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第一章 流れ者の村
第29話 ナッツオイルは建材でもある、
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実はココナッツオイルもあるが。オイルは基本実の系列は何でもある。その中でもカシューナッツは実は脂分が青い。で、売り物欄に”油”はない。で、特にカシューナッツは脂分が強い、ピーナッツでもいいが。これがカシューナッツと同じ油分なら、良質の植物油が取れる。が、さっき聞いた話だと。これはこの辺にあり、しかも自生範囲が広い。これ、商売にできるんじゃ?だが…。
「油?」
「ああ、油だ。食物油だ。これは料理だけじゃない、建材としても有能なんだ。」
油は撥水性に優れ、木の素材を使う上では必須だ。また素材の滑りをよくするので、できるなら数を入手したい。ダンマスは生命が”種から発芽すれば”DP生産可能”ならこれは行けるはず。
「油という者は凄いのか?」
「ああ、万能に近い、生活の良さを一段階上げる。例えばなめし皮も油で拭けば撥水性を持ち、腐りにくくなる。蝋ができればそれは長持ちするようになる。その為の貴重な素材だ。」
但し、現代においてはもっと効率のいい油がいくらでも手に入った。ってこの茶色の実…。
「これは?」
「ああ、名前はつけて無い。こいつは硬くて、割ると中身がうまいんだ。」
「って事はこいつはクルミか。これはいい話だな。」
「んだ場、おわったっぺ。後は村長まっちょーで。」
「「・・・。」」
二人の目線が痛い、元の口調に戻ったタミさんはこういう感じだ。こっちの部屋に来る、タミさんはかなり明るい。
「んだな、あんたら、マスターの関係者だべ?んなら、緊張して余所行きの顔せんで、こっちが地だぁよ。」
「あ、あ、改めてよろしく。」
「んダンだ。儂がシルキーのタミだぁ。よろしくだべ。」
「で、この実は?」
「少し入った広い所にあっただ。んでも、これっくれぇしか、んなかっただ?食べるにはマスター一人が限界だぁ?」
「そっか・・・。じゃあ、畑に植えておいてくれ、森の土を入れた奴を畑に入れてある。」
「んだ。分かっただ。肥料はどうすっぺ?」
「乾燥、割合が不明でテストするにも、問題がある。匂いもある。で、木を伐り、できれば木造住宅を作りたい。村はもうこれでいいんだろうけど、私としては夢のログハウスはあきらめたく無い」
「ログハウス?」
「ああ、ログハウスづくりは私の夢でね。木で家を作るんだ。そして、思いっきりいい家を建てたい。それが私の夢だ。」
「本の家?」
「いや、まあ、そう言う建築方法だ。私はこう見えて、建築家でダンジョンマスターだ。家を建てて、立てて、建て尽くしたい。」
その為に異世界から来た…とは言い難いな。
「で、君たちにはもう一つ、報告がある。」
「何だ?」
「先日、ダンジョンの偵察隊が君たちの廃村らしき地域と、数か所の廃村を見つけた。がいくつかに盗賊団が住み着いているようだ。で、その辺の地理の情報を知りたい。場合によっては国の状況や領域購入に向け情報が少しでも欲しい。」
「分かった。私の知る限りの情報を出そう。」
まあ、説明をかいつまんで言うとこの世界はどちらかというと”ローマ帝国時代”という名前が合うぐらいの文明レベルらしい。基本国家は都市国家でその中においての覇権を争う大陸南部ではいくつもの国が争い、そして敗れていく。そんな国家群だった。だから正確な国家もわからないが、最近台頭してきたのは”クラバーン帝国”という帝国でそれに対抗する”国家連合”というのができた。で、モアレたちがいたのがこの国家連合側だった。その中でも弱小ではあるが国家である、ミマルーク国は冬に戦争を行うかもしれないと、急いで重税を課し、対抗策を練ったのが、今年だった。が、8割搾取なんて、村人全員死ねと変わらない。その為犯行を思い立つも、鉄器を持つ彼らに勝てるはずもなく、それが、村長が逃げ出すきっかけになったのだ。
