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叶わぬ願いと望んだ未来
死出の夢
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気づいた瞬間にわかった。これは夢だ。……いつもと言うとちょっと違うけど。
夢の中だけど現実も混じっている夢と現実の境のような……でも、どちらにしても悲しいことに代わりはないもの。
リリアから少し離れた場所には一人の男性と思しき存在がいる。その男性をリリアが認識すると徐々に姿がはっきりしてくるがそのとたん、彼の死に際が映像となってリリアに直接見せる。
腕や足、横っ腹に傷を負いながらも必死に走っている。息を荒くして草木や小石、整備されていない土を踏みながら森の中を……だ。飛び出ている小枝で頬や二の腕が切れようとも今は気にしている場合ではない。
止まれば死ぬ。追い付かれても死ぬ。戦っても死ぬ。もう既に必死に走る以外の道は用意されていない。その死をもたらされる理由は真後ろから少しずつ距離を縮めて来ている熊のようなモンスターによるものだ。
走り続けるその体が悲鳴をあげている。それは限界が近いと言うことであり……この長い鬼ごっこももうすぐ終わることを意味していた。
それが怖くて怖くて……男は泣き叫びながら走る……が、肉体の限界の前に終わりは早く来てしまった。疲労、恐怖、緊張が絡み合い男の足をもつれさせる。
男は地面に倒れた拍子に肺の空気が漏れでたせいで「うぁっ」と声にならない音を吐き出した。
そしてすぐさまに振り向くとモンスターは目の前まで来ていてその腕が振り下ろされた。鋭い爪が肉に食い込み裂いていく痛みを感じながらも声を上げることすら叶わず痛みの中で男は絶命した。
その一部始終を拒否できないイメージ映像として見せつけられたリリアは眉尻が下がるほど悲しくなる。どれくらい怖かったのか。どのくらい痛かったのか。見ただけで全てがわかるわけはないが……それでも目の前の亡くなった男性が辛かったことはわかるから。
「痛かったですよね。ごめんなさい。私にはあなたが無事に天に帰られる事を祈ってあげる事しか……出来ないんです」
目の前の男性の辛さを思えば思う程、悲しさが増してリリアの瞳から涙がこぼれる。
聖女なのに助けることもできず祈ることしかできなくて……ごめんなさい。と。
「聖女様……謝らないでください」
輪郭さえもハッキリした男性が柔らかい笑みを浮かべて言う。
「確かに死ぬ間際は怖かったです……でも最期に聖女様とお話出来る夢が叶ったんですから悲しくないですよ」
「夢……?」
「はい。今の代の聖女様は心優しいとお聞きしていて話してみたかったのです」
「そんな私は……死んでしまったあなたに何もできないのにそんな事を言ってもらう資格なんてありません……」
「……本当に噂通りのお優しい人ですね。こんな僕の死を想って下さるんですから。ありがとうございます」
そのあと直ぐ男は少しずつ光の粒子が上へ登っていく。
「聖女様は生きている内に夢を叶えてください……」
光に溶けた男はその言葉を残して姿が完全に消えて行った。
この空間に死者は長くいることが出来ない。一言二言。それがリリアが認識してから与えられて話せる時間だ。本当ならもっとたくさんお話を聞いてあげたい。でもそれは許されていないのだ。女神に……ではなく世界に。
生きている中で一番死に近い存在である聖女だからこそ、ある一定の死者と語る時間を設けられているに過ぎない。リリアの力で作り出したものでないのだから何もできないのが必然であるけれど……悲しくなるのを止めるすべもない。
男性が光に溶け切るとリリアは現実へと戻された。
「……気持ち。切り替えないと」
目が覚めたばかりのリリアの瞳からは涙が零れる。
慣れることなんて絶対にない。でも悲しいままでいても周りに心配をかけるだけだから無理やり気持ちを切り替える。もちろん毎日死者の夢を見るわけではないがこれもリリアの日常の一つだ。
このように死んだ人の死に方がわかってしまうと言うことは……戦争でも知り合いが人を殺す映像が見えてしまう事もしばしばある。それも殺された側の視点でだ。
戦争だから仕方なく、死んだ人も納得はしている。……でも辛いものは辛い。そして、ここまで見えることは誰にも言っていない。言えるわけがない。
人を殺すときの顔を自分が見ている何て言えば気持ち悪いだろう。近寄りたくないだろう。だからこの事は胸にしまって人が死んだことだけわかると言うしかない。
