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第五十六話 第一作戦、行商人
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「あの領地から兵士を失くすって、実際どうするんですか? あそこは魔獣も多いし、戦争の歴史もあって軍隊との結びつきが強い領地ですよ。需要がある限り、いや、需要がなくなったとしても、あの国から兵士が消えることはないと思います」
俺の目標に対し、プロテリアは早速意義を唱えた。彼の役目は、理想論に偏り過ぎないよう俺の行動を制限すること。知識や技術の全てを俺とエコテラに頼っているこの商店は、彼のようなストッパーがいなければすぐにでも壊滅するのだ。
しかし、逆に言えば、俺の主張が理想論でなければ良いのだ。つまり、意義を唱える彼にしっかりと理論を説明できればそれでいい。ちゃんとした根拠があれば、商店を動かすことは可能なのだ。今の俺には、多数の人間を動かす力がある。
「そうだな。まず大前提として、需要を消滅させるのは必須事項だ。具体的に言うのならば、魔獣問題の解決と、隣の領地と繰り広げている競争を安定させることだ」
需要がない職業は、短期間でなくなることこそないが、失業する者は増える。賃金が著しく減少したり、または一定の期間中に支払われなかったりするからだ。金融機関などが発達してないこの国では、売り上げが出なければ従業員が負担を喰らう。
だからこそ、需要に大打撃を与えるのは大前提なのだ。揺らぎ始めた業種を撤退させることなど、エコテラの知識を動員すれば容易い。彼女の知識は全て善意のモノであるが、まあ俺ほど悪知恵が働けば、悪用することも出来るのだ。
「なるほど、兵士需要に打撃、ですか。なら、それこそウチェリト様に協力を仰ぎますか? 森の中の生態系を意図的にいじるのはあまり褒められた行為ではないですけど、今回は事態が事態ですし、きっと喜んで協力してくださいますよ!」
ふむ、確かにウチェリトさんやロンジェグイダさんに協力を要請することも考えた。
何せ、タイタンロブスターの襲撃が予見されているのだ。あんな連中に時間を使っている余裕は、本来ならばない。だが……。
「いや、これに関してもウチェリトさんの協力はなるべく考えない方向で行こうと思う。アラレスタには悪いが、精霊種という存在が大きすぎる。見ただろう? カッツァトーレを見た一般人の反応を。アレが普通だ。それもこの大陸を守護するような大精霊と結託しているなど公になれば、今後どんな無理難題を押し付けられるかわからない」
精霊というのは、今まで人間とあまり触れてこなかった種族だ。タイタンロブスターもそうだが、人間よりも上位とされる精霊や準精霊というのは、俺たちからすればとても神聖で、ある種の宗教的要素も兼ねた存在なんだ。
確かに、精霊と協力すれば効率は跳ね上がるし解決も容易い。だが、一度それを許してしまえば、今後の活動に負担が掛かるのだ。革新派の精霊たちが人間と交流を結び、俺の領地で精霊を見られるのが一般的になってから、協力を仰ぎたいと思う。
「というわけで、まず魔獣対策だな。すごく初歩的な対策にはなるが、魔獣除けを大量生産しよう。生態系を壊さず、その上人間の手を極力使わせない最も簡単な方法だ。市民に受け入れられるのも早い。今回はとにかくスピード重視だからな」
「……けど、そんな急に魔獣除けなんて大量生産できますか? それに、あの辺には準精霊である獣龍ズェストルがいますよ。あんなのも弾けるような魔獣除けとなると、かなり複雑なものになります。開発にだって時間とお金が……」
彼女の言う通り、魔獣除けというのは大変に高度な魔法で、かつあまり効果が強くない。
強力な精霊の近縁種である獣龍ズェストルが支配権を持っているような地域では、その程度の粗雑な魔法など通用しないのだ。しかし、これを解決できる人物ならいるだろう。
「当てならある。そうだな、プロテリア?」
「……分かっていますよ。ランジアでしょう。彼女はもう魔法のプロフェッショナルです。数々の属性魔法に対して無効化できる魔法を持っていますし、道具にそれを封じることも可能です。まさに、エコノレさんが持っている隠密魔法もそうですね」
隠密魔法が込められた木の板。これもランジアが作ってくれたものだ。
人間の知識では少々不十分だが、彼女はこれのように魔道具を作る才能に長けている。プロテリアも負けてはいないが、他の仕事があるゆえ動かせるのは彼女だけだ。
「でも、どうやって兵士をいなくさせるんですか? 魔獣除けを売ったとして、魔力量の多い兵士に行き渡る可能性がありますよね。そもそも魔獣除けも兵士の仕事ですし、正直あんまり効果が分からないんですけど」
「プランはこうだ。まず、魔獣除けの素材に鉄を使う。これは本当は必要ないが、まあ市場を動かすためだな。作った魔獣除けは、長旅の多い行商人に売りつける。あの領地は非常に行商人が多いが、領主から安全保障をされているわけではない。護衛を雇えるのも、ごく少数の豊かな人たちだけだ」
あの都市は行商で成り立っているといっても過言ではない。兵士や人は多いが、何せ一次産業が壊滅的に少ないのだ。いわゆる、食料自給率が低い状態にある。食料がなければ、他の産業も成立しない。
「今一番行商がホットな地域と言えば、このマーケット付近ですね。特に僕たちの商店は、営業成績がうなぎ登りで、あらゆる商品が集まる場所となっている。それを餌に、まずは行商人を捕まえる訳ですね」
「その通りだ。正直これは自惚れかもしれないが、一度行商人を捕まえればさらに大量の行商人が利益を求めて集まってくると踏んでいる。そのくらいの魅力が、俺たちの商店にはあるんだ。これは自信を持って言える」
俺たちの商店は、モノが余っているくらいなのだ。集客力の強いスーパーマーケットと小売業の誕生によって、食料の廃棄は驚くほど減っている。このマーケット周辺に住む人口の半分程度は、うちの商店でまかなえるんじゃないだろうか。そのくらいの商品がここには出入りしていた。
「つまり、お金に困っていても護衛を雇えない行商人さんは、過酷な道を抜けてマーケットまで来るために、魔獣除けを購入せざるを得ないと。なら、大量に売れる可能性が期待できますね。それでさっきの話、素材の一部に鉄を使用するというのは……!」
「どうやら見当がついたみたいだな。そうだ、今の時代、鉄の使用用途というのは限られている。今一番鉄を所有しているのは、間違いなく軍隊だ。当然、俺たちも鉄の供給に余裕があるわけじゃない。なら、行商人から買うしかないよな」
「行商人は何とか魔獣除けを買いたい。でも、その素材である鉄が不足している。逆に言えば、ウチの商店に鉄を持ち込めば必ず売れる。ならば当然、行商人は血眼になって鉄を買い集め始めるでしょうね。魔獣除けは彼らの生命線となるんですから」
プロテリアの言う通りだ。理解が早くて本当に助かる。
このマーケットから考えて一番近い距離にある都市は、間違いなくアヴィチェリダのいる都だ。そこには鉄が豊富にある。軍隊の所有物として。
逆に、そこ以外に鉄を仕入れられるような場所はない。付近に鉄鉱山はないし、小規模の集落や村はあっても、鉄を大量に抱えているはずはない。あの都市から持ってくるのが、最短で最適なのだ。
「都市から兵士を消滅させる。つまり第一作戦は、あの都市から兵士の武器を取り上げることですね。魔獣除けで充分なら、戦争に関与しない一般人にとって武器よりも商売の方が重要ですから」
「そうだ。だが、この第一作戦は少なく短く見積もっても三日は掛かる。それまでに、奴らが攻め込んでこないとは限らない。だから、今すぐ打てる手も用意しておいた。これで時間を稼ぎ、鉄のラインを崩壊させるぞ!」
俺の目標に対し、プロテリアは早速意義を唱えた。彼の役目は、理想論に偏り過ぎないよう俺の行動を制限すること。知識や技術の全てを俺とエコテラに頼っているこの商店は、彼のようなストッパーがいなければすぐにでも壊滅するのだ。
しかし、逆に言えば、俺の主張が理想論でなければ良いのだ。つまり、意義を唱える彼にしっかりと理論を説明できればそれでいい。ちゃんとした根拠があれば、商店を動かすことは可能なのだ。今の俺には、多数の人間を動かす力がある。
「そうだな。まず大前提として、需要を消滅させるのは必須事項だ。具体的に言うのならば、魔獣問題の解決と、隣の領地と繰り広げている競争を安定させることだ」
需要がない職業は、短期間でなくなることこそないが、失業する者は増える。賃金が著しく減少したり、または一定の期間中に支払われなかったりするからだ。金融機関などが発達してないこの国では、売り上げが出なければ従業員が負担を喰らう。
だからこそ、需要に大打撃を与えるのは大前提なのだ。揺らぎ始めた業種を撤退させることなど、エコテラの知識を動員すれば容易い。彼女の知識は全て善意のモノであるが、まあ俺ほど悪知恵が働けば、悪用することも出来るのだ。
「なるほど、兵士需要に打撃、ですか。なら、それこそウチェリト様に協力を仰ぎますか? 森の中の生態系を意図的にいじるのはあまり褒められた行為ではないですけど、今回は事態が事態ですし、きっと喜んで協力してくださいますよ!」
ふむ、確かにウチェリトさんやロンジェグイダさんに協力を要請することも考えた。
何せ、タイタンロブスターの襲撃が予見されているのだ。あんな連中に時間を使っている余裕は、本来ならばない。だが……。
「いや、これに関してもウチェリトさんの協力はなるべく考えない方向で行こうと思う。アラレスタには悪いが、精霊種という存在が大きすぎる。見ただろう? カッツァトーレを見た一般人の反応を。アレが普通だ。それもこの大陸を守護するような大精霊と結託しているなど公になれば、今後どんな無理難題を押し付けられるかわからない」
精霊というのは、今まで人間とあまり触れてこなかった種族だ。タイタンロブスターもそうだが、人間よりも上位とされる精霊や準精霊というのは、俺たちからすればとても神聖で、ある種の宗教的要素も兼ねた存在なんだ。
