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第2章 村と街とダンジョンと

第81話 現実の動物もモンスター並みの奴もいる、

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「…で、私だわさ?」
「ダンジョンバトルだろ?」
「電話代わりに来ないで欲しいだわさ、今、みんなで井原からもらうペットを会議中だっただわさ。」
 来てもらったのは鳥海さんだ。当然自分で戦えないなら、自分以外の強いやつを使えばいい。で、思いついたのがこの人だけだった。
「そっちのダンジョンに送るモンスターを決める物だ、で、ダンジョンバトルを行い、一体ずつ、30分に一体送るでいいか?で、感想を欲しい、君たちでないと戦闘もできないから、どっちを設置するか悩むんだ。」
「何を置くつもりだわさ?」
 少しは気になっていたようだ。
「ブルグスティと、バイラードだ。」
「ブルグスティはガチャで見た事あるだわさ・・・あれが常駐だわさ?」
「スポナーで設置予定だが、判断だと、村の狩人たちが武器の身長を頼むレベルだった。魔物だから魔石も出るだろうが…。」
「確かに守の扱いで注意だわさ、だけどあれを倒すとなると、兵士が小隊か中隊クラスの動員が欲しいだわさ。」
「やっぱり…。」
「で、もう一方のバイラードはどういうのだわさ?」
「もっとやばい、見るか?一応今回は待機ルームを隣に作った。」
 そこにはモアレ、ポアン共々、見たことないためか、珍獣を見る感じでみんながいた。
「いでよ!バイラード!」
 ちょっと気取ってみた。
「な!」
 全員が驚くのも無理はない。そこにいたのは、高さ4mのサイである。ついでに地球にいるサイよりさらに大きい。
「これ…。」
「ダンジョンバトルで出てきたら、死ぬだわさ。矢が効くだわさ?」
「いえ、私の蹴りはなんとか通じるでしょうけど。」
 どうも鳥海さんの部下たちが囲んで見つめている。バイラードは…ちょっと恥ずかしそうだ。
「大方、出てきたら、オーククラスが来ても弾き飛ばされるでしょうね?角も立派で刺さったら最後、かち上げあげられます。」
 …だろうな…。
「頑張ってシールド班や、土魔法が頑張れば行けるでしょうけど。難しいですね。被害0は無理だと判断します。エルフ部隊で魔法で取り囲めば…。」
「ミーギルでもそうだわさ?だとすると大取物になるだわさ。量産されたら最後、」
「欠点は通路で防げるって事です。大きさですね。」
「そうだわさ・・・って事は狩る前提で…。囲めば行けるだわさ?」
「となると…エルフ魔法部隊か、ダークエルフ魔法部隊が欲しいと思います。」
 部下の、紳士の人が答える、部下までダワサダワサ言っていなくて本当によかった。
「革は?」
「大方、最高級レザーアーマーになると思う。革の厚さが半端でないからな。が作るに手間になるし、それでどっちがいいのか放すつもりだった。どっちかをスポナー設置して置いておきたいと思ったんだ。」
「スポナーだわさ?中立だわさ?」
「そのつもりだ。流石にこれを自然で放つと幅が森林破壊になる。」
「確かにだわさ。サイも放つと草原が欲しいだわさ。餌場と水場が欲しいだわさ。でもこれなら欲しいだわさ、そっちにこっちから革を取って送れば産業になるだわさ。こうやって見るとバイラード欲しいだわさ、ただし一万クラス。モンスターガチャは苦手だわさ。」
「ふむ…。確かにそっちで狩るなら…。データは送っていいな、じゃあ、向こうのフィールドにはパークボアと、ブルグスティでいいのか?」
「一応、被害の数次第では、ブルグスティを下げるだわさ。大方魔法のオーブで狩れるようにしないといけないからメイズ―フィールド(ボア)―メイズ―フィールド(ブルグスティ)になるだわさ。第3エリア目あたりで火魔法でいいので、魔法が欲しいだわさ。狩れなければ意味はないだわさ。」
「分かったが…運ぶのは?勝っても運べぬなら、意味はないぞ」
「…。」
 流石に全員押し黙ってしまった。メイズのきつさは、鳥海も、くるくるメイズのきつさを聞かされて知っているモアレたちもこの巨大な獣を担いで歩くという非常識さを知らないわけではなかった。
「確かに…。」
「それは考えていなかっただわさ。」
 いくら皮が貴重でも運べぬなら意味はない。じゃあ、外に放つのかというと、用地を探すだけで手いっぱいの上にさらにスポナーは12000の2倍の50倍即ち100倍の120万DPとなる。そんなDPの支払先ともなると、さらにこれに生産DPの12000DPがかかるのだ。どうしようもないを通り越してきた。育てるのは簡単で、中抜きストーンゴーレムスポーンを作り、値段を下げたうえで、突進させ、実戦をかませればバイラードはいずれ次のステップに行くだろう。鹿も同じだ。最近開発の”雑草スポーン”のおかげで草食系のモンスターの食事育成もスポナーモンスター育成も簡単になってきたからだ。
「その辺を含めちょっと会議させてほしいだわさ。ちょっと計算外が多すぎるだわさ。」
 結局ダンジョン計画は又も中断となった。
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