殆ど話し半分で受け止められてしまうが……でも、大地だけは違った。あの戦争があった夜では死者の夢を見ることはなかった。大地が確りとリリアの話を聞いてくれて実行してくれたのだ。
リリアは上半身を起き上がらせて乱暴に涙をぬぐうと窓の空を眺める。まぶしく思える日差しが部屋を照らし雲が流れるこの光景は変わらない朝で安心する。
でも、陰鬱とした気持ちはまだ切り替わってくれない。夢から覚めたばかりだからこそ……ふとした時に亡くなった人の顔がまだ思い出せてしまう。悲しみの余韻は気持ちの持ちようでは消えてくれないのも何時もの事だ。
大抵は時間だ。少しずつ記憶が薄れていくことで悲しみも薄れていく。
ただ、別の考え事をすれば気が紛れるかもしれない。
そう思って昨日の飲み会でフルネールに聞いたこと思い出す。
***
「フルネールさん。ダイチさんの事を聞いても良いですか?」
フルネールに抱きつかれて大地に見捨てられたリリアは前から気になっていた事を思いきって口にした。
大地が目の前にいないことで少しだけズルいかな?とも思わなくもないが彼の口から聞くよりフルネールから聞いた方が精神は保っていられるだろうから。
「リリアちゃん。何ですか~?今なら大地さんの恥ずかしい話だって教えちゃいますよ~?」
「そ、それはやめてあげてください」
フルネールの言葉に同情したリリアが困った顔をしながら止めた。
「私が聞きたいのは……ダイチさんが異世界からきたお話です」
「ふむふむ。リリアちゃんもこの世界じゃない場所へ行きたいんですか~?」
もしここで行きたいと言ったら別の世界に行くことが出来るのだろうか。一瞬だけそう考えたリリアだが、直ぐに聖女としての役目を果たさないで逃げることなんて出来ないと思い至って否定した。
「ううん。そうじゃないのです」
その否定に少しだけ悲しみが混ざっていた事でフルネールはそのままリリアの次の言葉を黙って待つことにした。
「ダイチさんが異世界から来たのなら……いつか。いつか!……帰ってしまうのでしょうか?」
あの日、熱を出したときに聞かされた大地の事で最初に疑問に浮かんだ事がこれだ。聞いた直後は間の悪いことで自分のせいで聞くことができず、それからは聞くタイミングがなかった。
……いや、聞くのが怖かったのだ。話題に出そうともしなかったのは『大地がいずれ帰る』その言葉を聞いた時に泣き崩れてしまうかもしれず……足枷になりたくないから……。
「それが聞きたかった事なんですね。リリアちゃんそんなに怖がらないでください」
「え?」
出来る限り自然に言えたと思った。思っただけで顔に出ていたか声に出ていたか……もしくはフルネールに心を読まれたか。
少しの驚きを交えて短い声で返したリリアにフルネールは少しだけ頭をなでながら言う。
「大丈夫。大地さんは元の世界に帰りませんよ」
フルネールはそう言ってくれる。でも本当にそうなのだろうか?今は帰る気が無くても人間だから心変わりすることもあるから……。
「いえ、こう言った方が良いでしょうか。『帰れない』と」
「え?」
またもや同じ返し方をしてしまった。ただ、予想に反して大地の意思に関係がない事なのだから驚くのも無理はなかった。
「……それはダイチさん。知っているのでしょうか?」
そう心配そうに言うのだがフルネールはあっけらかんと「いいえ?」と答えた。だけど、その後にはこうも続けた。
「直接言ってはいませんがたぶん気づいてますよ」
大地はこの世界に来るとき死んでいるのだ。と言うとちょっと語弊がある。正しくは……『この世界に呼ぶ為に合意のもとフルネールが殺した』である。
『死』まで合意していたかは甚だ疑問はあるが……死んでいることは知っているから大丈夫だろう。何時も確りサービスしているし。
「あら、複雑そうなお顔していますね。喜んで良いのかどうか悩んでいる感じですか?」
「それもわかっちゃうんですね」
「ふふ。女神ですから!でも、大地さんが気にしていないことでリリアちゃんが悩んじゃダメですよ?」
相手の気持ちをわかった気になることこそ傲慢と言うものなのだ。と、フルネールはリリアを叱る。
「はい……」
***
大地はこの世界に残ってくれる。それはきっと喜んで良いことなのだ。そう思うと今から外に出て大地に会いたいと思ってしまった。
外を眺めてもわからないが今は火山からの熱で気温は高いだろう。
一歩外に出れば宿の部屋を冷却する魔道具は効果が届かないのだから熱さの対策は確りしなければならない。
