48 / 1,270
第一章 流れ者の村
第49話 ローマ式工法の村
しおりを挟む
村人に退避命令を出し、あの時置き去りだった家財をダンジョン内部にしまい込むと…モアレとポアンだけは外に残った。そして目に飛び込んできたのは奇跡だった。
「なんだ!」
「これがマスターの力だよ。」
そう、突然せり上がる地面。浪打ち整備され、古い家は全て消え去り、その跡地には道路整備された道と数多くの木の建物が立ち並ぶ。確かに木は足りないが、”魔素偽装工法”により魔素で木材を前借りした。その分を後で木材を入れる事で維持費を一時的に発生するにとどめるのだ。そして家がそびえたっていく。
「凄い…。」
「マスターは凄いんだよ。」
みよちゃんは胸を張るが、モアレはこうしてダンジョンが生成される瞬間を見たことが無い。あまりの規模の大きさに・・・唖然としてみていた。
「そこ降りて。そこが一応君たちの家になるよ。新しい出来たログハウスを置く。」
「分かった。降りる…。」
言うがままに姉妹はダンジョンに降りていくが、その顔は興奮していた。そして、どう説明するのか…全然理解できなかった
「皆さん。やっとポアレさんが来たので。」
真面目モードのタミさんは声色はともかく真面目だ。
「皆さんに先んじて説明します。マスターはダンジョンマスターと呼ばれる。職業です。神から力を与えられ、皆さんを助ける使命を持っています。が、全員を救えとは言われていません。」
その言葉にざわつく。
「というのも…物資にも限外があり、できる事に限界があるからです。なので、ここで皆さんには誓ってもらいます。破った場合は私達が見せしめに処罰します。が、守る限りは私達があなた方を守ります。よろしいですね。今外に出ると、村の建物が、このダンジョンの建物と一緒の仕組みに変わっていますが一部、水道を完備しました。水は黒曜石の管を通り皆様に届きます。そして、ボタン一つで出るようになります。風呂も、トイレも完備しました。その代わりこの生活が欲しいなら、今後、他の人にマスターの秘密を言ってはいけません。言った場合、罰則が付きます。」
「…どうやって調べるんだ?」
「噂が立ち、調べる段階に綯ったら・・。」
「タミさん、いい。」
「モアレさん。」
「私が処罰する。村のために尽力してもらって、そいつを売り、村人をいらぬ不安に書き立てる者なぞ…私から処罰する。…でいいな?」
「分かりました。」
「で、ここからが問題です、今回増築分はすべて、メルトヴァから移民が来ます。この村は立地がいいため、道路を建築する代わりにここを街にします。」
流石に村人がざわついてきた。
「で、マスターからの連絡で、向こうの説得を行う様です。そして一週間後に移動を開始、こちらの空き家に来るそうです。その為に戸籍を確認。その必要数だけ、もう建築してあります。ので一週間以内に、皆さんは住む家を決定してください。そして、そこで家の説明を行います。こちらの家は、皆様が出て行った後に解体します。分かりましたか?」
村人の騒ぎが大きい。
「それはもう終わってるぞ。私は村の変化を見てきたからな、外に行ってみろ。家は早い者勝ちだ。」
その言葉に30のうち26名は慌てて外に駆け出した。モアレの家族はどうせモアレの家に住むので、あわてなかった。
「なんで村の為にそこまでやるんだ?」
モアレの父が、タミさんを震える目で見ていた。
「村の為ではありません。たまたま来た隣人です。それを使い、私たちは主命を果たしているだけです。もし主があなた方が裏切ったと思い、処断を命じるなら喜んで殺しますよ。ゆめゆめ忘れないように。」
「分かった。外に出よう。もう終わってるのだろう?」
「ああ。」
「お父ちゃんこっち。」
ポアンが手を引いて、階段を上がるとそこはログハウス内部だった。そして…外に出ると立派に整列した、樹で出来た家の町並みがあり、周囲の景色ももう変わっていた。
「何…。」
「さて、荷物を…頼んでいいのか?」
「うん、モアレたちの分はマスターが設置するって、で、みんなはこれからきっと苦労する街づくりにおいて・・。先頭を担って欲しいと言っていた。」
「500人のか…。」
「うん、500人もタミさんが説明するのは難しいからね、それにモアレにここの町長として活躍して欲しいって。」
「その為に?」
「うん、向こうに移民すると、下からになるけど、こっちに来るなら、村長のままでしょ?で、こっちの方が環境がいいなら、きっと従ってくれるって。で、マスターが言うにはこれからもっと人が来る。」
「どうしてだ?」
「うん。ここの話が伝わると、きッと近隣で廃村になった村人たちが食い物めがけてこっちに来る。その時に受け入れてそのまま彼らを労働人口にするって。だから大規模開発が欲しかった。その時にそれを勘繰る人がいると困るから、最初から種明かししたって。」
