95 / 1,309
第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター
第95話 告白されるときは突然
しおりを挟む
「で、なんだ?」
井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「で、なんだ?」
井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「・・・。」
井原はコップの水を飲み込んだ。
「眷属として迎えて欲しい。」
じっと強い決意で、井原を見つめていた。
「いいのか?」
「ああ、考えた。最初のうちは人間のほうがいいと思っていた、村も発展してきた。お前がいない所で村で毎晩話あった。そして、もう一人こっちで村長を建てる。でそいつの元にこの村は新しくなる。で、私が将軍として労働力を貸す。妹は…。」
「私も付いていく。お姉ちゃん一人にそんな事はさせたくない。」
第二軍団に応援に行った際に尊敬される程度には二人は強く、実際軍に誘われたが断っていた。そしてこの案件を持ち出した際も、第二軍団将軍がこの話を後押しして帝国側の承認を得た。ついでに第二軍団は今後、”警備方法支援”から”魔法大隊”となり、攻撃を担当することになった。
「あんたに受けた恩はそれは私一人では返しきれない、村のみんなもそう思ってる。だからこそ…私の身で、返したい。」
「イーハ、それは私も一緒。出来れば、不束者ですが、よろしくお願いします。」
改めて、井原は水をグイっと飲みこむ。
「いいのか?SNSの報告によると条件は不明だが眷属化すると種族が変わる場合もある。不老化すると、もう人間としての生も、いや、死もない。いつか後悔するぞ。」
「いい。それにあの時…。」
「そう、初めて会った時お姉ちゃんはずっとイーハのこと好きだったんだよ?私もだけど。」
「え?」
「お前の事が気になって…な…。で、獲物を狩って…。」
「最近忙しくて色々して、留守番だったから寂しくて…。」
井原からしてもそれが意外だった。
「私もイーハが大好きだよ、一緒に居たい。」
「いいのか?」
「いいぞ。私たちは運命だったんだ。そう思ってる、」
二人の真剣な顔に…井原は気圧された…そんな風に思われたのは、前の妻が自分からプロポーズしたので、一度もなかった。
「分かった。認めよう。」
『では、御唱和ください、ソウルレベル3の場合のみ、宣誓文言がございます。同意がないならば、途中でやめてください。この間に一回でも言葉が詰まれば、これは中断します。』
結婚みたいな感じだが仕方ない
『私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
「私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
『私、二人は あなたに忠義を尽くし、死をも超えて忠義を誓います。その忠義に報いるモノを私に下さい。』
「私、モアレは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
「私、ポアンは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
何一つ止まらず、一字一句言えた。その瞬間…二人は光に包まれ…え?
『眷属化処理完了。ですがエラー発生。あなた方の種族が変化しました。が、ここであなた方に選択権があります。』
「なんだ?」
光のまま二人が話す姿は異様だった。
『あなた方の持つ権利により、あなた方に画面を提示、その中から存在を一つ選んでください。』
「え?」
『その存在とのハーフとなる模様です。ただしこの助言に置いてマスターの声は聞こえません。何も見ず何も聞かず、その絵を触り、一つを選んでください。』
厳しい事になったな。知識がある俺なら助言ができるが…。助言なしか…。が、ここで私は手を出すことはできない…。そこから、じっと、井原は待った。どのくらい待ったか、お互いじっと見ている為…。時間間隔さえなかった。いや、感じなかったんだろう。告白されるのが初めてだった。そしてその恋人が…こうして悩んでいるのを見ているしかない。
「大丈夫よ。彼女たちはきっと乗り越える。」
「ミラージェ。」
「第一選ぶだけでしょ?」
子犬がぽてっと私の膝の上に落ちてきた。
「まあな…。が、それだから悩む。第一モンスター知識がないのに絵を見て選ぶんだぞ。何がいいのか悪いのか、全然知識がないはずだ。」
「…そうよね…。でも…。可能性はあるわよ。」
「…何が?」
「だって私もだけど、あなたが混ざるのよ、モンスターになった時から、いや、一緒にいると言った時から。だから、信じてあげて。」
「だな…。」
