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第一章 流れ者の村
第44話 ダンジョンがあってもいい世界
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数日の間、コアに銘じてダンジョンバトルのメッセージだけを元に鳥海さんにこっちが終わったことを通達。コアに配置変更で、ゴーレムに木こりさせていくことにした。それに伴い
現状を考えていた。
『マスターの懸念が理解できました。まだダンジョンが根ずくほどの生活安定度になっていない。ですか。』
それは井原がちらっと見た、街並みを見ての事だった。ダンジョンは優秀冒険者や軍部が暇になってダンジョンに向かい危険を排除するのが基本である。が、そんな装備もなく敵集を恐れるこの町とか、生活の安定がない開拓民がダンジョンなんか行くか?行くとは到底思えない。そうなるとダンマスだけがばらまかれたこの環境はむしろ国盗りゲームになる。その情報があるからこっちは動ける。が、ないダンマスは?それがいくつも滅ぼされてきたダンマスなんだろう。だとすると今は国家を確保して、そこを富国強兵にして、安定度を増すことで、ダンジョンに潜らせる素地を作るべき。でないと、自分が作ったメイズの具合がテストできない。あの村人たちは、皮鎧製作に情熱を燃やしてしまい、ダンジョンに結局誰も潜らなかったからだ。メイズの手入れと配置変更、誰も来ないのに3回やったよ。これは次の作品を作る上でも不健全だと思う。
「なので、私の建築を生かし、取りあえず、上下水道の確保から優先します…。」
『それが一番の大問題ですね。』
そう、この町の水源はいくつかある井戸だけで。水が足りない。前の”山の中ダンジョン”は、地中という事で水を彼らが言うにあり得ないほど潤沢に使える。今も川を領域に入れ、清流を手にした私はそここそ水は潤沢だ。但しそれは”不自然でない出し方ができるなら”だ。で、井戸にその清流の水を注ぎ込む頃も考えたが、それだと水源の言い訳が難しすぎる。しかも川まで遠い。井戸から水が出たからいるというレベルの…水が枯渇した土地だった。
これは昨日コアと周辺の地域を見て、支配するにあたって、街づくり会議をしていた時の事だった。そしてもう一つ、その時に気が付いたのが、合流するモアレたちの立場だ。大方…このままだとあの性格のモアレとこの町の兵士のそりは会わない。そしてもう一個の問題が、家である。これが一番の問題で、このメルトヴァの町にある建物は…。自分が適当と自負できる”アフリカ難民式土居住区”よりさらに下の生活レベルで。店も商人とカウンターがあるだけ。商品もモニター越しに見られたのは、卸業のみ。となると、商売もまともに何ともならない。
食べ物は当然、周囲の村々に頼る日々でだからこそここの国王が”80%税金”で先に村々の収益を帝国が奪う前に確保しに来たのだこれ、考えられる限りの詰み案件の役満だと感じるレベルの。…詰みだった。言い訳言わずにモンスターで襲って、ダンジョンに突っ込んで、その上で、牢獄生活してもらった方が彼らにとって裕福だろ?って考えるレベルの困窮だった。となると、狩りは指導して、何とかなるが、今度は・・・人数によるボアの数が問題だ。どうする?自給率の低い国は基本死ぬ。または多大なコストを常に他に払う。だからこそ考える。
「こうなったら、暴君するしかないのか…、」
『できますか?』
「できないね。」
暴君とか独裁者はよく勘違いされるが、あれこそ綱渡りで相手の感情に機微でないといけない。下手に命令を間違い、民を死なせたツケは必ず自分の死であり、そのあとは息子が文字通り民の奴隷という名の国王ができるだけだ。だからこそ、暴君って奴はなりたくない。そして、私はきっとその綱渡りはできない。
「回答が来ました。すぐ行うそうです。」
「では…前作った会議室を。」
『了解しました。』
建築の合間ではあるが…階段を移動させ、会議室の入り口を作るといつもの場所で待つ、今回は一対一にした。