外へ出る支度を済ませたリリアは外へ出ようとしたときにドアのノック音を聞いた。
夢の中だけど現実も混じっている夢と現実の境のような……でも、どちらにしても悲しいことに代わりはないもの。
リリアから少し離れた場所には一人の男性と思しき存在がいる。その男性をリリアが認識すると徐々に姿がはっきりしてくるがそのとたん、彼の死に際が映像となってリリアに直接見せる。
腕や足、横っ腹に傷を負いながらも必死に走っている。息を荒くして草木や小石、整備されていない土を踏みながら森の中を……だ。飛び出ている小枝で頬や二の腕が切れようとも今は気にしている場合ではない。
止まれば死ぬ。追い付かれても死ぬ。戦っても死ぬ。もう既に必死に走る以外の道は用意されていない。その死をもたらされる理由は真後ろから少しずつ距離を縮めて来ている熊のようなモンスターによるものだ。
走り続けるその体が悲鳴をあげている。それは限界が近いと言うことであり……この長い鬼ごっこももうすぐ終わることを意味していた。
それが怖くて怖くて……男は泣き叫びながら走る……が、肉体の限界の前に終わりは早く来てしまった。疲労、恐怖、緊張が絡み合い男の足をもつれさせる。
男は地面に倒れた拍子に肺の空気が漏れでたせいで「うぁっ」と声にならない音を吐き出した。
そしてすぐさまに振り向くとモンスターは目の前まで来ていてその腕が振り下ろされた。鋭い爪が肉に食い込み裂いていく痛みを感じながらも声を上げることすら叶わず痛みの中で男は絶命した。
その一部始終を拒否できないイメージ映像として見せつけられたリリアは眉尻が下がるほど悲しくなる。どれくらい怖かったのか。どのくらい痛かったのか。見ただけで全てがわかるわけはないが……それでも目の前の亡くなった男性が辛かったことはわかるから。
「痛かったですよね。ごめんなさい。私にはあなたが無事に天に帰られる事を祈ってあげる事しか……出来ないんです」
目の前の男性の辛さを思えば思う程、悲しさが増してリリアの瞳から涙がこぼれる。
聖女なのに助けることもできず祈ることしかできなくて……ごめんなさい。と。
「聖女様……謝らないでください」
輪郭さえもハッキリした男性が柔らかい笑みを浮かべて言う。
「確かに死ぬ間際は怖かったです……でも最期に聖女様とお話出来る夢が叶ったんですから悲しくないですよ」
「夢……?」
「はい。今の代の聖女様は心優しいとお聞きしていて話してみたかったのです」
「そんな私は……死んでしまったあなたに何もできないのにそんな事を言ってもらう資格なんてありません……」
「……本当に噂通りのお優しい人ですね。こんな僕の死を想って下さるんですから。ありがとうございます」
そのあと直ぐ男は少しずつ光の粒子が上へ登っていく。
「聖女様は生きている内に夢を叶えてください……」
光に溶けた男はその言葉を残して姿が完全に消えて行った。
この空間に死者は長くいることが出来ない。一言二言。それがリリアが認識してから与えられて話せる時間だ。本当ならもっとたくさんお話を聞いてあげたい。でもそれは許されていないのだ。女神に……ではなく世界に。
生きている中で一番死に近い存在である聖女だからこそ、ある一定の死者と語る時間を設けられているに過ぎない。リリアの力で作り出したものでないのだから何もできないのが必然であるけれど……悲しくなるのを止めるすべもない。
男性が光に溶け切るとリリアは現実へと戻された。
「……気持ち。切り替えないと」
目が覚めたばかりのリリアの瞳からは涙が零れる。
慣れることなんて絶対にない。でも悲しいままでいても周りに心配をかけるだけだから無理やり気持ちを切り替える。もちろん毎日死者の夢を見るわけではないがこれもリリアの日常の一つだ。
このように死んだ人の死に方がわかってしまうと言うことは……戦争でも知り合いが人を殺す映像が見えてしまう事もしばしばある。それも殺された側の視点でだ。
戦争だから仕方なく、死んだ人も納得はしている。……でも辛いものは辛い。そして、ここまで見えることは誰にも言っていない。言えるわけがない。
人を殺すときの顔を自分が見ている何て言えば気持ち悪いだろう。近寄りたくないだろう。だからこの事は胸にしまって人が死んだことだけわかると言うしかない。
殆ど話し半分で受け止められてしまうが……でも、大地だけは違った。あの戦争があった夜では死者の夢を見ることはなかった。大地が確りとリリアの話を聞いてくれて実行してくれたのだ。