井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「で、なんだ?」
井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「・・・。」
井原はコップの水を飲み込んだ。
「眷属として迎えて欲しい。」
じっと強い決意で、井原を見つめていた。
「いいのか?」
「ああ、考えた。最初のうちは人間のほうがいいと思っていた、村も発展してきた。お前がいない所で村で毎晩話あった。そして、もう一人こっちで村長を建てる。でそいつの元にこの村は新しくなる。で、私が将軍として労働力を貸す。妹は…。」
「私も付いていく。お姉ちゃん一人にそんな事はさせたくない。」
第二軍団に応援に行った際に尊敬される程度には二人は強く、実際軍に誘われたが断っていた。そしてこの案件を持ち出した際も、第二軍団将軍がこの話を後押しして帝国側の承認を得た。ついでに第二軍団は今後、”警備方法支援”から”魔法大隊”となり、攻撃を担当することになった。
「あんたに受けた恩はそれは私一人では返しきれない、村のみんなもそう思ってる。だからこそ…私の身で、返したい。」
「イーハ、それは私も一緒。出来れば、不束者ですが、よろしくお願いします。」
改めて、井原は水をグイっと飲みこむ。
「いいのか?SNSの報告によると条件は不明だが眷属化すると種族が変わる場合もある。不老化すると、もう人間としての生も、いや、死もない。いつか後悔するぞ。」
「いい。それにあの時…。」
「そう、初めて会った時お姉ちゃんはずっとイーハのこと好きだったんだよ?私もだけど。」
「え?」
「お前の事が気になって…な…。で、獲物を狩って…。」
「最近忙しくて色々して、留守番だったから寂しくて…。」
井原からしてもそれが意外だった。
「私もイーハが大好きだよ、一緒に居たい。」
「いいのか?」
「いいぞ。私たちは運命だったんだ。そう思ってる、」
二人の真剣な顔に…井原は気圧された…そんな風に思われたのは、前の妻が自分からプロポーズしたので、一度もなかった。
「分かった。認めよう。」
『では、御唱和ください、ソウルレベル3の場合のみ、宣誓文言がございます。同意がないならば、途中でやめてください。この間に一回でも言葉が詰まれば、これは中断します。』
結婚みたいな感じだが仕方ない
『私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
「私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
『私、二人は あなたに忠義を尽くし、死をも超えて忠義を誓います。その忠義に報いるモノを私に下さい。』
「私、モアレは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
「私、ポアンは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
何一つ止まらず、一字一句言えた。その瞬間…二人は光に包まれ…え?
『眷属化処理完了。ですがエラー発生。あなた方の種族が変化しました。が、ここであなた方に選択権があります。』
「なんだ?」
光のまま二人が話す姿は異様だった。
『あなた方の持つ権利により、あなた方に画面を提示、その中から存在を一つ選んでください。』
「え?」
『その存在とのハーフとなる模様です。ただしこの助言に置いてマスターの声は聞こえません。何も見ず何も聞かず、その絵を触り、一つを選んでください。』
厳しい事になったな。知識がある俺なら助言ができるが…。助言なしか…。が、ここで私は手を出すことはできない…。そこから、じっと、井原は待った。どのくらい待ったか、お互いじっと見ている為…。時間間隔さえなかった。いや、感じなかったんだろう。告白されるのが初めてだった。そしてその恋人が…こうして悩んでいるのを見ているしかない。
「大丈夫よ。彼女たちはきっと乗り越える。」
「ミラージェ。」
「第一選ぶだけでしょ?」
子犬がぽてっと私の膝の上に落ちてきた。
「まあな…。が、それだから悩む。第一モンスター知識がないのに絵を見て選ぶんだぞ。何がいいのか悪いのか、全然知識がないはずだ。」
「…そうよね…。でも…。可能性はあるわよ。」
「…何が?」
「だって私もだけど、あなたが混ざるのよ、モンスターになった時から、いや、一緒にいると言った時から。だから、信じてあげて。」
「だな…。」
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。


婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる