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叶わぬ願いと望んだ未来
バレたくないって思う程バレてしまう法則
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これは昔の夢だ。……たぶん私が3歳くらいの時の……夢だ。
「おはようございます」
朝起きてから侍従に挨拶をしたリリアだが、その言葉を受け取った侍従は腫れ物を扱うように作り笑顔で答応えた。
「お、おはようございます。リリア様。お食事のご用意はできていますので身支度を整えてから来てください」
途中から焦りを出して一息に言い終えると侍従はそそくさとリリアの部屋から出ていった。
当時は子供ながら嫌われていると思った。そして同時に自分が何か悪いことをしたのかと思っていた。だから私は良い子になろうとして……嫌われない様にと頑張ってお話をしたりアーデルハイドお姉様やクルスお兄様にどうすれば良い子になれるかを聞いたりしました。
「アーデルハイドお姉様。どうやったらいい子になれるんでしょうか?」
「良い子?そうだな、好き嫌いなく食べる事じゃないか?」
「はい!」
「リリア。俺からも一つ教えてあげよう。それは嘘をつかない事だ」
「クルスお兄様。リリアが昨日言ったことをまだ根に持っていらっしゃるんですか?そもそもアレはお兄様がリリアを構ってあげなかったから『嫌い!』なんて言われてるんですよ?」
「うっ……それは、仕事が、いや、でもしかし……」
「それなのに結局リリアから嘘だと言われて謝られる何て……」
「クルスお兄様……傷つけてごめんなさい……やっぱりリリアは悪い子なんですね」
「そんなことない!そんなことないぞ!!」
……あの頃は色々と必死で覚えようとしました。
今ならあの侍女が嫌っているのではなく怖がっていたのだと理解しています。
だって私は聖女として生まれていて、それも歴代の聖女達よりも遥かに多い魔力を所持しています。その巨大すぎる魔力を使ってしまえば私はこの国の3分の一を一瞬で壊せてしまうんです。3歳の何を考えているかわからない女の子が出来ると考えれば怖いですよね。
それでも私はお父様とお母様から生まれた……ただの人間です。
――人間ですけど……私は聖女の仕事を全うしなければなりません。だから夢を持つ暇なんてありません。
……でもたった一つのお願いを叶えてほしいと思うのはいけない事でしょうか。今の生活を……続けたい。たまにでいいんです。危険でもいいんです。大地さんとこうして一緒にギルドの依頼をこなしたい。ダイチさんと一緒にご飯を食べたい。
それは私の出生がバレない事を前提にしたお願いで虫がいいと思いますけど……続けていきたいです。
***
「リ…ア!リリ…!リリア!!」
目が覚め始める直前に大地の声が聞こえてきた。
あれ?今何していたんでしたっけ?……あ、今モンスターと戦っているんだ。起きないと……。
そう考えるリリアだが熱による体力の消耗、水分の消費が激しく意識の覚醒を邪魔してくる。
「ダイ……チさん?」
薄っすらと見える大地の顔を見ながらその名前を何とか呼ぶ。
「リリア!大丈夫か?」
状態は最悪だが何とか意識がはっきりしてきた。だが、熱さのせいで息が荒くなってしまう。
「はい。……何とか」
そうしてリリアは体に鞭打って無理にでも上体を起こしながら立ち上がっていく。
大地はそれを見届けるしかできない。ここがベッドの上とかだったら弱った体に無理などさせないのだが場所が場所で状況が状況だ。今は無理してでも戦わなければ生き残れない。
大地さん大地さん!レヴィアちゃんが可愛いですよ!!
そんな中でいきなり場違いの声が脳内に聞こえてきた。
相手は当然フルネールなのだが、こんな非常事態に聞いてられる内容ではなかった。
今それどころじゃないんだ。後にしてくれ。
それどころじゃないってそんなに大変な状態なんですか?
ああ、熱さでちとヤバいな。そっちは平気なのか?
こちらは他の人たちが慌ててるくらいで私は大丈夫ですよ!
大丈夫なのはフルネールだけかよ!
あ!いえ、ごめんなさい。私とレヴィアちゃんは大丈夫ですよ!!
そういう問題じゃ……ま、いいや。もしかしたらそっちも熱くなるかもしれないから気を付けろよ?
ああ、それなら既に熱いですよ~?