「そんなに私が好きだわさ?」
「いや、少しな…ついでに占領は完了した、が相談したいことができた。」
「何だわさ?」
現状を考えていた。
『マスターの懸念が理解できました。まだダンジョンが根ずくほどの生活安定度になっていない。ですか。』
それは井原がちらっと見た、街並みを見ての事だった。ダンジョンは優秀冒険者や軍部が暇になってダンジョンに向かい危険を排除するのが基本である。が、そんな装備もなく敵集を恐れるこの町とか、生活の安定がない開拓民がダンジョンなんか行くか?行くとは到底思えない。そうなるとダンマスだけがばらまかれたこの環境はむしろ国盗りゲームになる。その情報があるからこっちは動ける。が、ないダンマスは?それがいくつも滅ぼされてきたダンマスなんだろう。だとすると今は国家を確保して、そこを富国強兵にして、安定度を増すことで、ダンジョンに潜らせる素地を作るべき。でないと、自分が作ったメイズの具合がテストできない。あの村人たちは、皮鎧製作に情熱を燃やしてしまい、ダンジョンに結局誰も潜らなかったからだ。メイズの手入れと配置変更、誰も来ないのに3回やったよ。これは次の作品を作る上でも不健全だと思う。
「なので、私の建築を生かし、取りあえず、上下水道の確保から優先します…。」
『それが一番の大問題ですね。』
そう、この町の水源はいくつかある井戸だけで。水が足りない。前の”山の中ダンジョン”は、地中という事で水を彼らが言うにあり得ないほど潤沢に使える。今も川を領域に入れ、清流を手にした私はそここそ水は潤沢だ。但しそれは”不自然でない出し方ができるなら”だ。で、井戸にその清流の水を注ぎ込む頃も考えたが、それだと水源の言い訳が難しすぎる。しかも川まで遠い。井戸から水が出たからいるというレベルの…水が枯渇した土地だった。
これは昨日コアと周辺の地域を見て、支配するにあたって、街づくり会議をしていた時の事だった。そしてもう一つ、その時に気が付いたのが、合流するモアレたちの立場だ。大方…このままだとあの性格のモアレとこの町の兵士のそりは会わない。そしてもう一個の問題が、家である。これが一番の問題で、このメルトヴァの町にある建物は…。自分が適当と自負できる”アフリカ難民式土居住区”よりさらに下の生活レベルで。店も商人とカウンターがあるだけ。商品もモニター越しに見られたのは、卸業のみ。となると、商売もまともに何ともならない。
食べ物は当然、周囲の村々に頼る日々でだからこそここの国王が”80%税金”で先に村々の収益を帝国が奪う前に確保しに来たのだこれ、考えられる限りの詰み案件の役満だと感じるレベルの。…詰みだった。言い訳言わずにモンスターで襲って、ダンジョンに突っ込んで、その上で、牢獄生活してもらった方が彼らにとって裕福だろ?って考えるレベルの困窮だった。となると、狩りは指導して、何とかなるが、今度は・・・人数によるボアの数が問題だ。どうする?自給率の低い国は基本死ぬ。または多大なコストを常に他に払う。だからこそ考える。
「こうなったら、暴君するしかないのか…、」
『できますか?』
「できないね。」
暴君とか独裁者はよく勘違いされるが、あれこそ綱渡りで相手の感情に機微でないといけない。下手に命令を間違い、民を死なせたツケは必ず自分の死であり、そのあとは息子が文字通り民の奴隷という名の国王ができるだけだ。だからこそ、暴君って奴はなりたくない。そして、私はきっとその綱渡りはできない。
「回答が来ました。すぐ行うそうです。」
「では…前作った会議室を。」
『了解しました。』
建築の合間ではあるが…階段を移動させ、会議室の入り口を作るといつもの場所で待つ、今回は一対一にした。
「そんなに私が好きだわさ?」
「いや、少しな…ついでに占領は完了した、が相談したいことができた。」
「何だわさ?」
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