魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第2章 村と街とダンジョンと

第88話 権力者や大手企業を断る異世界人は多いが、それ、本当にいいのか?

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「早速楽園から連絡がありました。フィールド型を購入したいと。その為に交渉したいとの事です。」
「いつもの会議室をこっちに設置してくれ。そこで行う。ルールは会議用の物を提案!後、隣に一部屋、”草原フィールドルーム”を設置!」
「了解しました。」
 肩にミラージェを乗せ。会議室で待つこと数分。…3人の女性が現れた。…おかしいな…今回は”部下一名迄”しか侵入できないはずだが?
「お久しぶりです、井原さん。」
 これは最初に交渉した時に話した。普通の少女だ。
「私が、鈴香だよ。姉の補佐に参りました。商談という事で。」
 こっちは明るいワンピースが似合う少女って感じだ。ふむ、が都市はそれ相応に見える。
「私は春宮綾香と申します。母です。」
 こちらは見た感じ妙齢のマダムだ。母というのは間違いないだろうが見せる肌もきれいな美人で、ママさんって感じだ。
「部下は一名では?」
「いえ、全員私でもあります。今回部下は失礼と思い。一人できました。」
「首…ですか…。」
 私のミラージェと一緒か。相手は双頭持ちだったな。そう言えば。
「で、フィールドは完成したので?」
「あちらにモデルルームを作ってます。」
 指さした先には草原が広がっていた。
「これは・・・。」
「お姉ちゃん、いい?」
「いいわよ。さしてみて。」
 そう言うと妹の鈴香が少し柔らかい土に足を突っ込む…え?
「うん、かなり気持ちいい、あ…レベル上がっちゃう…。」
「どういうことだ?」
 あの鈴香さんという人の顔が赤く・・・興奮したようだ。
「少し不作法ですが…。」
 彩音さんが、なぜか水筒を虚空から取り出し、鈴香に渡す。
「結構急だから、効くねこれ。で、これならみんなも耐えれると思う。むしろこれ、かなりいい感じだよ。」
「鈴香、ありがとう、」
「どういう意味だ?」
「私たちドリアードで、鈴香が、”木”なので…。鈴香が入って土の具合を確かめたのです。これなら、植物の生育もちょうどよく、栄養死しないで行けそうですね。」
「まあな、普通のたい肥と普通の弱酸性化材を用意した。自然由来だ。で登録として、畜産放牧が可能な草2つと木が一つ。用意してあるから、スイッチ一つで草原と農地の切り替えが可能だ。」
「な!」
「一応これを斜面化して登録したスポナーの状態を弄れば山も可能。森も可能だ。スポナーは編集可能にしておく。で、これをいくらで買う?」
 流石に3人の顔が曇る。
「酸素濃度は?」
「それはそっちの役目だ。付属品に入らん。」
 これは実際コアに聞いて確かめた。本当は高山も作りたかったが、それはダンジョン自体がいじる”環境変数”になるので、設定不可能だった。
「ちょっとお待ちください。鈴香を正気に戻しますから。」
 あ、これ、直視してはいけないほど危ない蕩けた目だ。ちょっと恥ずかしいものを見た感じになったので、俺達は会議室に戻る。が、声は少し聞こえる。まあ、コアに監視も当然させている。生
の声は次の商売に必須だ。

「どう?母さん。」
「凄いわね。これ、ネル様に頼んで。量産できないかしら。あの方なら同じの出来るだろうけど…。」
「バランスが絶妙で、これならウォーキングプラントやトレントさんが喜んでくれるよ。これで霧雨でいいんじゃないかな?」
「かなりいいと思うけど…。問題は広さよね。狭くない?」
「いえ、買いよ。土づくりは流石にネル様に頼むのは…気が引けるし、自然由来なら。肥料買い付けすれば外でも行けるでしょ。あの土の育成は早すぎていたいから、これならきっと。でも高いわね。」
「だよね。うちの予算そこまで無いから…。予算に応じてって感じかな。」
「酒粕入れたほうがいいかな?」
「それを混ぜてスキャニング…は難しいわね。解析して、作るしかない。が…。」
「まあ、初心者支援も一応予算が下りるから。そっち枠で頼みましょう。今回は魔王城から融資を受けるって事で。」
「分かった。」
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