42 / 1,253
第一章 流れ者の村
第43話 慈悲は与えて様子を見る物
しおりを挟む
「では、娘はこっちに来て荷車を奪われ…。」
「はい、しかも荷車は我らが逃げた時に…。」
…鳥海さん大方、うちのショップ見て買ったな。
「で…。」
現在、手錠を付けた盗賊団と、そして、村の自治会長という…報告の小さい王様でなく、少し恰幅のいいおじさんと、各商店主が来ていた。
「できればあなた様に、ここを守って欲しいのです。帝国がこちらに攻めて来るそうで、その抑えに入って欲しいのです。」
「ふむ、娘はこっちに来たのは本当だね。そして、去っていったと。」
「はい、いつの間にか…できればあの土人形の事を聞きたかったのですが、我らが武功で追い出したと、王城は言うので。」
「ふむ、そうか、ならウルフェ。伝書バトを送れ。連絡を取ればこちらに来るであろう。荷車でないならしばらくすれば戻るだろうが…。」
「私達は…。」
「人を殺すならいつでもできる。だが、この地において人材は有限。心を入れ替えるなら、私のために働くなら、改めて君たちを雇用しよう。君たちもだ。」
「私たちもですか?」
「これから、あの皮鎧を作った集団の元に本来は娘が交渉し、買い付ける予定だった。が、この草原ならばきっといい皮が取れるであろう。そこで娘に彼らを連れて来てもらう。」
実際、生育状態から計算すると本来のパークボアは山の中ではなく、平原が生息地だと思うからね。
「それはどれでしょうか?」
「これだ。」
取り出したのは、原材量産中のノーマルレザーアーマーだ。
「どうだね?」
流石に商人たちがざわつく。このレザーアーマー…どうだろう?一応こっちで鑑定した植物で補強してあるけど…。
「ここまで品質のいいレザーアーマーは初めてです。ですから驚きました。」
それはそうだろう、現在これをスキャニングさせると
井原化工レザーアーマー:22000DP
TIPS:タンニンの渋で毛を取り、カシューナッツオイルでコーティングしたレザーアーマー。はっきり言って文明超過レベル。市場に出し過ぎるとこれ罰則対象だからね。注意。
とでるからだ。どうも、最高品質っぽいな。が、数は出せないな…罰則として何かが起きそうだ。
「この品質の鎧に値段はつけれません。王が付けても遜色ないレザーアーマーです。」
「だろうな、そう言うつもりで作っている。これだけの物ゆえ売れなかったのだ。」
流石に商店たちがざわつく。
「ならばその職人たちがこちらに来ると。」
「ああ、呼び寄せるつもりだ。で、この町・・・私は今決めたぞ。私たちは放浪の旅をしていたが…君たちがいいのなら、ここを拠点に商売をしていいかね?」
「…お願いします!」
盗賊含め全員が頭を下げ、地面にこすりつけた。これで、ここは制圧完了だ。
「でも父上、なぜ、盗賊共も仲間に加えたのです?」
「連中は監視下にあるなら大丈夫だろう。お前にはこの辺にいる難民たちをこっちに寄せる仕事がある。魔法を使ったふりをして 家を作ればいい。」
建物の中を観察し、荒らされている箇所をダンジョンが直していく、村人が合流してまとまっていけば、ここがどうも人口4百人でどうも近隣の人口を集めて…9百に行くかどうかの人数だということが発覚した。この王様、実際、結構圧制だったらしいな…。税金はともかく、しばらくは守護に入ろう。
「こういう時に軍部は実際こけおどしでいいとはいえ、安心感を与えるには欲しいのだよ。」
実際警備会社に一生連絡しない。そんな安全地帯でも、警備会社の警備は売れていた。それを思うと安全だと思うというのは十分生活を潤すのだ。
「そう言うものですか?」
「そう言うものだ。」
ウルフェがわきを歩き…現在こっちの別動隊は、ダンジョンの位置を検証しつつウルフェの部下10名が巡回に入っている。ゴーレムが2体この館の門番として立っている。
「で、どうします?」
「私はしばらく南の町を他者に購入させないように包囲した後、放置するつもりです。まずは家を建てたい。特にこの辺には多くの市民が難民として存在しています。ここが安定したと知れば、当然、人々がここに来るでしょう。その為にはここを安定させる必要があります。」
「は!」
「それにレザーアーマーの職人となった彼らと。パークボアのエリアをこっちに移して、できれば、バークボアの上位モンスターも解放しておきたいです。」
もともと私は、何らかがない限り、今はダンジョンでログハウスを作っている。で、今度からはゴーレムが木こりとして使えるが、これに問題がある。ゴーレムは全て”ダンジョンモンスター扱い”で”自分を主体に進化できない”という欠点がある。すなわち…進化できるモンスターたちに比べレベル上限という意味では、まったく良い所がない
というのがポイントだ。なので出来るだけ必要数以外は”スポナー召喚”がいいのだが、このスポナー実は制作限界数があり、1Fごとに3つだ。ランダム配置も可能だが、3種類まで。後はその枠を一フロアごとに買ったうえでとなる、ついでに”ダンジョン領域全てで1F”扱いなので、パークボアのスポナーをフル回転させているが、これだけだと、実は大きな皮が取れず、皮鎧も2体分の皮が欲しく、それを何層も重ねてるので、実際3つ作るのでさえ工房の限界に近い。しかも、食肉が発展してくる頭と全、この皮も再利用先として優遇される。今後に期待できる分野でありながら・・・皮が無くて死にそう。ということである
「なのでマスは娘たちを待ちます。そして私はしばらく地下に潜ります。君に警備を任せます。後の処理の仕込みだけするので。」
「分かりました。しばらく警備と、あとやっておくことは?」
「不満を聞いておいてください、食料を配ることも視野に入れてます。今は春から夏、食料がない場所ではないですからね。」
「わかりました。」
人が余裕がなければ、家を建てたり増えたりしません。
「はい、しかも荷車は我らが逃げた時に…。」
…鳥海さん大方、うちのショップ見て買ったな。
「で…。」
現在、手錠を付けた盗賊団と、そして、村の自治会長という…報告の小さい王様でなく、少し恰幅のいいおじさんと、各商店主が来ていた。
「できればあなた様に、ここを守って欲しいのです。帝国がこちらに攻めて来るそうで、その抑えに入って欲しいのです。」
「ふむ、娘はこっちに来たのは本当だね。そして、去っていったと。」
「はい、いつの間にか…できればあの土人形の事を聞きたかったのですが、我らが武功で追い出したと、王城は言うので。」
「ふむ、そうか、ならウルフェ。伝書バトを送れ。連絡を取ればこちらに来るであろう。荷車でないならしばらくすれば戻るだろうが…。」
「私達は…。」
「人を殺すならいつでもできる。だが、この地において人材は有限。心を入れ替えるなら、私のために働くなら、改めて君たちを雇用しよう。君たちもだ。」
「私たちもですか?」
「これから、あの皮鎧を作った集団の元に本来は娘が交渉し、買い付ける予定だった。が、この草原ならばきっといい皮が取れるであろう。そこで娘に彼らを連れて来てもらう。」
実際、生育状態から計算すると本来のパークボアは山の中ではなく、平原が生息地だと思うからね。
「それはどれでしょうか?」
「これだ。」
取り出したのは、原材量産中のノーマルレザーアーマーだ。
「どうだね?」
流石に商人たちがざわつく。このレザーアーマー…どうだろう?一応こっちで鑑定した植物で補強してあるけど…。
「ここまで品質のいいレザーアーマーは初めてです。ですから驚きました。」
それはそうだろう、現在これをスキャニングさせると
井原化工レザーアーマー:22000DP
TIPS:タンニンの渋で毛を取り、カシューナッツオイルでコーティングしたレザーアーマー。はっきり言って文明超過レベル。市場に出し過ぎるとこれ罰則対象だからね。注意。
とでるからだ。どうも、最高品質っぽいな。が、数は出せないな…罰則として何かが起きそうだ。
「この品質の鎧に値段はつけれません。王が付けても遜色ないレザーアーマーです。」