「えっと、魔法は?」
「ま、ほう?」
藪蛇だなこれ。どうも、魔法もないらしい。本当に神話時代に来たみたいな感覚だ。
「仕方ない、私から、生活魔法でいいか?オーブを君たちに提供する。2個づつ。」
実はちょっと実験してみてスキルオーブは数個に限り使用するとレベルアップに使えるのが判明した。
「なんだ?」
「無から有を生み出す力。こういうものだな。」
井原が手をかざすと、指先に火がともる。
「すごい!」
「これが魔法?」
「ああ、君たちに村長の力として、簡単な魔法を手渡す。これの球を持って”生活魔法”をつぶやけば使用できる。それで、魔法は感覚的に覚える。」
モアレたちに二つ渡す。これで水作成まで覚えるはずだ。これでかなり有利になる。
「分かった。生活魔法。」
「生活…。魔法・・。」
一瞬モアレたちの体が光る。
「んだな…。」
「これでお仲間?」
みよちゃんとタミさんは手を叩いて喜んでいる。
「そうだといいね。生活魔法ぐらいだと戦闘に使いにくいけど。器用に使えば何とかなるものばかりだ。後は練習すればレベルが上がる。一レベルは発火だ。」
「発火?」
そう言うと、モアレの目の前に一瞬だけ火が生まれる。
「あ!」
「お姉ちゃん!」
「今後役に立てば、こういうスキルとか、いろいろな物を手渡していく。それでいいかな?」
「ダンジョンは?」
『明かした場合、DPが入らなくなり、皆さんを生かすことができなくなります。なのでこのまま、できれば、地下のメイズに迷ってもらってDPをさらに算出してもらえば更にいいのですが…。』
「なんか、たくさん言葉が出てきて疲れた。後で説明してくれ、説明が終わったのだろう?私たちは一度村の連中の所に戻る。で、今後を決める。今夜は重要になる。」
「お姉ちゃん、きっと大丈夫だよ。」
「ああ、すまないが…。」
「最低でもあんたたちは信頼している。気にするな。」
最悪の結果になろうがその生命は生かす。と言う言葉を飲み込んだ。DP収益が上がれば今後動ける行動は増える。そして、建築に必要な人手ができた事でついにやっと次のステップに乗り出せる。そんな…気がした。
「油?」
「ああ、油だ。食物油だ。これは料理だけじゃない、建材としても有能なんだ。」
油は撥水性に優れ、木の素材を使う上では必須だ。また素材の滑りをよくするので、できるなら数を入手したい。ダンマスは生命が”種から発芽すれば”DP生産可能”ならこれは行けるはず。
「油という者は凄いのか?」
「ああ、万能に近い、生活の良さを一段階上げる。例えばなめし皮も油で拭けば撥水性を持ち、腐りにくくなる。蝋ができればそれは長持ちするようになる。その為の貴重な素材だ。」
但し、現代においてはもっと効率のいい油がいくらでも手に入った。ってこの茶色の実…。
「これは?」
「ああ、名前はつけて無い。こいつは硬くて、割ると中身がうまいんだ。」
「って事はこいつはクルミか。これはいい話だな。」
「んだ場、おわったっぺ。後は村長まっちょーで。」
「「・・・。」」
二人の目線が痛い、元の口調に戻ったタミさんはこういう感じだ。こっちの部屋に来る、タミさんはかなり明るい。
「んだな、あんたら、マスターの関係者だべ?んなら、緊張して余所行きの顔せんで、こっちが地だぁよ。」
「あ、あ、改めてよろしく。」
「んダンだ。儂がシルキーのタミだぁ。よろしくだべ。」
「で、この実は?」
「少し入った広い所にあっただ。んでも、これっくれぇしか、んなかっただ?食べるにはマスター一人が限界だぁ?」
「そっか・・・。じゃあ、畑に植えておいてくれ、森の土を入れた奴を畑に入れてある。」
「んだ。分かっただ。肥料はどうすっぺ?」
「乾燥、割合が不明でテストするにも、問題がある。匂いもある。で、木を伐り、できれば木造住宅を作りたい。村はもうこれでいいんだろうけど、私としては夢のログハウスはあきらめたく無い」
「ログハウス?」
「ああ、ログハウスづくりは私の夢でね。木で家を作るんだ。そして、思いっきりいい家を建てたい。それが私の夢だ。」
「本の家?」
「いや、まあ、そう言う建築方法だ。私はこう見えて、建築家でダンジョンマスターだ。家を建てて、立てて、建て尽くしたい。」
その為に異世界から来た…とは言い難いな。
「で、君たちにはもう一つ、報告がある。」
「何だ?」
「先日、ダンジョンの偵察隊が君たちの廃村らしき地域と、数か所の廃村を見つけた。がいくつかに盗賊団が住み着いているようだ。で、その辺の地理の情報を知りたい。場合によっては国の状況や領域購入に向け情報が少しでも欲しい。」
「分かった。私の知る限りの情報を出そう。」
まあ、説明をかいつまんで言うとこの世界はどちらかというと”ローマ帝国時代”という名前が合うぐらいの文明レベルらしい。基本国家は都市国家でその中においての覇権を争う大陸南部ではいくつもの国が争い、そして敗れていく。そんな国家群だった。だから正確な国家もわからないが、最近台頭してきたのは”クラバーン帝国”という帝国でそれに対抗する”国家連合”というのができた。で、モアレたちがいたのがこの国家連合側だった。その中でも弱小ではあるが国家である、ミマルーク国は冬に戦争を行うかもしれないと、急いで重税を課し、対抗策を練ったのが、今年だった。が、8割搾取なんて、村人全員死ねと変わらない。その為犯行を思い立つも、鉄器を持つ彼らに勝てるはずもなく、それが、村長が逃げ出すきっかけになったのだ。
「えっと、魔法は?」
「ま、ほう?」
藪蛇だなこれ。どうも、魔法もないらしい。本当に神話時代に来たみたいな感覚だ。
「仕方ない、私から、生活魔法でいいか?オーブを君たちに提供する。2個づつ。」
実はちょっと実験してみてスキルオーブは数個に限り使用するとレベルアップに使えるのが判明した。
「なんだ?」
「無から有を生み出す力。こういうものだな。」
井原が手をかざすと、指先に火がともる。
「すごい!」
「これが魔法?」
「ああ、君たちに村長の力として、簡単な魔法を手渡す。これの球を持って”生活魔法”をつぶやけば使用できる。それで、魔法は感覚的に覚える。」
モアレたちに二つ渡す。これで水作成まで覚えるはずだ。これでかなり有利になる。
「分かった。生活魔法。」
「生活…。魔法・・。」
一瞬モアレたちの体が光る。
「んだな…。」
「これでお仲間?」
みよちゃんとタミさんは手を叩いて喜んでいる。
「そうだといいね。生活魔法ぐらいだと戦闘に使いにくいけど。器用に使えば何とかなるものばかりだ。後は練習すればレベルが上がる。一レベルは発火だ。」
「発火?」
そう言うと、モアレの目の前に一瞬だけ火が生まれる。
「あ!」
「お姉ちゃん!」
「今後役に立てば、こういうスキルとか、いろいろな物を手渡していく。それでいいかな?」
「ダンジョンは?」
『明かした場合、DPが入らなくなり、皆さんを生かすことができなくなります。なのでこのまま、できれば、地下のメイズに迷ってもらってDPをさらに算出してもらえば更にいいのですが…。』
「なんか、たくさん言葉が出てきて疲れた。後で説明してくれ、説明が終わったのだろう?私たちは一度村の連中の所に戻る。で、今後を決める。今夜は重要になる。」
「お姉ちゃん、きっと大丈夫だよ。」
「ああ、すまないが…。」
「最低でもあんたたちは信頼している。気にするな。」
最悪の結果になろうがその生命は生かす。と言う言葉を飲み込んだ。DP収益が上がれば今後動ける行動は増える。そして、建築に必要な人手ができた事でついにやっと次のステップに乗り出せる。そんな…気がした。
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