実際関係者になると、DP収益から関係者は除外される。そして、そのダンジョンでは決してダンジョンモンスターから襲われなくなる。スポナーからも中立でないなら襲われない。が、その代わり彼らはもう何をしてもDP収益にならなくなるのだ。その為、関係者は最低限度にしたかったのだ、彼らは優秀な革職人でもある、工房になりつつある現在、逃がす手はなかった。ならこの皮鎧を使えばそれを売ってDPにできるのでは?というため、今の村民を関係者にしたのだ。そして、今後統治を楽にするために。そしてこの関係者の規約は”お互いにダンジョンのマスターとしての能力を明かし、お互いを認めて”発生させる。なので、噂話で知った程度だと発生しない。というのが大きい。
「さあてぇ。んだば、ちっと説明行ってくるだ。今度は水道管ちゅう水の配給システム使ってるだ。今度も説明せんと、わっかんねえべ。今度は新しく来る人んば説明いるっぺ。」
「そうか…私も覚えたほうがいいな。」
「ああ、簡単だべ、水場が設置してあるだ。そこの棒あげると、水が流れるだ?んで、下げると止まるだ。で、水は必ず下に流れて、そこの排水溝に落ちるだ。で、落ちた水はダンジョンが吸い込むだ。後はコンロは説明した通りだべ。薪くべて火ぃ入れるだけでいいだ。肉がうまく焼けるだ。」
「前と変わらないが?」
「原理が変わって、今度は水が地下通ってるだ。そこから水圧で変化するだ。」
配管の実を傾斜させ、水を川から直接引くことで水流を付ける事で現代の水道に近いシステムを付けたのだ。そうすることで水道管の途中に”DPで水を注ぐ”という行為が可能となった。又は移管により風呂も可能となった。但し、火は焚く必要がある。がそれにより快適性が上がり、いずれはこの町の工法が為になると思ったのだ。
「なんだ!」
「これがマスターの力だよ。」
そう、突然せり上がる地面。浪打ち整備され、古い家は全て消え去り、その跡地には道路整備された道と数多くの木の建物が立ち並ぶ。確かに木は足りないが、”魔素偽装工法”により魔素で木材を前借りした。その分を後で木材を入れる事で維持費を一時的に発生するにとどめるのだ。そして家がそびえたっていく。
「凄い…。」
「マスターは凄いんだよ。」
みよちゃんは胸を張るが、モアレはこうしてダンジョンが生成される瞬間を見たことが無い。あまりの規模の大きさに・・・唖然としてみていた。
「そこ降りて。そこが一応君たちの家になるよ。新しい出来たログハウスを置く。」
「分かった。降りる…。」
言うがままに姉妹はダンジョンに降りていくが、その顔は興奮していた。そして、どう説明するのか…全然理解できなかった
「皆さん。やっとポアレさんが来たので。」
真面目モードのタミさんは声色はともかく真面目だ。
「皆さんに先んじて説明します。マスターはダンジョンマスターと呼ばれる。職業です。神から力を与えられ、皆さんを助ける使命を持っています。が、全員を救えとは言われていません。」
その言葉にざわつく。
「というのも…物資にも限外があり、できる事に限界があるからです。なので、ここで皆さんには誓ってもらいます。破った場合は私達が見せしめに処罰します。が、守る限りは私達があなた方を守ります。よろしいですね。今外に出ると、村の建物が、このダンジョンの建物と一緒の仕組みに変わっていますが一部、水道を完備しました。水は黒曜石の管を通り皆様に届きます。そして、ボタン一つで出るようになります。風呂も、トイレも完備しました。その代わりこの生活が欲しいなら、今後、他の人にマスターの秘密を言ってはいけません。言った場合、罰則が付きます。」
「…どうやって調べるんだ?」
「噂が立ち、調べる段階に綯ったら・・。」
「タミさん、いい。」
「モアレさん。」
「私が処罰する。村のために尽力してもらって、そいつを売り、村人をいらぬ不安に書き立てる者なぞ…私から処罰する。…でいいな?」
「分かりました。」
「で、ここからが問題です、今回増築分はすべて、メルトヴァから移民が来ます。この村は立地がいいため、道路を建築する代わりにここを街にします。」
流石に村人がざわついてきた。
「で、マスターからの連絡で、向こうの説得を行う様です。そして一週間後に移動を開始、こちらの空き家に来るそうです。その為に戸籍を確認。その必要数だけ、もう建築してあります。ので一週間以内に、皆さんは住む家を決定してください。そして、そこで家の説明を行います。こちらの家は、皆様が出て行った後に解体します。分かりましたか?」
村人の騒ぎが大きい。
「それはもう終わってるぞ。私は村の変化を見てきたからな、外に行ってみろ。家は早い者勝ちだ。」
その言葉に30のうち26名は慌てて外に駆け出した。モアレの家族はどうせモアレの家に住むので、あわてなかった。
「なんで村の為にそこまでやるんだ?」
モアレの父が、タミさんを震える目で見ていた。