まじかよ……。
フルネールはそれっきり黙ってしまったが変な事を呟かれるよりはマシかもしれない。
そして今はあのモグラをどうにかしなければならないのだ。今はグラネスが何とか善戦してくれている。リリアも気がついたのだからあのモグラを倒さないとここの熱は本当に危険になるだろう。
だが……どんな武器で戦えばいいのか。三弾は溶かされ凍結ビームは相殺された。唯一まともに当たったのは光線銃だけか。
「なんだと!?」
大地が武器を考えあぐねているとグラネスから驚きの声が上がる。リリアから目を離してグラネスへ振り向くとモグラが三体になっていた。だが、よく見るとその内の二体は炎で作られているようで全てが燃えていた。
こう言うときにレヴィアが居てくれれば……。
そう思った時にふと気づく。いっそ兵器としてレヴィアを召喚すればいいのではないか?と。
大地は何時ものレヴィアをイメージして2体ほど召喚した。
「ま、まぁこんなものかな?」
大地の顔が若干ひきつっているのは出来の悪い木偶人形であり『レヴィアだ』と言っても頷きにくいロボットだからである。
ま、まぁ本人に見られるわけでもないからいいだろう。
そして、もう1つ武器を召喚する。先程からグラネスの斬撃は避けずに爪で防いでるのを見るに剣での直接攻撃なら回避に徹することはしないのかもしれない。
だから、ロングソードを召喚して……レヴィアαとレヴィアmk2と共にモグラへと駆け出した。
メカレヴィアが炎のモグラとなっている二体へ氷のブレスをはきだした。その攻撃に対抗するように炎のモグラは火のブレスを吐き出して衝突させる。……シュールだ。
とはいえこれでモグラ本体がフリーになったのだから十分すぎる成果だ。大地はそのままモグラの真横へ移動すると剣を振り下ろした。
その剣をモグラはグラネスの時と同じように爪で受け止める。だが、グラネスの大剣程の大きさじゃない剣なら小回りはきく。
大地は直ぐに相手と爪から刃を離して真横からの薙ぎ払いを打ち込む。振りから直撃まで1秒未満の時間だがモグラはきっちり大地の斬撃に合わせて爪で防いでくる。
「短い爪で器用に防ぎやがって……これならどうだ!」
少し速度が落ちてしまうものの大地は剣を何度も振るう。縦横斜め、そして突きと打ち込んでいく。剣術の心得があれば相手の隙を見つけて……ということも出来るのだろうが、大地の【ウキペデア】は兵器となる武器の使い方しか教えてくれない。
でもそれでいい。相手がこちらに釘付けになれば仲間がフリーになる!
大地の反対側からグラネスがモグラに向けて大剣を振り下ろした。グラネスの重い一撃は流石に片手で掴むことは出来ないのか大剣の腹を真横から爪で押し出して受け流す。
二人で挟んで攻撃を続けるおかげで大地の攻撃が当たり始めた。しかし、致命打にはならず掠れるばかりだ。でもこのまま続ければいずれ倒せる――何てことは言わない。このまま続ければモグラは危険を察して逃げることもあり得る。だから……。
「リリア!」
その掛け声と共に閃光が駆け抜けてモグラを真正面から貫いた。被弾箇所はモグラの頭部だ。モグラが力無く倒れたところを見ると完全に倒したのは間違いない。
大地は魔石近くにいるリリアの方へ目を向けると、杖にしがみつくように何とか立っているようだ。息も荒いのか遠巻きで見ても体がやや上下しているのがわかる。
大地はすぐさま駆けて近づいた。
リリアに近づくと熱さでもやられていることがよくわかる。
「すまない。だいぶ無理させてしまった」
「何を言ってるんですか私はダイチさんよりランク高いんですよ」
大地の顔を見てそれ以上心配しない様に出来る限り笑みを浮かべてから魔石へと振り向いた。これで少しずついい方向へ……。
「ダメ……止まってない!魔力を吸収しすぎたのとここが熱くなっていることで暴走してます……!」
今も熱の放出を続ける魔石は赤く強い光を放ったままだ。
「どうにかする手段はあるのか!?」
リリアの様子から切羽詰まっているのがよくわかる。だから大地は単刀直入に聞いた。
「ここまで来ると私の手では……何とかするにはこの当たりを冷やさなければいけません」
魔石の回りが冷えれば何とか出来る。それならばメカレヴィア二体に冷気を吐かせ続ければ……!!