リリアは上半身を起き上がらせて乱暴に涙をぬぐうと窓の空を眺める。まぶしく思える日差しが部屋を照らし雲が流れるこの光景は変わらない朝で安心する。
でも、陰鬱とした気持ちはまだ切り替わってくれない。夢から覚めたばかりだからこそ……ふとした時に亡くなった人の顔がまだ思い出せてしまう。悲しみの余韻は気持ちの持ちようでは消えてくれないのも何時もの事だ。
大抵は時間だ。少しずつ記憶が薄れていくことで悲しみも薄れていく。
ただ、別の考え事をすれば気が紛れるかもしれない。
そう思って昨日の飲み会でフルネールに聞いたこと思い出す。
***
「フルネールさん。ダイチさんの事を聞いても良いですか?」
フルネールに抱きつかれて大地に見捨てられたリリアは前から気になっていた事を思いきって口にした。
大地が目の前にいないことで少しだけズルいかな?とも思わなくもないが彼の口から聞くよりフルネールから聞いた方が精神は保っていられるだろうから。
「リリアちゃん。何ですか~?今なら大地さんの恥ずかしい話だって教えちゃいますよ~?」
「そ、それはやめてあげてください」
フルネールの言葉に同情したリリアが困った顔をしながら止めた。
「私が聞きたいのは……ダイチさんが異世界からきたお話です」
「ふむふむ。リリアちゃんもこの世界じゃない場所へ行きたいんですか~?」
もしここで行きたいと言ったら別の世界に行くことが出来るのだろうか。一瞬だけそう考えたリリアだが、直ぐに聖女としての役目を果たさないで逃げることなんて出来ないと思い至って否定した。
「ううん。そうじゃないのです」
その否定に少しだけ悲しみが混ざっていた事でフルネールはそのままリリアの次の言葉を黙って待つことにした。
「ダイチさんが異世界から来たのなら……いつか。いつか!……帰ってしまうのでしょうか?」
あの日、熱を出したときに聞かされた大地の事で最初に疑問に浮かんだ事がこれだ。聞いた直後は間の悪いことで自分のせいで聞くことができず、それからは聞くタイミングがなかった。
……いや、聞くのが怖かったのだ。話題に出そうともしなかったのは『大地がいずれ帰る』その言葉を聞いた時に泣き崩れてしまうかもしれず……足枷になりたくないから……。
「それが聞きたかった事なんですね。リリアちゃんそんなに怖がらないでください」
「え?」
出来る限り自然に言えたと思った。思っただけで顔に出ていたか声に出ていたか……もしくはフルネールに心を読まれたか。
少しの驚きを交えて短い声で返したリリアにフルネールは少しだけ頭をなでながら言う。
「大丈夫。大地さんは元の世界に帰りませんよ」
フルネールはそう言ってくれる。でも本当にそうなのだろうか?今は帰る気が無くても人間だから心変わりすることもあるから……。
「いえ、こう言った方が良いでしょうか。『帰れない』と」
「え?」
またもや同じ返し方をしてしまった。ただ、予想に反して大地の意思に関係がない事なのだから驚くのも無理はなかった。
「……それはダイチさん。知っているのでしょうか?」
そう心配そうに言うのだがフルネールはあっけらかんと「いいえ?」と答えた。だけど、その後にはこうも続けた。
「直接言ってはいませんがたぶん気づいてますよ」
大地はこの世界に来るとき死んでいるのだ。と言うとちょっと語弊がある。正しくは……『この世界に呼ぶ為に合意のもとフルネールが殺した』である。
『死』まで合意していたかは甚だ疑問はあるが……死んでいることは知っているから大丈夫だろう。何時も確りサービスしているし。
「あら、複雑そうなお顔していますね。喜んで良いのかどうか悩んでいる感じですか?」
「それもわかっちゃうんですね」
「ふふ。女神ですから!でも、大地さんが気にしていないことでリリアちゃんが悩んじゃダメですよ?」
相手の気持ちをわかった気になることこそ傲慢と言うものなのだ。と、フルネールはリリアを叱る。
「はい……」
***
大地はこの世界に残ってくれる。それはきっと喜んで良いことなのだ。そう思うと今から外に出て大地に会いたいと思ってしまった。
外を眺めてもわからないが今は火山からの熱で気温は高いだろう。
一歩外に出れば宿の部屋を冷却する魔道具は効果が届かないのだから熱さの対策は確りしなければならない。
外へ出る支度を済ませたリリアは外へ出ようとしたときにドアのノック音を聞いた。
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