「村の為ではありません。たまたま来た隣人です。それを使い、私たちは主命を果たしているだけです。もし主があなた方が裏切ったと思い、処断を命じるなら喜んで殺しますよ。ゆめゆめ忘れないように。」
「分かった。外に出よう。もう終わってるのだろう?」
「ああ。」
「お父ちゃんこっち。」
ポアンが手を引いて、階段を上がるとそこはログハウス内部だった。そして…外に出ると立派に整列した、樹で出来た家の町並みがあり、周囲の景色ももう変わっていた。
「何…。」
「さて、荷物を…頼んでいいのか?」
「うん、モアレたちの分はマスターが設置するって、で、みんなはこれからきっと苦労する街づくりにおいて・・。先頭を担って欲しいと言っていた。」
「500人のか…。」
「うん、500人もタミさんが説明するのは難しいからね、それにモアレにここの町長として活躍して欲しいって。」
「その為に?」
「うん、向こうに移民すると、下からになるけど、こっちに来るなら、村長のままでしょ?で、こっちの方が環境がいいなら、きっと従ってくれるって。で、マスターが言うにはこれからもっと人が来る。」
「どうしてだ?」
「うん。ここの話が伝わると、きッと近隣で廃村になった村人たちが食い物めがけてこっちに来る。その時に受け入れてそのまま彼らを労働人口にするって。だから大規模開発が欲しかった。その時にそれを勘繰る人がいると困るから、最初から種明かししたって。」
実際関係者になると、DP収益から関係者は除外される。そして、そのダンジョンでは決してダンジョンモンスターから襲われなくなる。スポナーからも中立でないなら襲われない。が、その代わり彼らはもう何をしてもDP収益にならなくなるのだ。その為、関係者は最低限度にしたかったのだ、彼らは優秀な革職人でもある、工房になりつつある現在、逃がす手はなかった。ならこの皮鎧を使えばそれを売ってDPにできるのでは?というため、今の村民を関係者にしたのだ。そして、今後統治を楽にするために。そしてこの関係者の規約は”お互いにダンジョンのマスターとしての能力を明かし、お互いを認めて”発生させる。なので、噂話で知った程度だと発生しない。というのが大きい。
「さあてぇ。んだば、ちっと説明行ってくるだ。今度は水道管ちゅう水の配給システム使ってるだ。今度も説明せんと、わっかんねえべ。今度は新しく来る人んば説明いるっぺ。」
「そうか…私も覚えたほうがいいな。」
「ああ、簡単だべ、水場が設置してあるだ。そこの棒あげると、水が流れるだ?んで、下げると止まるだ。で、水は必ず下に流れて、そこの排水溝に落ちるだ。で、落ちた水はダンジョンが吸い込むだ。後はコンロは説明した通りだべ。薪くべて火ぃ入れるだけでいいだ。肉がうまく焼けるだ。」
「前と変わらないが?」
「原理が変わって、今度は水が地下通ってるだ。そこから水圧で変化するだ。」
配管の実を傾斜させ、水を川から直接引くことで水流を付ける事で現代の水道に近いシステムを付けたのだ。そうすることで水道管の途中に”DPで水を注ぐ”という行為が可能となった。又は移管により風呂も可能となった。但し、火は焚く必要がある。がそれにより快適性が上がり、いずれはこの町の工法が為になると思ったのだ。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
辺境に住む元Cランク冒険者である俺の義理の娘達は、剣聖、大魔導師、聖女という特別な称号を持っているのに何歳になっても甘えてくる
マーラッシュ
ファンタジー
俺はユクト29歳元Cランクの冒険者だ。
魔物によって滅ぼされた村から拾い育てた娘達は15歳になり女神様から剣聖、大魔導師、聖女という特別な称号を頂いたが⋯⋯しかしどこを間違えたのか皆父親の俺を溺愛するようになり好きあらばスキンシップを取ってくる。
どうしてこうなった?
朝食時三女トアの場合
「今日もパパの為に愛情を込めてご飯を作ったから⋯⋯ダメダメ自分で食べないで。トアが食べさせてあげるね⋯⋯あ~ん」
浴室にて次女ミリアの場合
「今日もお仕事お疲れ様。 別に娘なんだから一緒にお風呂に入るのおかしくないよね? ボクがパパの背中を流してあげるよ」
就寝時ベットにて長女セレナの場合
「パパ⋯⋯今日一緒に寝てもいい? 嫌だなんて言わないですよね⋯⋯パパと寝るのは娘の特権ですから。これからもよろしくお願いします」
何故こうなってしまったのか!?
これは15歳のユクトが3人の乳幼児を拾い育て、大きくなっても娘達から甘えられ、戸惑いながらも暮らしていく物語です。
☆第15回ファンタジー小説大賞に参加しています!【投票する】から応援いただけると更新の励みになります。
*他サイトにも掲載しています。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる