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第一章 流れ者の村

第31話 報連相は会議をすることだ。

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 あれから一か月がたち、村もパークボアと水場のおかげで活気が戻り、ファクターーコインももう一枚手に入り小麦の種も植えた頃。通称”村長の家”となった
井原の大理石の家では、会議が行われていた。
「現状わかっているのはまだ戦端が開かれていない事。動くなら夏。と見られている。」
「だろうな…。」
 時々手に入るシルキー販売益とメイズの販売金で、潤った井原のDPを使い、どうにかメルトヴァの首都である南の町の外壁を掌中に収めた。どうも人間が居住しているエリアはダンジョン領域にするには、権利者の許可が欲しい。なので回収は外壁が限界だった。
「そうなると時間が足りない。」
「ダンジョン移転が我々に効果があればよかったが。」
 ダンジョンレベル5になり、どうにかダンジョンを”ダンジョン領域内のどこかに”移動できるようになったのだが。出入り口を移動させるにはダンジョン内に侵入者が0でなくてはならない。そうなるとこの村人たちを一度ダンジョンから出さないといけない。が、出れば当然水がない山奥である。水源を持たない村人の生命が危うい。この一か月でどうにか食生活の改善がなされ、活気にあふれる村になり、狩人になる為に村で弓の練習を始めていたが、そこに水を差す内容なのは理解できる。で移動できないならどうかというと実際見つかったモアレたちの元村に帰りたいのが、モアレたちの考えだ。ここは税金が嫌で逃げだしら村人であり、本来はそっちで生きたいのだ。が、ここから厳しい山々を超えて戻れるかというとそれには難しい。ダンジョンの入り口を移転させるにしても、そして戦争となれば、戻っても襲われる可能性があるのだ。そして、ここから大体2か月の道なき道を通る逃避行は考えるだけ無理というのが、モアレも、井原も一致した考えだ。当然そこに村を築ければ井原にとっては有利である。出先機関として人間のいる地域が欲しいのはDPを使った建築をしたい彼にとって、重要な収入源だった。それに領域を確保するのは当然”他のダンジョンマスター”による確保がなされる前にできるだけ用地を確保しておきたい、建築を楽しむために用地はいくらあっても足りないのだ。
「となると、この3人に行ってもらうしかないのか…。」
「戦争になれば、物は買えなくなるからな。」
「何言ってるのぉ?私に任せれば大丈夫よ。泥船で大海に漕ぎ出るくらい大丈夫だから!」
 黒髪の少女が胸を張るが、全員の目はそれはきつい。
「・・・お嬢様はともかく…おらは何とかスッペ。変身もあるだよ。」
 そう、モンスターとアイテムは廃村経由で送れるので、それを使い、廃村の一件を改装して住み、そこを拠点に南の町・・・規模からしてこうとしか言えない小さな国だがそこに向かい、村のみんなで作った”、皮鎧である。どうもこの村では取れた動物の皮を毛を刃物でそぎ、さらにこの辺に自生する”アカダラ”を用いて渋を作りその液体につけて皮脂だけにする。そしてその皮をラードを塗り仕上げるという技法で硬い皮鎧を制作していた。で、これの為の職人として村人たちが多く存在していた。
 だから、狩人の割合が少なかったのだ。ただ、塩を使ったなめしはしていないらしい。その辺に差はあるが、どちらにしても皮加工で生計をだてていた。で、なんで80%も税金がというのがこの村の皮鎧で軍備…と考えての事だったらしい。そして、最近のパークボアの大量でこっちに来て徐々に村人がフル回転で皮鎧の生産を開始。で、これを使って衣服や厚重ねのレザーアーマーを作った。これを税金としてというか、パンのお礼としてもらた。で、これを建前上は、私の友達の行商人に売ったことにするが実際は配置換えで廃村に送り、モンスターが人間に変身して売りに行ってもらい、代金でいろんな欲しいものを種とか…送ってもらう。その為に人間に変身できるモンスターと人間に近いモンスターであるこの二人に行ってもらう事にした。念のために魔法を持たせ・・・鑑定はシルキーである彼女しか今は使えないので、護衛として、第一の僕であるミヨちゃんと。
「ホッホッホ。大丈夫だよ。」
 ピーコックたちから生まれたこの新しい幹部である。フクロウの”オウル”である。ついでに女の子だ。このフクロウが。警備として着く。
「だが人間をなめない方がいい。」
「分かっている。分かってる。がな、虎穴に入らずんば虎子を得ず。私が付いていく。」
 夜目が効き、昼も鈍いものの動ける。言語を理解して、見張りとして十分な力を持つそして…ピーコックの頃からLV成長を使ったためか普通に比べ少し大きい。ので攻撃能力があるとみられている。ついでに鳥系では珍しい”職業持ち”である。なので即幹部入りした。ついでに余った枠でオルトロスの準備をしている。その為レベリング部隊兼でモアレたちに追従してボア狩りをしているが、現在はちょっと休眠して、範囲内にレベル10が発生した時のみ倒しに行くことになっている。どうも、魔石もSPも貯めてから狩った方が清算上はいいし、そのSPを幹部とかモンスターの強化に使いたい上にもう一個村人の性格もあった。
「お願いする、乾燥で加速化させたためにその売り上げが村の生活をよくするんだ。」
 モアレが魔法を覚えたため…みんなの前で乾燥を打ってしまい、本来一か月は乾燥でおく工程を一気に短縮してしまい、みんなが興奮して、ハッスルして三つのパークボアアーマーが出来上がった。価値も