何とかできる。その考えは次の瞬間に崩壊した。
黒い地面から溶岩を撒き散らしながら例のモグラが現れたのだ。
「二体目か……」
苦々しい顔をしながら大地はモグラを見据える。グラネスは流石に先ほどの戦いで傷を負い体力も厳しそうだ。
リリアは熱と疲労で立っているのがやっとだろう。
相手に出来るのは大地くらいだが早く魔石を何とかしなければリリアの想像した悪い未来へとことが進んでしまう。
どうすれば最善か……。
大地はリリアの顔を見る。辛そうにしながらそれでも笑顔を作ろうとする痛々しい表情だ。
……やることは決まりだな。
意識一つでメカレヴィア二体はモグラへとの攻撃を開始した。氷のブレスやメカ特有の攻撃方法……腕をドリルにしてのドリルアタックがメイン武器だ。
「グラネス!リリアを連れて逃げられるか?」
大地がそう言うとグラネスは頷きリリアへ近づいていく。そんなリリアは困惑しながら大地に問いただした。
「ダイチさん。何をするきですか!?」
その大地は凍結ビーム零式を召喚していた。
「魔石を凍らせる。危ないから下がってろって事だ」
時間はあまりない。安全な距離まで下がる時間もない。だけどこの距離で撃てば恐らく……。
「ダイチさん。危険は……ないんですよね……」
息も絶え絶え。そんな様相のリリアがそれでも自分より大地を気遣ってくる。心配はかけたくないが……でも、嘘をついてもバレルだろう。
「悪い。これしか切り抜ける方法はないと思うんだ」
少しだけ笑みを浮かべて大地はそう返した。凍結ビーム零式フルパワーで発射するつもりだ。余波は大地を襲うだろう。良くて全身凍傷というあたりだろうか。最悪だと氷像に早変わりといったところだ。やれやれ……本当に火力が有るのも考えものだな。
「だめ……です!そんなことしては……!」
そう抗議するリリアに近づいたグラネスへ大地は視線を向けると意図を察してくれたのか、リリアの手を掴んだグラネスは大地から離れていく。
「グラネスさん!……はな、離して…離してください!やだ!やだぁーーっ!!」
リリアはあいた手を大地に向かって力いっぱい伸ばす。唯一無二の聖女だけが扱える杖を地面に転がしてしまっていてもそちらに目も向けず、必死に叫んでもグラネスはリリアの想いを無視して離れていく。走る体力もほぼ無く、先の戦いで足を負傷している為、若干引きずりながらの移動だがリリアの手は決して離さない。
こいつを凍らせた後、意識が残っている間はメカレヴィアの維持を考えないといけないな……。せめてリリアとグラネスが逃げ切る時間を稼ぐまでは。
大地の持つ凍結ビーム零式の出力を最大で放つ用意は出来た。ノズルのような銃口を魔石へと向けて引き金を……。
「――やめなさい」
その言葉が聞こえた瞬間、あたりの熱が急激に消えた。
その声は大地の真横からいきなり聞こえてきた。
その者はリリアよりも小さいが強さで言えばリリアよりも強大な魔力を持っていた。
その姿は瑠璃色の長い髪と瞳を持っていた。
その服装は薄いエメラルドグリーンを基調としたドレス姿で羽衣を纏っていた。
「レヴィア……?何故ここに?」
熱にあたり続けていたせいで体の熱まではすぐに冷めないが生きやすくなったのは確かであり、それを行ったのがレヴィアだ。
「フルネールから聞いたのよ」
「フルネールから?」
「そうよ。あっちに居たらどんどん熱くなっていくんだもの」
やはり王都に熱風が流れて行ってしまっているのか……。
「町は大丈夫なのか?」
「ええ。シャーリーが何とかしてくれるから少しの時間は問題ないわ」
***
熱の急上昇でパニックになっている城内で、シャーリーはフルネールと話しをすると事態は深刻だと分かった。
「大地さんが山で何とかしているはずですけど……環境に弱いですからねぇ……大地さん」
「それじゃあ直ぐに助けに行かないと!」
シャーリーが焦りながらそう言うとレヴィアがそれを止めた。
「アタシが行く!だってアタシの大地だもの」
「あらあら……」
意気込むレヴィアにフルネールは可愛らしい一面が見れて顔が緩む。
「……わかったわ」
ちょっと羨ましく思いながらシャーリーは頷くとこの町の熱を何とかする方へと意識を切り替えた。