「だろうな、そう言うつもりで作っている。これだけの物ゆえ売れなかったのだ。」
流石に商店たちがざわつく。
「ならばその職人たちがこちらに来ると。」
「ああ、呼び寄せるつもりだ。で、この町・・・私は今決めたぞ。私たちは放浪の旅をしていたが…君たちがいいのなら、ここを拠点に商売をしていいかね?」
「…お願いします!」
盗賊含め全員が頭を下げ、地面にこすりつけた。これで、ここは制圧完了だ。
「でも父上、なぜ、盗賊共も仲間に加えたのです?」
「連中は監視下にあるなら大丈夫だろう。お前にはこの辺にいる難民たちをこっちに寄せる仕事がある。魔法を使ったふりをして 家を作ればいい。」
建物の中を観察し、荒らされている箇所をダンジョンが直していく、村人が合流してまとまっていけば、ここがどうも人口4百人でどうも近隣の人口を集めて…9百に行くかどうかの人数だということが発覚した。この王様、実際、結構圧制だったらしいな…。税金はともかく、しばらくは守護に入ろう。
「こういう時に軍部は実際こけおどしでいいとはいえ、安心感を与えるには欲しいのだよ。」
実際警備会社に一生連絡しない。そんな安全地帯でも、警備会社の警備は売れていた。それを思うと安全だと思うというのは十分生活を潤すのだ。
「そう言うものですか?」
「そう言うものだ。」
ウルフェがわきを歩き…現在こっちの別動隊は、ダンジョンの位置を検証しつつウルフェの部下10名が巡回に入っている。ゴーレムが2体この館の門番として立っている。
「で、どうします?」
「私はしばらく南の町を他者に購入させないように包囲した後、放置するつもりです。まずは家を建てたい。特にこの辺には多くの市民が難民として存在しています。ここが安定したと知れば、当然、人々がここに来るでしょう。その為にはここを安定させる必要があります。」
「は!」
「それにレザーアーマーの職人となった彼らと。パークボアのエリアをこっちに移して、できれば、バークボアの上位モンスターも解放しておきたいです。」
もともと私は、何らかがない限り、今はダンジョンでログハウスを作っている。で、今度からはゴーレムが木こりとして使えるが、これに問題がある。ゴーレムは全て”ダンジョンモンスター扱い”で”自分を主体に進化できない”という欠点がある。すなわち…進化できるモンスターたちに比べレベル上限という意味では、まったく良い所がない
というのがポイントだ。なので出来るだけ必要数以外は”スポナー召喚”がいいのだが、このスポナー実は制作限界数があり、1Fごとに3つだ。ランダム配置も可能だが、3種類まで。後はその枠を一フロアごとに買ったうえでとなる、ついでに”ダンジョン領域全てで1F”扱いなので、パークボアのスポナーをフル回転させているが、これだけだと、実は大きな皮が取れず、皮鎧も2体分の皮が欲しく、それを何層も重ねてるので、実際3つ作るのでさえ工房の限界に近い。しかも、食肉が発展してくる頭と全、この皮も再利用先として優遇される。今後に期待できる分野でありながら・・・皮が無くて死にそう。ということである
「なのでマスは娘たちを待ちます。そして私はしばらく地下に潜ります。君に警備を任せます。後の処理の仕込みだけするので。」
「分かりました。しばらく警備と、あとやっておくことは?」
「不満を聞いておいてください、食料を配ることも視野に入れてます。今は春から夏、食料がない場所ではないですからね。」
「わかりました。」
人が余裕がなければ、家を建てたり増えたりしません。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
冷たかった夫が別人のように豹変した
京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。
ざまぁ。ゆるゆる設定
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる