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第一章 流れ者の村

第10話 成長と土魔法

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 狼の特性のせいが、夜行性なので狼の姿だと夜はつらくないが、昼は起きていたので、結局眠いが。おかげさまで、夜に火を付けなくていいが…夕方になると、泣きそうな顔でピーコックたちが、帰ってきた。当然村は見つからなかった。地図を見誤ったせいか三日の距離があると思わなかったが、ここは実は山の上の方で、斜面がある。だから歩きにくいのを視野に入れると大体30kmとみていい。1km1000DPと考えると、3万DP欲しい。今の手持ちが検証で1700DPある。で1kmだ。遠い。そして、スープとパンを食べて、元気を付けよう。
一口舐めてみる。
「お湯にちょっと肉の味がするだけのスープだ。そして、カピカピのパンだ。」
 硬い。ついでにピーコックたちにもパンを上げたが、うれしさも喜びもなかった。もれなく餌だった。それ以上の感想が私にはない。
『モンスターたちの解析データにより周辺マップを作成しました。谷底に村があるようです。川もある模様。』
 それは見てわかっていた。川も無ければ水がないので生きていけない。
「測量の結果、距離は?」
『34km先です。結構近いですね。但しDPが足りるとはとても思えません。』
 やっぱり問題か・・。土魔法は今のところこの地面に穴をちょっとあける事にしか使えないが、いつか役に立つはず…。
「となると、ピーコックたちはともかく、木を刈りつつ森を進むしかないのか…。」
『いえ、それよりも問題です。道中の木々だけでは34km分に足りません。』
 しかもこれは直線にして…だ、マップを見ると実は崖が一か所あり、そこを迂回して三日となる。なので、直線では短いのだが…。それでさえ34kmである。だから、かなり遠い。
「明日も頑張るか…。」

 次の日起きて、そしてミヨちゃんを肩に乗せそして一応ピーコックには周りの索敵をしてもらっている。その間に私は鉈で木を伐り、それをDPとして捧げている。一応一本取れると木の皮をはぎ、今度は偽装できるようにダンジョンに立て掛け、そして、枝を切っては道を作る要領でそれをDPにしていた。意外と人件費を計算するあたりがポイントで鉈でも刃物ではある。なので、地味に枝をDPとして稼ぎ…木を乾燥させている、実際、木を乾燥させると半年とか一年かかる。
「なんか、いい方法ない?乾燥させる方法?」
『あるにはありますが、その為にはダンジョンレベルを3にあげ、ショップ機能を手に入れダンマスからスキルを買わないといけません。』
「どういう事?」
『生活魔法LV2に”乾燥”という魔法があります。対象の大きさによってMPが変動しますが、対象を乾燥させることができます。元は洗濯用の魔法の一つです。』
 生活魔法か…。そう言うのがあれば便利だな。あったら買おう。という事は、ここは考え方を変えたほうがいい。このまま村に行くのは無謀だ。全くDPが足りなくなる。
「次のレベルまでいくつ消費すればいい?」
「次は10000DP消費して5000DP払うことが必要です。」
「かなり多いな。」
「本来は人間が来て、戦闘を行うとそれなりに入るので満たせる数字です。戦闘しない場合は相当量の物資を必要とします。」
 やっぱりダンジョンは人と戦わないといけないのか…。
「とりあえず、そこに木の板を作り・・・加工は可能か?」
『はい、相当量の木さえあれば、測量がございます。精密に加工可能です。ただし加工DPが加算されます。』
「それだと私が板に加工してそれを設置する場合は?」
『基本設置費用が0DPになります。但し、そのままの形で置く場合のみです。再加工が必要な時はDPを要求します。』
「そう言えば、ルームを作ったとき、土はどうした?」
『土は格納してあります。いつでも出して加工することが可能です。コアはマスターと同じスキルを持つため、超触覚の効果である”周囲感知機能”を持ち、”土魔法”を使用してダンジョンを加工します。土関連のDPコストが半額になります。レベルが上がるとさらに有能になりますが、その為にはマスターの魔法の習熟度が欲しいです。』
「これは先に穴倉加工したほうがいいかもしれん。後、石作成って?」
『石作成は、土を石に変える魔法で硬くするだけです。』
 これはいける!
「じゃあ、今ある土を石に変えれる?」
『可能です、マスターのMPを使いますが?それともDPを使いますか?』
「じゃあ、MPで。」
 その瞬間、一気に披露し、私は膝をついた。魔法…疲れるな
『7回分使用して7kgの土を使用して700gの石を作りました。』
 意外と少ないが行ける、
「形を斧にできるか?」
『可能です。加工します。』
 木の枝があり、そして、土から石が作れる。これなら、石の斧が作れる、しかも測量付きの精密仕様だ。
『一本作成しました。作成費用70DPを消費します。』
、そして、僕の目の前には石の斧が…ちゃんと刃が鋭角で存在している。…硬さ次第では楽ができるしこれ、何とでもなる。がMPが問題か、一日一個。硬さにも寄るが…。石の道具は これで斧は作れる。但しこれで木材は生成できない、硬いからだ。その部分は鉈しかない。がちょっと休むか…。
「ミヨちゃん頼む、村の様子を見て来てくれ。こっちに来る人影か、夕方になったら帰っておいで。」
「ピピ―!ピー!」
 みよちゃんが声をかけると30羽いたピーコックたちが一斉に飛び立つ。みんな気合が入っているようだ。
「さて、ちょっと休憩するが…。」
 斧を手にすると、それなりに重いが…。今までより大きな木が切れる。が…。この魔法で武器防具は作れそうだ。但し重い。それからの数日は朝に斧を作り、土が足りなければルームで部屋を作りそして、その土でこの部屋を改造した。土壁をポコを使って地道にやれば作れるからだ。そして改良を繰り返し、そして昼に木を伐りそれをダンジョンに食わせ、斧の数を増やしていった。そして、動物は…音におののいてか、まったく来ない。動物さえ来ないのは怖い。ついでにあの時のウサギはおいしく…頂けるわけないので…ってそう言えば
「黒曜石は作れる?」
『石の区分上可能です。但し土の消費とMPの消費がかなり高いですが、よろしいですか?』
「ナイフを作る。」
『了解しました。…完了しました。土165kgを使用して黒曜石20gを生成しました。ナイフ状に加工を成型時にしておきました。』
 というわけで、朝に休む時間が増えたが。ナイフも作り…かなり切れ味がいい。ただ、MPが足りないので、…ん?
「今の私のレベルは?」
「お待ちください…レベル3になっています。確認のステータスを表示します。

名前:井原忠弘
種族:ウルフLV4
職業:ダンジョンマスター:家LV1
HP:37
MP:122
STR:13
VIT:18
INT:42
MID:18
AGI:43
MAG::32

スキル:建築学LV1、土魔法LV2、超触覚LV2、変身LV2
身体特徴:牙LV1、爪LV1
称号 建築家、ダンジョンマスター、TRPGマスター経験者、シナリオテイラー、一級建築士、冷静沈着。異世界からの来訪者、木材業者

土魔法LV2  (魔法系)  
土魔法LV1に加え(穴掘り、土硬化、鉱物感知)ちょっと役に立つ土魔法。 必要DP4000DP
超触覚LV2(特異系) 
皮膚の触角が優れ、皮膚接触や空気感知で有利になる、気配感知可能。 必要DP 4000DP
変身LV2(特異系) 
指定した外見一つに変身か指定した外見と自身の姿を割合で混ぜる事が可能。必要DP20000DP

 いろいろ成長してやがる!そして!
「ちょっと感動した。」
 黒曜石で今度鏡を作ろう。耳が生えて、しっぽが…窮屈と言いたいが服は変身で作ったので。気にならないが。獣人だ!よし!一応これで動物の脚力とか使った行動ができる。が、ちょっとけだるい、大方、変身切り替えごとにMP使うんだ。そして、鉱物感知と、穴掘りが可能となった。これで…。ダンジョンに寄らなくても穴を掘って…土を回収できる。
「これで、黒曜石の剣は作れる?」
『いいえ、ナイフが限界です。土効果無しだと、黒曜石は作れません。』
 という事はこのナイフが私の今の限界って事だ。いずれ剣を作れば、それだけじゃない。夢があるな…黒曜石の剣…てことは大理石の建物も作れるじゃないか…。夢があるな。憧れの大理石ライフ・・・冷たいだけって言うな。まな板もいいな…。
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