「それじゃあ私はこの町の熱を何とかするわ。でも……もって30分くらいだから手早くお願いね?」
「任せて頂戴」
そういってレヴィアは直ぐにでもモンスター特有の能力で飛んで行った。
残されたシャーリーは兄に声をかける。
「お兄ちゃん行くよ!」
「えー?俺は水、氷魔法はあまり得意じゃ……」
「行・く・よ!?」
「は、はい」
シャーリーに気圧されながら兄のライズは妹についていくことにした。二人はお城の上に上ると町全体を覆う超巨大な氷雪の結界を張る。熱を遮りながら中は寒すぎないように魔力を調節するのだった。
***
そんな経緯を全て話さないレヴィアだがシャーリーに教わったように大地もリリアもついでのグラネスも凍らないように温度を調節する。
「これくらいなら寒すぎないでしょ?」
顔を上げて大地を見るレヴィアは少しのドヤ顔でいう。そしてグラネスも今起きたことで足を止めてリリアから手を離して振り返っていた。
しかし魔石はまだ赤く光ったままだ暴走は続いているといっても過言ではない……。
「これがフルネールが言ってた魔石ね?さっきのやり取りを見る限り冷やせばいいのよね?」
「あ、ああ」
急展開により大地は同様しながら答えるとレヴィアは頷いて指を一つ鳴らした。
その瞬間、魔石の周りを小さいブリザードが球体状に作られて魔石を急激に冷やしていく。
「さて、これでいいわよね……あとは」
そうして振り返ったレヴィアはモグラへと視線を向ける――が、モグラ以上に気になるものを目にしてしまった。
「ねぇ大地?あれは……ひょっとして……アタシかしら?」
大地もレヴィアの視線の先へ移すとそこにはモグラとレヴィアαとレヴィアmk2のメカレヴィアが二体いる。だって消してないもの。
「あ、あー。えっと。はい。そうです」
まさかの本人に見られるとは思っていなかった為、恐る恐るといった様子で大地は返事をするしかなかった。
「そう……ねぇ大地?」
「は、はい!」
「二度と。二度とアレを召喚しないでくれるかしら?」
静かな怒り……とでもいうのだろうか。レヴィアから凄味を感じる。
「あ、あーダメか?」
だが、メカレヴィアの活躍ぶりは大いに助かるのだ。だから封印となると……と考える大地へレヴィアは冷たい視線を送る。……やだこの子、表情豊かだ。
「それならこれから毎日、適当な氷像を作って『これ大地よ?』と言って渡してあげるわ」
ぶっさいくな氷像を笑顔で渡してくるレヴィアを想像した大地は若干……「うっ」と心に来るものがあった。
「ご、ごめんなさい」
そう一言誤ってから大地はメカレヴィアを消した。……さらばメカレヴィア!
「わかればいいのよ」
そう言ったレヴィアは小さく「もっと可愛く作ってくれれば……」等と小さく呟く。その声はしっかり大地に届いているがここで何か言う度胸は無い。
「クルスが言ってたレッドモールね……」
「あのモンスターの名前か?」
「そうらしいわ。周りが熱くなればなるほど強くなるSランクモンスターが出ているかもしれないって言ってたわ」
少しずつレヴィアはレッドモールへと近づいていく。そのレヴィアを脅威に感じたレッドモールは四つん這いになって熱線を開けた口から放った。大地の凍結ビーム零式を相殺するほどの熱量だが……ことマイナス温度のエキスパートであるレヴィアにとっては何の問題もなかった。
「無駄よ」
たった一言、レヴィアがそう言いながら手を前に差し出して作った薄い氷の壁が熱線を無力化していく。
熱線を吐き終わったレッドモールは戦況的不利を速やかに察知する。周りの熱が消え、目の前には前代未聞の水、氷を操る強敵だ。この溶岩あふれる山の中に決しているはずのない天敵とでさえ言える敵。
だからすぐに逃げようと地面へ爪を突き立て……られなかった。
「アタシの大地を苦しめて……逃げられると思うの?」
すでに黒い地面にはまたもや薄い氷が張り巡らされている。溶岩熱にも溶かされないレヴィアの特別性の氷だ。
そしてモグラの周りから細い氷の線が伸びたと思いきやモグラへと張り付いていく。まるで大地が使った機械の蜘蛛が出す糸で動きを止めるみたいに。
