われていた。回せる人員はいないけどなという言い方である。向こうとしても人員の無駄は省きたいのだろうが…ついでによく来る第二軍団が1万人で、貴族の次男及びその取り巻きで構成され、第一軍団が6千。第三軍団が600、第4軍団が24000の軍である。これはこのローマから毛が生えた軍勢としては広大で強大な
軍力となる。そのうち本部隊200がうちのダンジョン駐屯地にいた。で現在は研修先として5000の兵があの砦に駐屯している。で、入れ代わり立ち代わりあのダンジョンに入り食肉卸業に専念している。これが、軍隊の食糧事情をすこぶるよくした。飢えて死ぬことも多いこの世界の住人にとって食事はすなわち幸福を象徴する。その中で
人々に分け与えられる肉は当然軍隊のイメージもよくした。
「でもどうするんだ？」
「しばらくは新年が終わり、任期が終わるまで、一人だ。そのあと村に言って人を連れてきたと言い張り、軍隊を作る。ただ、一応貴族の館という事で後で、どのレベルの建物を建てさせたいのか、見学に行く予定だ。で、モアレたちは、こっちに来たって事にしてもうモンスターだからいつでも村に帰れるぞ。」
「「え？」」
「そうなのか、ってモンスターか？」
「眷属化して欲しいと依頼があったからした。モンスター化したらしい、その時に。」
「大変だな、あんたらも、」
「いや、モンスター化はどっちでもよかった、一緒に居たいだけだ。」
「そうだよ。」
　顔が赤い二人の顔にみてジャンは意地悪な顔をする。
「あんたらもそんな顔をするんだな。が、眷属化か…。」
「俺は実は不老になるから反対なんだ。その辺は。」
「そうなのか？」
「物語だとよく、不老不死は罰だという、死ねないという罰だ。村人がみんな死んでも自分は死なず置いていかれ、決まった人間から離れられず喧嘩も出来ず我儘も言えず、最後には死を求めて狂気でさまよう。死ねるのは幸せである。という話があってね。私は夢があるからやっているが、そのあと、どうなるか…実は考えていない。そんな先のない人生に…。」
　モアレたちが・・・抱き着く。
「一緒にいよう。それでも一緒にいるって決意したんだ。」
「そうだよ、イーハ、私たちがいるよ？そんな顔しないで？」
「いい部下を持ったな。」
「んだば。ええ子だべ。」
「タミさん。」
「掃除終わっただよ、後、地下室の設置も。ただ、隠しダンジョンがいつばれるか、分からないだべ、」
「一応モアレたちには帰れる実証の為に、村の館に返すぞ。但し、村にいる場合、急な来客にはこらえられない。覚えておけ。」
「分かった。では、ちょっと狩りしてくる。」
「お姉ちゃん待って。」
　そう言うと、二人は消えていった。配置変更である。
「んだばどうするっぺ？」
「タミさんはとりあえずしばらくミラージェ側に言って欲しい。で、ウルフェの代わりに狩り小屋改め宿屋の管理業をしてほしい。で、そこで大型のベットも設置するし小麦粉関連とかの食事も提供して欲しい、医療班のエルフは増員できないが…。少し対策を考え、交渉に行ってくる。2週間の間に体制を整える。できればモアレたちに誰かつけさせてやりたいし、モアレたちに土魔法もレベルアップさせもたせたい。だから、ジャンもここが正念場だと思って欲しい！」
「「おう！」」