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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第97話 打ち合わせは数回行いすり合わせる。これが基本。

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「…こういうのを見ると…色々ダンマスという職業も忙しいのだな…。」
「あ、これ鳥海さんだ。」
 そう、眷属化は必ず一回”ダンジョンユニークモンスター”にする工程を経る。なので、せっかくなので、ダンジョン経営を助けてもらうとともに出向時にこっちのDPが使えるようにダンジョン精製権利と、DPを支給した。で、そのついでに手に入ったタブレットから二人はダンマスSNSを見ていた。で、ついでにいくつかスキルを習得してもらっていた。で、私たちは交渉日時を指定し、”直接”ある仕込みをした。
「でも鳥野郎って名前はどうかと思うんだがな…。」
「女でしょ?偽装工作だよ?お姉ちゃん。」
 二人とも人間に変身し、前と一緒の格好なんだが、発覚したことがある。なんとオークになった際に体格が一回りよくなり、筋肉が付いた。で、それにより…。美人になったのだ。で、あともう一つ、叡智の影響か、話す内容が知的になったが、ツッコミとボケの担当のコンビとなってしまった。なので姦しいというダンジョンだ。
「一応鑑定してみただわさ、うちの幹部より、新モアレちゃんが強いだわさ、流石、ルームが売れた金持ちが違うだわさ。」
「で、大丈夫なんだろうな・・・・。シーバード。」
「井原が大丈夫ならいいだわさ。ささ、調印式を済ませるだわさ。というより、枝の祝福でこれを作る事を考えた…あんたが恐ろしいだわさ。」 
 そう言って出されたのが、紙の書類だ。木炭はダンマスにあったので、作り方を聞いてで、自作。そしてその炭をDP登録し…木を巻いて細かく整形して、小麦粉ノリと合わせ鉛筆を作成、で対応する書類の紙を”枝の祝福”から作成した。これ、近くの木を使い加工する魔法でもあるのでこれで、木の加工品である”紙”を作成するのは簡単だった
で、これに感動したのは鳥海さんだった。で、魔法から作る者は当然”コピー可能”だ。但し、成型の関係でかなり加工費を取られるが…。但し現代並みの書面が使えるのは私にとってはかなりを通り越す有利だ。図面を引いて、相手に渡せるのだから。
「で、私の扱いを結局どうするんだ?」
「最初の案として、”辺境公”としてモアレを迎えるだわさ。で、将軍として雇用するには他の貴族を納得させる”偉業”が欲しいとなっただわさ。食生活の改善だけだと。弱いという判断だっただわさ。流石貴族・・・腐ってもこういうのが…。」
「シーバード!」
 隣のおっさんに怒られる鳥海さんだが。今回はダンジョンバトル3人面接だ。王様と、宰相さんと、そして彼女シーバード軍部大臣だ。
「一応、みんなは私の素性を知る少ない協力者だわさ。だた、だからと言って貴族や政治家が好きかと言われれば違うだわさ。前説明しただわさ?義務を果たし恩を売って初めて権利を手元に貰えるだわさ。それもないのに威張り散らす連中は大っ嫌いだわさ。」
「すまないな、モアレ、君はこのシーバードの推薦として…出来れば軍部を支えて欲しい、そこの井原もこれを。」
 差し出されたのは帝国の紋章が書かれた大型のコインだ。
「これはわが国で”御用商人”の証として新設されたものだ。通行所として使える。君たちには、とても感謝している。だから、今後も協力して欲しい。」
「分かった。私も村を守るために、数少ない…私の忠誠を出そう。イーハ相手ほどではないが。」
 深々と頭を下げるこのおじさまは…。清く正しく鳥海の言う”有能な政治家”そのものだった。相手が下ならさげないが下げるに価値があるから”頭を下げる”という伝家の宝刀が生きるのだ。
「井原ちゃんが承認で、で、モアレちゃんが新設部隊の隊長だわさ。これでいいだわさ?これに伴い流れ者の村は正式に帝国領だわさ。」
「それで構わない。が。」
「その代わり独立自治を認めるだわさ。で、パルファンの町と王都に土地数か所を売るだわさ。で、そこに商会として香草塩の販売拠点を作って欲しいだわさ。」
「メッチャングはどうするんだ?」
「現在使者を第二軍団が送ってるだわさ。で、向こうの返答次第だわさ。」
 これが鳥海の作戦だった。というのもこの流れ者の村の合併を情報で流させることによりメッチャングの町をより”従属”の流れに持ち込む狙いがあった。無論スパイは送り込んであり、相手の軍力を悟り、今有名軍団である”第2軍団”を交渉相手にさせ、相手の戦意を折る狙いだ。平和的にすれば当然”街道建設”が可能となる。
「本当に頭がいいんだな…時々このシーバードの言ってる事が理解できないのだが?」
「ああ、暴走するだろうな、当然。あと村に大使館でいいのか?ダンジョンはしばらく。」
 前の約束ダンジョンの件は先送りした、今の現状で無理して作れば、お互いに悪影響と判断したからだ。でそこに本国からの指令を届ける”大使館”を建築する。で、ここを経由して、正式に鳥海さんが流れ者の村の住民になった。というのも…。
「それは構わない。無理を通せば道理が引っ込む。無茶をさせれば、社員が死ぬ。」
「流石井原だわさ。その代わり建物は…。」
「私に建てさせろ、そこから接収でいい。」
「えっと…。」
 おっと、急に顔をこわばらせてしまった。
「この子の欠点だわさ。この井原は建物を建てるのが大好きだわさ。その為、建てれるチャンスは見逃さないだわさ。」
「ああ、しかも取引先の事務所だぞ?名誉ではないか。」
「…よくわからないが…いいのか?」
 流石の王様も呆れたようだ。
「で、要求としては王都に領域を。」
「分かっただわさ。井原。慌てる乞食は貰いが少ないだわさ。そこで大々的に香草塩を売って欲しいだわさ。特に貴族が欲しがってるだわさ。」
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