「今終わりにしてあげるわ」
最後にそう言うとレヴィアの真横から細長いつららが作り上げられた。宙に浮くそれはレヴィアがモグラを指さした合図で動き出してモンスターを貫き絶命させた。
「おはようございます」
朝起きてから侍従に挨拶をしたリリアだが、その言葉を受け取った侍従は腫れ物を扱うように作り笑顔で答応えた。
「お、おはようございます。リリア様。お食事のご用意はできていますので身支度を整えてから来てください」
途中から焦りを出して一息に言い終えると侍従はそそくさとリリアの部屋から出ていった。
当時は子供ながら嫌われていると思った。そして同時に自分が何か悪いことをしたのかと思っていた。だから私は良い子になろうとして……嫌われない様にと頑張ってお話をしたりアーデルハイドお姉様やクルスお兄様にどうすれば良い子になれるかを聞いたりしました。
「アーデルハイドお姉様。どうやったらいい子になれるんでしょうか?」
「良い子?そうだな、好き嫌いなく食べる事じゃないか?」
「はい!」
「リリア。俺からも一つ教えてあげよう。それは嘘をつかない事だ」
「クルスお兄様。リリアが昨日言ったことをまだ根に持っていらっしゃるんですか?そもそもアレはお兄様がリリアを構ってあげなかったから『嫌い!』なんて言われてるんですよ?」
「うっ……それは、仕事が、いや、でもしかし……」
「それなのに結局リリアから嘘だと言われて謝られる何て……」
「クルスお兄様……傷つけてごめんなさい……やっぱりリリアは悪い子なんですね」
「そんなことない!そんなことないぞ!!」
……あの頃は色々と必死で覚えようとしました。
今ならあの侍女が嫌っているのではなく怖がっていたのだと理解しています。
だって私は聖女として生まれていて、それも歴代の聖女達よりも遥かに多い魔力を所持しています。その巨大すぎる魔力を使ってしまえば私はこの国の3分の一を一瞬で壊せてしまうんです。3歳の何を考えているかわからない女の子が出来ると考えれば怖いですよね。
それでも私はお父様とお母様から生まれた……ただの人間です。
――人間ですけど……私は聖女の仕事を全うしなければなりません。だから夢を持つ暇なんてありません。
……でもたった一つのお願いを叶えてほしいと思うのはいけない事でしょうか。今の生活を……続けたい。たまにでいいんです。危険でもいいんです。大地さんとこうして一緒にギルドの依頼をこなしたい。ダイチさんと一緒にご飯を食べたい。
それは私の出生がバレない事を前提にしたお願いで虫がいいと思いますけど……続けていきたいです。
***
「リ…ア!リリ…!リリア!!」
目が覚め始める直前に大地の声が聞こえてきた。
あれ?今何していたんでしたっけ?……あ、今モンスターと戦っているんだ。起きないと……。
そう考えるリリアだが熱による体力の消耗、水分の消費が激しく意識の覚醒を邪魔してくる。
「ダイ……チさん?」
薄っすらと見える大地の顔を見ながらその名前を何とか呼ぶ。
「リリア!大丈夫か?」
状態は最悪だが何とか意識がはっきりしてきた。だが、熱さのせいで息が荒くなってしまう。
「はい。……何とか」
そうしてリリアは体に鞭打って無理にでも上体を起こしながら立ち上がっていく。
大地はそれを見届けるしかできない。ここがベッドの上とかだったら弱った体に無理などさせないのだが場所が場所で状況が状況だ。今は無理してでも戦わなければ生き残れない。
大地さん大地さん!レヴィアちゃんが可愛いですよ!!
そんな中でいきなり場違いの声が脳内に聞こえてきた。
相手は当然フルネールなのだが、こんな非常事態に聞いてられる内容ではなかった。
今それどころじゃないんだ。後にしてくれ。
それどころじゃないってそんなに大変な状態なんですか?
ああ、熱さでちとヤバいな。そっちは平気なのか?
こちらは他の人たちが慌ててるくらいで私は大丈夫ですよ!
大丈夫なのはフルネールだけかよ!
あ!いえ、ごめんなさい。私とレヴィアちゃんは大丈夫ですよ!!
そういう問題じゃ……ま、いいや。もしかしたらそっちも熱くなるかもしれないから気を付けろよ?
ああ、それなら既に熱いですよ~?