確かに、精霊と協力すれば効率は跳ね上がるし解決も容易い。だが、一度それを許してしまえば、今後の活動に負担が掛かるのだ。革新派の精霊たちが人間と交流を結び、俺の領地で精霊を見られるのが一般的になってから、協力を仰ぎたいと思う。
「というわけで、まず魔獣対策だな。すごく初歩的な対策にはなるが、魔獣除けを大量生産しよう。生態系を壊さず、その上人間の手を極力使わせない最も簡単な方法だ。市民に受け入れられるのも早い。今回はとにかくスピード重視だからな」
「……けど、そんな急に魔獣除けなんて大量生産できますか? それに、あの辺には準精霊である獣龍ズェストルがいますよ。あんなのも弾けるような魔獣除けとなると、かなり複雑なものになります。開発にだって時間とお金が……」
彼女の言う通り、魔獣除けというのは大変に高度な魔法で、かつあまり効果が強くない。
強力な精霊の近縁種である獣龍ズェストルが支配権を持っているような地域では、その程度の粗雑な魔法など通用しないのだ。しかし、これを解決できる人物ならいるだろう。
「当てならある。そうだな、プロテリア?」
「……分かっていますよ。ランジアでしょう。彼女はもう魔法のプロフェッショナルです。数々の属性魔法に対して無効化できる魔法を持っていますし、道具にそれを封じることも可能です。まさに、エコノレさんが持っている隠密魔法もそうですね」
隠密魔法が込められた木の板。これもランジアが作ってくれたものだ。
人間の知識では少々不十分だが、彼女はこれのように魔道具を作る才能に長けている。プロテリアも負けてはいないが、他の仕事があるゆえ動かせるのは彼女だけだ。
「でも、どうやって兵士をいなくさせるんですか? 魔獣除けを売ったとして、魔力量の多い兵士に行き渡る可能性がありますよね。そもそも魔獣除けも兵士の仕事ですし、正直あんまり効果が分からないんですけど」
「プランはこうだ。まず、魔獣除けの素材に鉄を使う。これは本当は必要ないが、まあ市場を動かすためだな。作った魔獣除けは、長旅の多い行商人に売りつける。あの領地は非常に行商人が多いが、領主から安全保障をされているわけではない。護衛を雇えるのも、ごく少数の豊かな人たちだけだ」
あの都市は行商で成り立っているといっても過言ではない。兵士や人は多いが、何せ一次産業が壊滅的に少ないのだ。いわゆる、食料自給率が低い状態にある。食料がなければ、他の産業も成立しない。
「今一番行商がホットな地域と言えば、このマーケット付近ですね。特に僕たちの商店は、営業成績がうなぎ登りで、あらゆる商品が集まる場所となっている。それを餌に、まずは行商人を捕まえる訳ですね」
「その通りだ。正直これは自惚れかもしれないが、一度行商人を捕まえればさらに大量の行商人が利益を求めて集まってくると踏んでいる。そのくらいの魅力が、俺たちの商店にはあるんだ。これは自信を持って言える」
俺たちの商店は、モノが余っているくらいなのだ。集客力の強いスーパーマーケットと小売業の誕生によって、食料の廃棄は驚くほど減っている。このマーケット周辺に住む人口の半分程度は、うちの商店でまかなえるんじゃないだろうか。そのくらいの商品がここには出入りしていた。
「つまり、お金に困っていても護衛を雇えない行商人さんは、過酷な道を抜けてマーケットまで来るために、魔獣除けを購入せざるを得ないと。なら、大量に売れる可能性が期待できますね。それでさっきの話、素材の一部に鉄を使用するというのは……!」
「どうやら見当がついたみたいだな。そうだ、今の時代、鉄の使用用途というのは限られている。今一番鉄を所有しているのは、間違いなく軍隊だ。当然、俺たちも鉄の供給に余裕があるわけじゃない。なら、行商人から買うしかないよな」
「行商人は何とか魔獣除けを買いたい。でも、その素材である鉄が不足している。逆に言えば、ウチの商店に鉄を持ち込めば必ず売れる。ならば当然、行商人は血眼になって鉄を買い集め始めるでしょうね。魔獣除けは彼らの生命線となるんですから」
プロテリアの言う通りだ。理解が早くて本当に助かる。
このマーケットから考えて一番近い距離にある都市は、間違いなくアヴィチェリダのいる都だ。そこには鉄が豊富にある。軍隊の所有物として。
逆に、そこ以外に鉄を仕入れられるような場所はない。付近に鉄鉱山はないし、小規模の集落や村はあっても、鉄を大量に抱えているはずはない。あの都市から持ってくるのが、最短で最適なのだ。
「都市から兵士を消滅させる。つまり第一作戦は、あの都市から兵士の武器を取り上げることですね。魔獣除けで充分なら、戦争に関与しない一般人にとって武器よりも商売の方が重要ですから」
「そうだ。だが、この第一作戦は少なく短く見積もっても三日は掛かる。それまでに、奴らが攻め込んでこないとは限らない。だから、今すぐ打てる手も用意しておいた。これで時間を稼ぎ、鉄のラインを崩壊させるぞ!」
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