高級レザーアーマー 4200DP

となり、ついでに

井原加工の剣 4万DP

 これは大理石でコーティングして内部を近くの木で作った魔法というか…ダンマスにしか作れない土と木の剣。硬さはともかく、木刀の改良版で軽いのが特徴。素材もそこまで大きく使わず、制作は450Dpと安い。ついでに木材と土を用意した場合は45DPで生産できる。木も密度の高い太い木を用いたため、かなりの強さを誇る…白い剣だ。白いのはゲーム的にイメージがいいというのもあり、作った。本当は黒曜石の剣を持ち込みたかったが。切れ味のあまりの良さに普通にモアレから止められた。ついでに黒曜石のナイフは現在、村での名誉で渡す武器となり、切れ味のよさから狩人の象徴となっている。が、これを売る話をしたら、村人全員からの反対だった。前の石の斧もすごいがこれには勝てない。今度は類似品の”黒曜石の鉈”も作る予定だ。で、これらを持って売りに行くのが今回だ。が問題はこの貴重品・・・門番に止められて回収されて終わりの可能性がある。あれだけ村を荒らしてでも手に入れようとしたのだ。この国にいる設定じゃダメだろって事で情報を探して…さらに買収偵察を行っていた。
「では確認するよ。君たちは?」
「西の開拓民の村から行商してきた行商人の娘!しかも超美人!輝くフレッシュ!これぞ役満よね!」
「んだ。おらは、お付きだ。」
「で私が番頭。という知的な位置。ホッホッホ。」
「一応、大丈夫だと思うが。」
 この町の西の方に徴税に行っていないらしき村を発見。そこを経由してきた。旅をしている行商人を名乗ってもらう。一応馬車とも思ったが実はそう言う乗り物が無かった。なので最近覚えた土魔法LV3のゴーレムを配置。荷車を作り、引いてもらう事にした。ついでにお嬢様が魔法使いって事で、今回オーブをなけなしで積み込み、風魔法も覚えてもらった。でないと…というか、この世界実は地上に馬がいない。自分のいる範囲にいないだけだが、いない。大量運搬はできず人間が運ぶ。しかない。その為、普通にこの皮鎧とかを数持って歩く”行商人”なる存在はいないのだ。ついでにピーコックから成長したハミングバード10体が護衛として付いていくことになっている。
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