まじかよ……。
フルネールはそれっきり黙ってしまったが変な事を呟かれるよりはマシかもしれない。
そして今はあのモグラをどうにかしなければならないのだ。今はグラネスが何とか善戦してくれている。リリアも気がついたのだからあのモグラを倒さないとここの熱は本当に危険になるだろう。
だが……どんな武器で戦えばいいのか。三弾は溶かされ凍結ビームは相殺された。唯一まともに当たったのは光線銃だけか。
「なんだと!?」
大地が武器を考えあぐねているとグラネスから驚きの声が上がる。リリアから目を離してグラネスへ振り向くとモグラが三体になっていた。だが、よく見るとその内の二体は炎で作られているようで全てが燃えていた。
こう言うときにレヴィアが居てくれれば……。
そう思った時にふと気づく。いっそ兵器としてレヴィアを召喚すればいいのではないか?と。
大地は何時ものレヴィアをイメージして2体ほど召喚した。
「ま、まぁこんなものかな?」
大地の顔が若干ひきつっているのは出来の悪い木偶人形であり『レヴィアだ』と言っても頷きにくいロボットだからである。
ま、まぁ本人に見られるわけでもないからいいだろう。
そして、もう1つ武器を召喚する。先程からグラネスの斬撃は避けずに爪で防いでるのを見るに剣での直接攻撃なら回避に徹することはしないのかもしれない。
だから、ロングソードを召喚して……レヴィアαとレヴィアmk2と共にモグラへと駆け出した。
メカレヴィアが炎のモグラとなっている二体へ氷のブレスをはきだした。その攻撃に対抗するように炎のモグラは火のブレスを吐き出して衝突させる。……シュールだ。
とはいえこれでモグラ本体がフリーになったのだから十分すぎる成果だ。大地はそのままモグラの真横へ移動すると剣を振り下ろした。
その剣をモグラはグラネスの時と同じように爪で受け止める。だが、グラネスの大剣程の大きさじゃない剣なら小回りはきく。
大地は直ぐに相手と爪から刃を離して真横からの薙ぎ払いを打ち込む。振りから直撃まで1秒未満の時間だがモグラはきっちり大地の斬撃に合わせて爪で防いでくる。
「短い爪で器用に防ぎやがって……これならどうだ!」
少し速度が落ちてしまうものの大地は剣を何度も振るう。縦横斜め、そして突きと打ち込んでいく。剣術の心得があれば相手の隙を見つけて……ということも出来るのだろうが、大地の【ウキペデア】は兵器となる武器の使い方しか教えてくれない。
でもそれでいい。相手がこちらに釘付けになれば仲間がフリーになる!
大地の反対側からグラネスがモグラに向けて大剣を振り下ろした。グラネスの重い一撃は流石に片手で掴むことは出来ないのか大剣の腹を真横から爪で押し出して受け流す。
二人で挟んで攻撃を続けるおかげで大地の攻撃が当たり始めた。しかし、致命打にはならず掠れるばかりだ。でもこのまま続ければいずれ倒せる――何てことは言わない。このまま続ければモグラは危険を察して逃げることもあり得る。だから……。
「リリア!」
その掛け声と共に閃光が駆け抜けてモグラを真正面から貫いた。被弾箇所はモグラの頭部だ。モグラが力無く倒れたところを見ると完全に倒したのは間違いない。
大地は魔石近くにいるリリアの方へ目を向けると、杖にしがみつくように何とか立っているようだ。息も荒いのか遠巻きで見ても体がやや上下しているのがわかる。
大地はすぐさま駆けて近づいた。
リリアに近づくと熱さでもやられていることがよくわかる。
「すまない。だいぶ無理させてしまった」
「何を言ってるんですか私はダイチさんよりランク高いんですよ」
大地の顔を見てそれ以上心配しない様に出来る限り笑みを浮かべてから魔石へと振り向いた。これで少しずついい方向へ……。
「ダメ……止まってない!魔力を吸収しすぎたのとここが熱くなっていることで暴走してます……!」
今も熱の放出を続ける魔石は赤く強い光を放ったままだ。
「どうにかする手段はあるのか!?」
リリアの様子から切羽詰まっているのがよくわかる。だから大地は単刀直入に聞いた。
「ここまで来ると私の手では……何とかするにはこの当たりを冷やさなければいけません」
魔石の回りが冷えれば何とか出来る。それならばメカレヴィア二体に冷気を吐かせ続ければ……!!
何とかできる。その考えは次の瞬間に崩壊した。
黒い地面から溶岩を撒き散らしながら例のモグラが現れたのだ。
「二体目か……」
苦々しい顔をしながら大地はモグラを見据える。グラネスは流石に先ほどの戦いで傷を負い体力も厳しそうだ。
リリアは熱と疲労で立っているのがやっとだろう。
相手に出来るのは大地くらいだが早く魔石を何とかしなければリリアの想像した悪い未来へとことが進んでしまう。
どうすれば最善か……。
大地はリリアの顔を見る。辛そうにしながらそれでも笑顔を作ろうとする痛々しい表情だ。
……やることは決まりだな。
意識一つでメカレヴィア二体はモグラへとの攻撃を開始した。氷のブレスやメカ特有の攻撃方法……腕をドリルにしてのドリルアタックがメイン武器だ。
「グラネス!リリアを連れて逃げられるか?」
大地がそう言うとグラネスは頷きリリアへ近づいていく。そんなリリアは困惑しながら大地に問いただした。
「ダイチさん。何をするきですか!?」
その大地は凍結ビーム零式を召喚していた。
「魔石を凍らせる。危ないから下がってろって事だ」
時間はあまりない。安全な距離まで下がる時間もない。だけどこの距離で撃てば恐らく……。
「ダイチさん。危険は……ないんですよね……」
息も絶え絶え。そんな様相のリリアがそれでも自分より大地を気遣ってくる。心配はかけたくないが……でも、嘘をついてもバレルだろう。
「悪い。これしか切り抜ける方法はないと思うんだ」
少しだけ笑みを浮かべて大地はそう返した。凍結ビーム零式フルパワーで発射するつもりだ。余波は大地を襲うだろう。良くて全身凍傷というあたりだろうか。最悪だと氷像に早変わりといったところだ。やれやれ……本当に火力が有るのも考えものだな。
「だめ……です!そんなことしては……!」
そう抗議するリリアに近づいたグラネスへ大地は視線を向けると意図を察してくれたのか、リリアの手を掴んだグラネスは大地から離れていく。
「グラネスさん!……はな、離して…離してください!やだ!やだぁーーっ!!」
リリアはあいた手を大地に向かって力いっぱい伸ばす。唯一無二の聖女だけが扱える杖を地面に転がしてしまっていてもそちらに目も向けず、必死に叫んでもグラネスはリリアの想いを無視して離れていく。走る体力もほぼ無く、先の戦いで足を負傷している為、若干引きずりながらの移動だがリリアの手は決して離さない。
こいつを凍らせた後、意識が残っている間はメカレヴィアの維持を考えないといけないな……。せめてリリアとグラネスが逃げ切る時間を稼ぐまでは。
大地の持つ凍結ビーム零式の出力を最大で放つ用意は出来た。ノズルのような銃口を魔石へと向けて引き金を……。
「――やめなさい」
その言葉が聞こえた瞬間、あたりの熱が急激に消えた。
その声は大地の真横からいきなり聞こえてきた。
その者はリリアよりも小さいが強さで言えばリリアよりも強大な魔力を持っていた。
その姿は瑠璃色の長い髪と瞳を持っていた。
その服装は薄いエメラルドグリーンを基調としたドレス姿で羽衣を纏っていた。
「レヴィア……?何故ここに?」
熱にあたり続けていたせいで体の熱まではすぐに冷めないが生きやすくなったのは確かであり、それを行ったのがレヴィアだ。
「フルネールから聞いたのよ」
「フルネールから?」
「そうよ。あっちに居たらどんどん熱くなっていくんだもの」
やはり王都に熱風が流れて行ってしまっているのか……。
「町は大丈夫なのか?」
「ええ。シャーリーが何とかしてくれるから少しの時間は問題ないわ」
***
熱の急上昇でパニックになっている城内で、シャーリーはフルネールと話しをすると事態は深刻だと分かった。
「大地さんが山で何とかしているはずですけど……環境に弱いですからねぇ……大地さん」
「それじゃあ直ぐに助けに行かないと!」
シャーリーが焦りながらそう言うとレヴィアがそれを止めた。
「アタシが行く!だってアタシの大地だもの」
「あらあら……」
意気込むレヴィアにフルネールは可愛らしい一面が見れて顔が緩む。
「……わかったわ」
ちょっと羨ましく思いながらシャーリーは頷くとこの町の熱を何とかする方へと意識を切り替えた。
「それじゃあ私はこの町の熱を何とかするわ。でも……もって30分くらいだから手早くお願いね?」
「任せて頂戴」
そういってレヴィアは直ぐにでもモンスター特有の能力で飛んで行った。
残されたシャーリーは兄に声をかける。
「お兄ちゃん行くよ!」
「えー?俺は水、氷魔法はあまり得意じゃ……」
「行・く・よ!?」
「は、はい」
シャーリーに気圧されながら兄のライズは妹についていくことにした。二人はお城の上に上ると町全体を覆う超巨大な氷雪の結界を張る。熱を遮りながら中は寒すぎないように魔力を調節するのだった。
***
そんな経緯を全て話さないレヴィアだがシャーリーに教わったように大地もリリアもついでのグラネスも凍らないように温度を調節する。
「これくらいなら寒すぎないでしょ?」
顔を上げて大地を見るレヴィアは少しのドヤ顔でいう。そしてグラネスも今起きたことで足を止めてリリアから手を離して振り返っていた。
しかし魔石はまだ赤く光ったままだ暴走は続いているといっても過言ではない……。
「これがフルネールが言ってた魔石ね?さっきのやり取りを見る限り冷やせばいいのよね?」
「あ、ああ」
急展開により大地は同様しながら答えるとレヴィアは頷いて指を一つ鳴らした。
その瞬間、魔石の周りを小さいブリザードが球体状に作られて魔石を急激に冷やしていく。
「さて、これでいいわよね……あとは」
そうして振り返ったレヴィアはモグラへと視線を向ける――が、モグラ以上に気になるものを目にしてしまった。
「ねぇ大地?あれは……ひょっとして……アタシかしら?」
大地もレヴィアの視線の先へ移すとそこにはモグラとレヴィアαとレヴィアmk2のメカレヴィアが二体いる。だって消してないもの。
「あ、あー。えっと。はい。そうです」
まさかの本人に見られるとは思っていなかった為、恐る恐るといった様子で大地は返事をするしかなかった。
「そう……ねぇ大地?」
「は、はい!」
「二度と。二度とアレを召喚しないでくれるかしら?」
静かな怒り……とでもいうのだろうか。レヴィアから凄味を感じる。
「あ、あーダメか?」
だが、メカレヴィアの活躍ぶりは大いに助かるのだ。だから封印となると……と考える大地へレヴィアは冷たい視線を送る。……やだこの子、表情豊かだ。
「それならこれから毎日、適当な氷像を作って『これ大地よ?』と言って渡してあげるわ」
ぶっさいくな氷像を笑顔で渡してくるレヴィアを想像した大地は若干……「うっ」と心に来るものがあった。
「ご、ごめんなさい」
そう一言誤ってから大地はメカレヴィアを消した。……さらばメカレヴィア!
「わかればいいのよ」
そう言ったレヴィアは小さく「もっと可愛く作ってくれれば……」等と小さく呟く。その声はしっかり大地に届いているがここで何か言う度胸は無い。
「クルスが言ってたレッドモールね……」
「あのモンスターの名前か?」
「そうらしいわ。周りが熱くなればなるほど強くなるSランクモンスターが出ているかもしれないって言ってたわ」
少しずつレヴィアはレッドモールへと近づいていく。そのレヴィアを脅威に感じたレッドモールは四つん這いになって熱線を開けた口から放った。大地の凍結ビーム零式を相殺するほどの熱量だが……ことマイナス温度のエキスパートであるレヴィアにとっては何の問題もなかった。
「無駄よ」
たった一言、レヴィアがそう言いながら手を前に差し出して作った薄い氷の壁が熱線を無力化していく。
熱線を吐き終わったレッドモールは戦況的不利を速やかに察知する。周りの熱が消え、目の前には前代未聞の水、氷を操る強敵だ。この溶岩あふれる山の中に決しているはずのない天敵とでさえ言える敵。
だからすぐに逃げようと地面へ爪を突き立て……られなかった。
「アタシの大地を苦しめて……逃げられると思うの?」
すでに黒い地面にはまたもや薄い氷が張り巡らされている。溶岩熱にも溶かされないレヴィアの特別性の氷だ。
そしてモグラの周りから細い氷の線が伸びたと思いきやモグラへと張り付いていく。まるで大地が使った機械の蜘蛛が出す糸で動きを止めるみたいに。
「今終わりにしてあげるわ」
最後にそう言うとレヴィアの真横から細長いつららが作り上げられた。宙に浮くそれはレヴィアがモグラを指さした合図で動き出してモンスターを貫き絶命させた。
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